ドイツ勢以上!? 内容充実のフランスメーカー【フランクフルトショー09】

2009.09.18 自動車ニュース
「プジョーRCZ」
地元に負けない、充実のフランスメーカー【フランクフルトショー09】

【フランクフルトショー09】ドイツ勢以上!? 内容充実のフランスメーカー

2009年9月15日に開幕したフランクフルトモーターショーにおいて、フランスの各自動車メーカーは、ドイツメーカーに引けを取らない充実したブースを展開し、ショーを盛り上げている。

「プジョー3008 HYbrid4」
地元に負けない、充実のフランスメーカー【フランクフルトショー09】
「プジョーBB1」
地元に負けない、充実のフランスメーカー【フランクフルトショー09】
「プジョー5008」
地元に負けない、充実のフランスメーカー【フランクフルトショー09】

■プジョー、HYbrid4がそこかしこに

地元ドイツ各社に比べるとブースの規模は小さいけれど、明るく元気な雰囲気ではドイツメーカーの上を行くプジョーのブース。そんな中で、とくに目を引いたのは、デザインスケッチがそのまま飛び出してきたような、ダイナミックなフォルムが自慢のコンパクトクーペ「RCZ」だ。2年前のここフランクフルトで、「308 RCZ」としてブースを飾ったコンセプトカーが、2010年春の発売を前に、現実のものとしてショー会場に姿を現したのだ。フロントからの眺めは、もはやすっかり見慣れたプジョーの猫顔だが、一方、その後ろ姿には驚きがある。“ダブル・バブル”のデザインは、短いルーフだけでなく、なだらかに傾斜するリアウィンドウにも受け継がれていて、モダンとクラシックを見事に調和しているのだ。ワイド&ローのプロポーションもまた、ベースとなった308ハッチバックとは大きく異なる点で、名前から「308」が消えたのにもうなずける。インテリアは、ハッチバックとは別物の、スポーティでパーソナルな雰囲気が魅力的。エンジンは、1.6リッターの直噴ガソリンターボが2種類(156psと200ps)、2リッター直噴ディーゼル1種類(163ps)が用意される。日本への導入は2010年夏ごろとなる見込みだ。

ショー会場には“HYbrid4”を採用したコンセプトカー「RCZ HYbrid4」もお目見えした。HYbrid4は、ディーゼルエンジンとモーターによるハイブリッドシステムだが、ほかのハイブリッドシステムと大きく異なるのは、エンジンとモーターが完全に独立したパラレルハイブリッドを採用する点。163psの2リッターディーゼルエンジンが前輪を駆動する一方、最大出力37psのモーターは後輪をドライブする。ストップ&ゴーが多い街中ではモーターで走り、また、減速時にはモーターによりエネルギーを回収。一方、郊外などを走るときにはディーゼルエンジンにバトンタッチ。急加速を必要とする場合はエンジンとモーターの両方を使うというのが基本的なパターン。HYbrid4はクロスオーバーの「3008」にも搭載され、こちらは2011年春に登場の予定。ショー会場にはその試作車が展示された。

ちょっと異色の存在が、ワールドプレミアとなるコンパクトな電気自動車「BB1」だ。全長2.5mのショートボディに、タンデムシートを2列並行に配置することで、4人乗りのキャビンを実現。クルマというよりもモーターサイクルをふたつ並べたようなユニークなパッケージングが興味をそそる。

「プジョーiOn」
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このほかのトピックとしては、「シトロエンC4ピカソ」(7人乗り)のプジョー版といえる3列シートのコンパクトミニバン「5008」がワールドプレミアとなった。全長4529×全幅1837×全高1644mmのボディに、3列シートを収めている。日本への導入は現在検討中とのこと。ちなみに、シトロエンC4ピカソ(5人乗り)をベースとする3008は、来年夏に日本デビューを予定している。
さらに、プジョーブースには、三菱がPSAグループにOEM供給する「iOn」が登場。バッジ以外はほぼ「i-MiEV」のデザインを踏襲するというiOnにより、プジョーはHYbrid4や自慢のディーゼルではカバーできない、ゼロエミッションのシティコミューター市場に本格参入することになる。

「シトロエン・レヴォルテ」
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「シトロエンC3」
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「シトロエンDS3」
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■シトロエン、個性際立つニューモデルが目白押し

今年、創業90周年を迎えるシトロエンのブースにも、コンセプトモデルやニューモデルが目白押しだ。紫のメタリックカラーが強烈な「レヴォルテ」は、あの「2CV」を彷彿とさせるフォルムに、観音開きのドア、そして、ハイブリッドシステムを搭載するコンセプトカー。90周年を祝う気持ちが伝わってくる。

より現実的な、ふたつのワールドプレミアも見逃せない。ひとつはフルモデルチェンジした「C3」。そして、もうひとつが、新シリーズ「DS」の先陣を切る「DS3」だ。
新型C3は、全長4mを切るコンパクトなサイズを維持しながら、ラウンドしたルーフと愛らしいフロントマスクによって、先代以上の存在感を手に入れた。一方、室内からの眺めは、スポーティなデザインのインストゥルメントパネルと広大なフロントウィンドウが、コンパクトカーらしからぬ開放感と爽快感をもたらしている。
この新型C3をベースに、さらにデザインにこだわったのがDS3だ。ダブルシェブロンを強調するフロントグリルやバンパーに埋め込まれたLEDがC3とはまるで違う雰囲気を放つDS3。ボディとルーフの色を別々に設定したり、さまざまなカスタマイズパーツを用意することなどによって、より個性的なクルマを好むユーザーの心を強く揺さぶるに違いない。シトロエンは、このDS3を皮切りに、スタイリッシュなデザインを特徴とする「DS」シリーズを展開していく予定。なお、C3、DS3とも、日本には2010年夏頃の導入が予定されている。

このほかにも、HYbrid4を採用するWRCマシーンのコンセプト「C4 WRC HYbrid4」や、少量生産が決まった「GT by CITROEN」を展示して、シトロエンのスポーティな面をアピール。個性が際だつ出展の数々が、来場者の目を楽しませるのは間違いない。

今秋に発売が予定される、ルノーの新型4ドアセダン「フルーエンス」。
地元に負けない、充実のフランスメーカー【フランクフルトショー09】
「ルノーZOE Z.E.コンセプト」
地元に負けない、充実のフランスメーカー【フランクフルトショー09】

■ルノー、ゼロエミッションカーを前面に

ステージに4台のゼロエミッションカー、すなわち、電気自動車を並べて、2011年からの実用化に意欲を見せるのがルノーだ。
シティコミューターの「Twizy Z.E.コンセプト」、ファミリー向けEVの「ZOE Z.E.コンセプト」、ルノーの新型ラクシャリーサルーンがベースの「フルーエンスZ.E.コンセプト」、ビジネス向けの「カングーZ.E.コンセプト」など、ルノーは日産と共同開発した電気自動車技術をもとに、さまざまなタイプのモデルを世に送り出す考えである。

(文と写真=生方聡)

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