第8戦、TOM'Sレクサスが今季初優勝!【SUPER GT 09】

2009.10.19 自動車ニュース

【SUPER GT 09】第8戦、TOM'Sレクサスが今季初優勝!

2009年10月18日、大分県オートポリスで、SUPER GT第8戦の決勝レースが開催された。予選4番手からスタートを切ったNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/A・ロッテラー組)が接戦を勝ち抜き、チームに今季初勝利をもたらした。
GT300クラスは、表彰台の立ち位置を巡って目まぐるしく順位が入れ替わるなか、No.11 JIMGAINER ADVAN F430(田中哲也/平中克幸組)が優勝した。

■No.38 SC430の立川が最多ポールポジション記録を更新

予選でポールポジションを獲得したのは、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/R・ライアン組)。アタックを担当した立川自身が持つ、通算最多ポールポジション記録を15回にのばし、SC430勢として開幕戦以来、今季2度目のポール獲得となった。2番手にはNo.12 IMPUL カルソニック GT-R(松田次生/S・フィリップ組)、3番手にはNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/B・トレルイエ組)が続いた。

ランキング争いで、3台が同ポイントで暫定トップに並ぶGT300は、その中の1台、No.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)がポールを獲得。4番手と8番手に甘んじたライバルに、先制攻撃を仕掛けることに成功した。

■逃げるZENT CERUMO、追うPETRONAS TOM'S

決勝はスタート直後から2台のレクサスSC430が攻防戦を繰り広げた。ポールからクリアスタートを切ったNo.38 ZENT CERUMO SC430のライアンに対し、2、3番手のGT-R勢はやや精彩を欠く幕開けを見せた。これが予選4番手のNo.36 PETRONAS TOM'S SC430のロッテラーにポジションアップの好機を与えた。

オープニングラップで2位に上がったNo.36 SC430のロッテラーはトップNo.38 SC430のライアンをピタリとマーク。時折横並びになるまで攻め込むが、抜くには至らない。路面が粗く、アップダウンが続くオートポリスのコースでは、いかにタイヤを磨耗させず長持ちさせるかが勝敗の決め手となる。追う側としてはむやみなプッシュは避けたい。ロッテラーは、ライアンとの僅差をキープしたまま周回を重ねていった。

パッシングポイントが少ないコース上では次第に「渋滞」が見られるようになり、小競り合いによる接触が多発。慌しい展開のなか、トップ2台も0.1〜0.2秒という一触即発に近い状況だったが、No.38 SC430のライアンはNo.36 SC430のロッテラーを強く警戒し、チャンスを与えない。結局このまま2台はドライバー交代を含むルーティンのピット作業を迎えることになる。ライアンがピットに向かい、ロッテラーも追随。ほぼ同じタイミングで始まったピット作業を先に終えたのは、脇阪が駆るNo.36 SC430。少し遅れて立川に代わったNo.38 SC430もピットを離れたが、1コーナーに近い場所でピットを構えていた36号車のチームが持てる力をフルに発揮し、逆転に成功した。

このあとも引き続きSC430同士のバトルが続くかに思われたが、この2台に割って入ったのはNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rの本山。ひと足先のピットインでタイヤも温まっていた本山は、すぐさまNo.36 SC430の脇阪をプッシュする。だが、脇阪はアウトラップで本山の猛追を封じ込めた。逆に本山は、背後にいたNo.38 SC430の立川のパッシングを許し、再びSC430の2台が緊迫のバトルを繰り広げた。

■レース終盤に訪れた、まさかのペナルティ宣告

暫定トップはその時点でピットストップを済ませていないマシンに譲る格好となったが、実質的なトップ争いを演じるのは、No.36 SC430の脇阪と、No,38 SC430の立川のふたりである。周回遅れのGT300のマシンが前に立ちはだかると、2台の差は一気に縮小。手に汗握る熾烈な攻防戦が、今回のオートポリスにおいて最大の見せ場となった。

優勝の2文字をかけ、No.38 SC430の立川がNo.36 SC430の脇阪を追い立てる。こうした展開は、今シーズン2度目。第2戦の鈴鹿戦の終盤で、立川は驚異の追い上げをみせて脇阪からトップの座を奪っている。その再来をもくろんだと思われる立川であったが、今回は残りおよそ10周というところで新たな展開が待っていた。

なんとNo.38 SC430がピット作業中に違反を犯したことが計時モニターによって伝えられた。モニターには、ジャッキアップされた状態にも関わらずNo.38 SC430のリアタイヤが空転している様子が映し出された。この映像がジャッキアップ中にエンジンがかかっていた証拠となり、No.38はレース後に30秒のペナルティが加算されることに。まさかの結末であった。

しかし、コース上ではNo.38 SC430とNo.36 SC430のバトルが依然として続く。そしてさらなるハプニングが勝ち構えていた。この2台の前を走行していたGT300のクルマが突如ラインを変更し、そのあおりで2台は接触。No.38 SC430は挙動を乱し、その勢いでガードレールにリアウィングを激しくヒット。接触自体はレーシングアクシデントと判定されたが、修復を余儀なくされたNo.38 SC430にとっては万事休す。まさかの11位に終わった。

背後からのプレッシャーから解放されたNo.36 SC430の脇阪は、2位に浮上したNo.1 GT-Rに詰め寄る余地を与えず、そのままトップでチェッカーを受けた。2位No.1 GT-Rに続き、3位にはNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(J・P・デ・オリベイラ/荒聖治組)。予選は11位と大きく出遅れたが、決勝はライバルたちの意表を突く作戦が功を奏し、今季2度目の表彰台に立った。

■壮絶バトルが続いたGT300クラス

GT300のトップ争いは、多くのマシンがトップの座を狙う目まぐるしい展開となった。予選ポールのNo.43 ARTA Garaiyaは後続の追い上げを受け、次第に後退。予選3番手のNo.11 JIMGAINER ADVAN F430はトップを奪取した後に、GT500の接触を受けスピン。代わって前に出たNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也組)は、いつしか2位まで挽回してきたNo.11 F430の気迫に押されたか、トップの座を明け渡すことになった。最終的に優勝したのはNo.11 F430。2位のNo.19 IS350に続いたのは、No.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼組)。第4戦セパン以来、久々の表彰台獲得だ。

■最終戦の舞台はもてぎ。GT-R、2連連続のタイトルホルダーとなるか?

シリーズポイントを競り合うマシンがここ一番の踏ん張りを見せたオートポリス戦。GT500では、ランキング暫定トップのNo.1 GT-Rが手堅く2位でゴールし、タイトル獲得の足元をさらに固めた。今回の優勝でNo.1 GT-Rとのポイント差が縮まったのが、No.36 SC430。だが最終戦で優勝してもNo.1 GT-Rが2位に入れば、同ポイントであっても入賞回数の多さで勝るNo.1 GT-Rが王者の称号を手にする。3番手につけるNo.8 ARTA NSX(R・ファーマン/伊沢拓也組)も、優勝に加えてライバルの結果次第という“他力本願”となる。

僅差でのランキング争いはGT300も同様。最後の最後まで勝負の行方がわからないSUPER GT。最終戦は11月8日、栃木・ツインリンクもてぎで決勝レースが行われる。

(文=島村元子/写真=オフィスワキタ KLM Photographics J)


第8戦、TOM'Sレクサスが今季初優勝!【SUPER GT 09】の画像
GT500クラスのスタートシーン。No.36 PETRONAS TOM'S SC430はオープニングラップで4位から2位に浮上した。
GT500クラスのスタートシーン。No.36 PETRONAS TOM'S SC430はオープニングラップで4位から2位に浮上した。
トップ争い。ポールポジションからスタートしたNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン組)に並びかけるNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー組)。
トップ争い。ポールポジションからスタートしたNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン組)に並びかけるNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー組)。
先頭を走るNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー組)を追うNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン組)がスピン。このアクシデントでNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)が2位に浮上した。
先頭を走るNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー組)を追うNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン組)がスピン。このアクシデントでNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)が2位に浮上した。

第8戦、TOM'Sレクサスが今季初優勝!【SUPER GT 09】の画像
GT300クラス優勝のNo.11 JIMGAINER ADVAN F430(田中哲也/平中克幸組)。
GT300クラス優勝のNo.11 JIMGAINER ADVAN F430(田中哲也/平中克幸組)。
No.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(J.P・デ・オリベイラ/荒聖治組)とNo.18 ROCKSTAR 童夢 NSX(道上龍/小暮卓史組)、No.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組)は、激しい3位争いを繰り広げた。
No.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(J.P・デ・オリベイラ/荒聖治組)とNo.18 ROCKSTAR 童夢 NSX(道上龍/小暮卓史組)、No.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組)は、激しい3位争いを繰り広げた。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。