「トヨタ・マークX」がフルモデルチェンジし2代目に

2009.10.19 自動車ニュース
スポーツタイプの「350S」。
「トヨタ・マークX」がフルモデルチェンジし2代目に

「トヨタ・マークX」がフルモデルチェンジし2代目に

トヨタ自動車は2009年10月19日、同社のFRセダン「マークX」をフルモデルチェンジし、同日より販売を開始した。

発表会場には、CMキャラクターの佐藤浩一さんがゲストで登場。新型マークXは、「SAMURAI」をキーワードに「SAMURAI PROJECT」と題した様々なキャンペーンをスタートさせる。TVCMをはじめ、佐藤部長が主演するWEBドラマなどが予定されている。「マークXには、ポテンシャルとタレント性を感じたました。伝統と男心をくすぐる運転の楽しさを伝えられたらいいですね」とプロジェクトに向けて意気込みを語った。
「トヨタ・マークX」がフルモデルチェンジし2代目に

■初代の路線を継承

1968年に誕生した「マークII」の後継モデルとして、2004年、装いも新たに登場したアッパーミディアムセダンが「マークX」。このトヨタ伝統のセダンが約5年ぶりにフルモデルチェンジを受け、2代目へと進化した。

3眼のヘッドライトや「X」をモチーフとしたフロントグリルなど、ひと目でマークXとわかるデザインを受け継ぎながら、「“運転する楽しさ”や“ワクワク感”、そして何よりも“魅力的なスタイリング”にこだわりました」(広報資料より)というのが、新型開発のテーマ。その実現に向け、初代マークXのデザイン、走りに磨きをかけたのがこの新型マークXということになる。

新しいラインナップは、「スタンダード」「スポーツ」「プレミアム」の3タイプに大別され、スタンダードタイプは「250G “Fパッケージ”」の238万円から。スポーツタイプは「250G “Sパッケージ”」の293万7500円から。そして、プレミアムタイプは「PREMIUM」の337万円から。FRモデルに加え、スタンダードタイプには4WD仕様も用意される。月販目標台数は3000台である。

今回新たに設定された「PREMIUM」。プレミアムタイプは、専用のフロントバンパー&グリルに、メッキモール付サイドマッドガードが装着される。
今回新たに設定された「PREMIUM」。プレミアムタイプは、専用のフロントバンパー&グリルに、メッキモール付サイドマッドガードが装着される。
スポーツタイプ「350S」のサイドビュー。
スポーツタイプ「350S」のサイドビュー。

■キーワードは「glam tech」

先代のイメージを色濃く残す新型マークXは、「glam tech(グラム テック)」をデザイン開発キーワードに、“魅力的なスタイリング”を目指したという。glam techとは、ダイナミックな見応えを意味する“グラマラス”と、近代感・精度感を表す“テック”を組み合わせたデザインコンセプトで、おおらかさと硬質さを共存させることにより、「オーナーの価値観にふさわしい大人の艶感や色気を表現したい」と考えたのだ。

その結果、生まれたのがこのスタイリングで、斜めに配置された3眼のヘッドライトや張り出しを強めたフロントフェンダーが精悍な印象をもたらすとともに、フロントフェンダーとの連続性を持たせるために付け根を前方に出したAピラーと、力強いキャラクターラインがサイドビューに勢いを与えている。さらに、豊かなリアフェンダーからバンパーにいたる張りのある面と薄めのテールランプがスポーティさを一段と高めている。おかげで先代よりも存在感は増したように思えるが、ボディサイズは全幅が20mm広がっただけで、4730mmの全長や1435mmの全高(4WDは1445mm)、2850mmのホイールベースは旧型と同一である。

一方、新たな試みとして、この新型マークXでは、ベースとなる「スタンダード」に加えて、上質さを演出した「プレミアム」とスポーティさをアピールする「スポーツ」の3タイプを用意して、ユーザーのニーズに対応する。それはエクステリア/インテリアのデザインにも表れていて、たとえばプレミアムタイプでは専用デザインのフロントグリルやメッキ処理のサイドシルモールを施したり、また、スポーツタイプでは、スモークタイプのヘッドライト/テールライト、前後スポイラーを装着するなどして、差別化を図っている。

先代の3リッターに代わる3.5リッターV6エンジン。
先代の3リッターに代わる3.5リッターV6エンジン。
「PREMIUM」のリアビュー
「PREMIUM」のリアビュー
スタンダードタイプの「250G」。
スタンダードタイプの「250G」。

■クラウンばりの内容

搭載されるエンジンは2種類。上級モデル用には、従来の3リッターに代えて、クラウンシリーズに搭載されている3.5リッターV6の「2GR-FSE」を採用する。直噴とポート噴射を適宜切り替える「D-4S」システムを搭載し、最高出力318ps/6400rpm、最大トルク38.7kgm/4800rpmの実力を持つ。
一方、主力の2.5リッターV6は、従来と同じ「4GR-FSE」を踏襲するが、使用燃料がハイオクからレギュラーガソリンに改められ、財布に優しい仕様となっている。これにともない、最高出力203ps/6400rpm、最大トルク24.8kgm/4800rpmと、ハイオク仕様に比べて12ps/1.7kgmのダウンとなった。燃費は3.5リッター搭載モデルが10.2km/リッター、2.5リッターモデルが12.4〜13.0km/リッター(4WDは11.4km/リッター)で、2.5リッターエンジン搭載モデルの一部で、旧型よりも燃費の向上が見られる。

なお、プレミアムタイプは3.5リッター、スタンダードタイプは2.5リッターのエンジンが搭載され、スポーツタイプではグレードにより3.5リッターまたは2.5リッターが組み合わされる。全車、トランスミッションはシーケンシャルシフト付きの6段オートマチックで、スポーツタイプにはパドルシフトが装着される。

シャシーは旧型のFRプラットフォームを引き継ぐことになるが、前ダブルウィッシュボーン、後5リンク式マルチリンクのサスペンションはセッティングが見直され、「滑らかでフラットな乗り心地と操縦性・走行安定性をさらに向上させた」という。スポーツタイプには電子制御の可変減衰力ダンパーのAVS(=Adaptive Variable Suspension system)を搭載して、スポーティなハンドリングと快適性をより高い次元で両立。ステアリングには、車速にあわせてステアリングのギア比を変えるVGRS(ギア比可変ステアリング)を新採用。上級モデル「クラウン」ばりの内容となっている。

「250G」のインパネ。
「250G」のインパネ。

「トヨタ・マークX」がフルモデルチェンジし2代目にの画像
スポーツタイプのリアビュー。
スポーツタイプのリアビュー。

■奇をてらわないインテリアに

インテリアデザインにも「glam tech」が息づいていて、たとえばインストゥルメントパネルは、水平基調のボリューム感あるフォルムにシャープなラインを加えることで、おおらかさと硬質さとを対比させたのだという。ドライバー側に向けられたセンタークラスターは比較的オーソドックスなデザインに仕上げられ、遊び心が見られた旧型とは対照的だ。旧型で話題となった天井の大型イルミネーションも新型では姿を消している。

キャビンスペースは、ほぼ旧型と同じレベルだが、フロントシート間の距離が20mm、ドアトリムのショルダー部の距離を前後とも25mm拡大して、横方向のゆとりを稼ぎ出している。リアシートは、旧型同様、リクライニングや6:4分割可倒機構などが備わる。ラゲッジスペースは旧型より43リッター増えて480リッターに拡大。「ゴルフバッグ4個と一緒にスポーツバッグ4個、シューズケース4個の収納も可能」とのことだ。

安全装備では、ミリ波レーダーを用いた「プリクラッシュセーフティシステム」をプレミアムタイプに標準装備またはオプションとして設定。車両の姿勢を統合的に制御する「VDIM」は3.5リッター搭載モデルに標準またはオプションとして用意。他のグレードでは、横滑り防止機構のVSCとトラクションコントロールが標準装着される。

このように、デザインも中身も正常進化を遂げた新型マークX。その内容を考えると、なかなか魅力的なプライスであり、FRセダンに思い入れのあるユーザーにとっては見逃せない存在となりそうだ。

(文=生方聡)

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