「日産マーチ」








「ボルボXC60」に備わる、シティ・セーフティの作動イメージ図。




「フォード・トーラス」
■クルマ(とクルマ社会)はどこへ向かう?

--そんなふうにクルマはどんどんよくなっているわけですが、クルマやクルマ社会がどういった方向に進むのかを第2部では話したいと思います。

松任谷:次の時代のクルマに求められるのは、軽量化とか低燃費ということでしょうね。
加藤:2015年以降、日本でもアメリカでもヨーロッパでも、厳しい燃費規制が敷かれますからね。たとえばヨーロッパでは、自動車メーカー各社が販売するクルマは平均で20km/リッター近い燃費が要求されます。
神足:僕は普段、フォルクスワーゲンの「ゴルフ・トゥーラン」に乗っているんですが、車検に出したら代車に「日産マーチ」がやってきた。
松任谷:マーチはいま乗るとカッコいいですよ。
神足:でも最初は家族から不評だったんですよ。特に娘は「こんな狭い場所でだれがどうやって暮らすんだ」とおかんむり。でも、一週間ぐらいわが家にあったのかな。最後のほうはスーパーに買い物に行くと、エコで小回りが利いていいクルマだと思えるようになった。
加藤:だから乗る側の意識も変わるということでしょうね。クルマって、どこかに“正義”がないと乗りづらくなっているのは確かです。プリウスが最たる例ですが、さきほど話題にあがったフェラーリ・カリフォルニアの直噴エンジンやトランスミッションにしても燃費のため、つまり社会正義のためのメカニズム。燃費規制の件もあって、ここ5、6年でクルマはドラスティックに変化するでしょうね。

松任谷:変化するのは燃費だけじゃなさそうですね。今年登場したメルセデス・ベンツの新型「Eクラス」には、車線をはみ出しそうになるとステアリングホイールが振動して警告するレーンキーピングアシストという装置が付いているんです。フロントウィンドウのカメラが前方を見張っていて。
加藤:似たような仕組みが増えつつありますね。今年の新型車だと、「スバル・レガシィ」だとか「ボルボXC60」だとか。
松任谷:ボルボのシティ・セーフティという仕組みは、追突する危険を察知すると急停車しますから。それで、Eクラスの仕組みが5年後にはフォルクスワーゲン・ゴルフのようなポピュラーな車種に採用されると仮定すると、その5年後には自動運転になるような気がします。あのカメラがあればできるわけですから。
加藤:その流れは頭では理解できるのですが、自分がスピードの快楽を捨てられるのか、そのへんが疑問なんです。
松任谷:クルマのおもちゃ的な要素、子どもの頃に遊園地でゴーカートを運転して面白かったあの感じを自分の中でどう処理するか。でも、人を轢いてしまったら終わり、という方向にシフトすると思いますよ。運転を楽しむというのは、たとえばサーキットなどに場所が限定されるとか、あるいは税金や保険料が高くなるとか。
神足:いままでは日本中どこでもモータリゼーションに大差はなかったんですが、地域によって差が出るようになるかもしれませんね。大阪や東京では松任谷さんのおっしゃるような環境になり、一方で郊外ではいままでどおり楽しく山道を走ることができる。
加藤:フォードの「トーラス」は、レーダーで周囲の100台くらいのクルマを探知できるんです。軍事技術なんですが、その100台の中で、これは危険なクルマだとか気にしなくていいとかを判断してくれる。自動ブレーキも必要かもしれませんが、トーラスのように危険の存在を知らせてくれて、あくまでコントロールは自分で行うといのが僕の理想ですね。
   
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