アメリカメーカーは、まさに転換期【フランクフルトショー09】

2009.09.21 自動車ニュース

【フランクフルトショー09】アメリカメーカーは、まさに転換期

経営不振にあえぐ北米自動車メーカーは、今回のショーへの出展に消極的。しかしながら、旧“ビッグ3”以外から、今後が大いに楽しみな出展が見られた。

■GM、フォードは、国内市場に注力?

今回のフランクフルトモーターショーに関しては、これまでいくつか現地からのリポートをお届けしたが、「北米メーカーのブースについてまとめて紹介してほしい」という依頼もされていた。
しかしながら今回のショー、GMの出展は無く、フォードのブースも完全にヨーロッパのモデルだけ。クライスラー&ジープはいつものようにブースを構えていたものの、とりたてて新しいものがあるわけではなかった。要するに、リポートとしてまとめてお届けできるようなネタは集められなかったということである。

GMも(アメリカ)フォードも、商品ラインナップをこれまで以上に北米市場にフォーカスしていくということだけに、今後もフランクフルトでそのブースを見ることは難しいかもしれない。一時期、積極的にニュルブルクリンク詣でをしていたと言われるキャデラック、あるいはコルベットなども、再びドメスティック指向を強めていくのだろうか? そのあたりのことを知るには、2010年初頭のデトロイトショーにでも出向くしかなさそうだ。

■存在感を示す2社

しかし一方で、北米からやってきて存在感を示しているブランドもあった。テスラそしてフィスカーである。

テスラはご存知の通りのEV専業ベンチャー。これまでのロードスターに加えて、4ドアサルーンのモデルSを加えることで、より幅広い、つまりは一般層にまでアピールしようとしている。工場建設が難航しているとか、ダイムラーが出資額を引き下げたとか、不安な話もちらほらと出てきているが、果たして今度どんな展開をしていくのだろうか?

フィスカーは、かつてアストン・マーティンにて「V8ヴァンテージ」をデザインするなど活躍した、ヘンリック・フィスカーが立ち上げたブランド。最初の作として発表されている「カルマ」は、走行は電気モーターによって行われ、エンジンはモーターを充電するために積まれている、レンジエクステンダー型のプラグインハイブリッドシステムを動力とする大型高級サルーンである。内容もそうだが、その妖艶な外観だけでもゾクゾクさせられるカルマは、正直言ってデビューしたら本気で欲しいと思わせるほど魅力的だ。

今回のショーにはカルマを2ドア化して、さらにリトラクタブルルーフを採用したコンバーチブルである「カルマ・サンセットコンセプト」も展示されていた。こちらもさすがデザインは秀逸。カリフォルニアあたりのセレブ達が、こぞって欲しがるのは間違いないと思わせる。

エコカーをガマンの存在ではなく、ラクシャリーな存在と規定するブランドのありかた、そしてプロダクトは興味深いものがあるフィスカー。ステアリングを握る機会が早く訪れてほしいと思わずにはいられないところだ。

アメリカの自動車産業がまさに転換期にあること。それはフランクフルトモーターショーの陣容を見ても明らかだったと言えるだろう。ことによれば2年後にはテスラもフィスカーも、今の何倍もの規模のブースを構えているかもしれない。

(文と写真=島下泰久)

「フィスカー・カルマ」
アメリカメーカーは、まさに転換期【フランクフルトショー09】
「フィスカー・カルマ」
アメリカメーカーは、まさに転換期【フランクフルトショー09】
「フィスカー・カルマ・サンセットコンセプト」
アメリカメーカーは、まさに転換期【フランクフルトショー09】

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