都心から1時間のJAF公認サーキット 〜「袖ケ浦フォレスト・レースウェイ」がオープン

2009.11.16 自動車ニュース

都心から1時間のJAF公認サーキット 〜「袖ケ浦フォレスト・レースウェイ」がオープン

千葉県袖ケ浦市に新たなJAF公認サーキット「袖ケ浦フォレスト・レースウェイ」が竣工。2009年11月14日に、完成披露式典が行われた。

■この不況下で新しいサーキットが

『webCG』編集部のある東京・神田神保町から首都高速、東京湾アクアラインを経て圏央道に入り、(現在のところ)終点である木更津東ICで下りて県道を走ること約10分、編集部を出てからちょうど1時間で「袖ケ浦フォレスト・レースウェイ」に到着した。

都心からクルマで1時間前後というアクセスのよさを誇るこのサーキット。100年に1度と呼ばれる不況に覆われ、自動車関連産業はすべからく縮小傾向にある中で、新たにオープンに踏み切った勇気あるオーナーは、かつて環境庁長官や法務大臣を歴任した中村正三郎氏。意外に思われるかもしれないが、彼は古くからのエンスージアストであり、1960年代には日本グランプリをはじめ多くのレースに参戦していたアマチュアレーシングドライバーの草分け的存在だったである。

千葉県はもともと彼の地元だが、植林を伐採した後に遊休地となっていたこの土地の再利用計画としてサーキットを企画し、当時の袖ケ浦市長をはじめとする地域の賛同を得て、建設に着工したのは5年前という。
「日本は世界一の自動車生産国であるにもかかわらずモータースポーツの認知度が低く、自動車先進国の中ではもっともサーキットが少ない。モータースポーツ文化の育成はもちろん、公道における暴走行為などを防ぐ意味でも走る場所を提供したい」というのがそもそもの設立の動機だそうだ。

全長2.4km(メインスタンド前直線400m)、コース幅員最大18m(メインスタンド前)、最小15m、コーナー数14という本格的なコースのレイアウトは、中村氏が長年の経験をもとに自ら立案したものだ。国際自動車連盟(FIA)の規格に従っており、日本自動車連盟(JAF)公認を受けている。試走したプロドライバーによれば「一見したところ難しそうには見えないが、じつは奥が深く、走りがいがある」とのことだ。
また「袖ケ浦フォレスト・レースウェイ」と名称にも謳っているように、コースの外側に幅30mの森林帯を残すとともに敷地内に1万本の植林を行うなど、環境保全にも配慮している。

■クルマも自転車もマラソンも

完成披露式典には政界をはじめ多くの来賓が列席していたが、モータースポーツ界からは「チーム国光」代表の高橋国光氏や、「スーパーアグリカンパニー」代表の鈴木亜久里氏らが登壇して、祝辞を述べた。「サーキットを作るという話を、最初に中村先生から聞いたときは半信半疑だった。でも、そう語る先生の手を見たら、爪先がオイルで黒く染まっていた。聞けばいまだに自分でエンジンを組んだりしてるという。その言葉を耳にして、この人なら本当に作るかもしれないと思った」という鈴木氏の言葉が印象的だった。

当日はあいにく時おり激しい風雨に見舞われる天候だったが、コースではメインストレートでの来賓によるテープカットに続き、ヴィンテージカーの模擬レースなどが行われた。

「袖ケ浦フォレスト・レースウェイ」は、レースやスポーツ走行のほか、車両のテストや試乗会・発表会、また自転車レースやマラソン大会など、モータースポーツのみならず、多くの人に幅広い目的で使われることを想定している。そして地域を活性化し、愛される施設となることを目指していくという。
アマチュアが気軽に利用できるスポーツ走行については、11月下旬から営業予定で、利用方法や手続きについては近日中にホームページで告知するとのこと。

公式サイト:
http://www.sodegaura-forest-raceway.com/

(文と写真=田沼 哲)

グランドスタンド前のメインストレート上で、来賓により行われたテープカット。高橋国光氏(右から5人目)、鈴木亜久里氏(左から2人目)の姿も見える。
グランドスタンド前のメインストレート上で、来賓により行われたテープカット。高橋国光氏(右から5人目)、鈴木亜久里氏(左から2人目)の姿も見える。
挨拶をする中村正三郎氏。60年代には『CAR GRAPHIC』に同誌の長期テスト車だった「ロータス・ヨーロッパS1」のサーキットインプレッションを執筆したり、そのヨーロッパを譲り受け、自ら改造してレースに出場したりもしていた。
挨拶をする中村正三郎氏。60年代には『CAR GRAPHIC』に同誌の長期テスト車だった「ロータス・ヨーロッパS1」のサーキットインプレッションを執筆したり、そのヨーロッパを譲り受け、自ら改造してレースに出場したりもしていた。
ウェットコンディションの中、エキシビジョンレースに向けてコースインするヴィンテージカー。
ウェットコンディションの中、エキシビジョンレースに向けてコースインするヴィンテージカー。
ピットの屋上からコースを眺めたところ。コース外周に沿って森林帯が残されているのがわかる。
ピットの屋上からコースを眺めたところ。コース外周に沿って森林帯が残されているのがわかる。
「袖ケ浦フォレスト・レースウェイ」のコースレイアウト。
「袖ケ浦フォレスト・レースウェイ」のコースレイアウト。

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