【スペック】全長×全幅×全高=4460×1745×1490mm/ホイールベース=2700mm/車重=1310kg/駆動方式=FF/1.8リッター直4DOHC16バルブ(99ps/5200rpm、14.5kgm/4000rpm)+交流同期電動機(82ps、21.1kgm)/価格=205.0万円(テスト車=同じ)

トヨタ・プリウスL(FF/CVT)【試乗記】

企業哲学と商品思想が、時代にシンクロした 2009.08.07 試乗記 トヨタ・プリウスL(FF/CVT)
……205.0万円

販売絶好調の新型「プリウス」に試乗。売れている理由は、単に時代の追い風を受けたからだけではない。その裏に、きちんとした企業の戦略と、それを支える技術がきちんとサポートしていたからだと、リポーターは考えた。

「明日に賭けた」トヨタ

GM倒産の理由を「売れるクルマを作れなかったからだ」とする論調が多い。実はそうではなくて「売りたいクルマしか作らなかった」からだというべきだ。世界トップの自動車メーカーなのに、大局的な目でクルマを見ることなく、今お金になりそうだという判断ばかりが先行し、結果としてすべて失敗した。

「売りたいクルマと売れるクルマ」は違う。企業にとって都合がいい商品と、ユーザーの欲しいものが違うのは当たり前だが、そのユーザーが何を欲するかを見極めるには、社会を大きな観点から見なければならない。いやしくも世界をリードする自動車メーカーなら、「クルマは社会にとってどうあるべきか? どのような未来社会を目指し、そのために企業側でできることは何なのか」と考えるべきだった。

そう考えていくうちに、それなら将来のユーザーはどんなクルマを求めるのか、それが見えてくるはずである。それが結果として売れるクルマになる。
「売れて儲かる商品」を作る一方で、それで儲けたお金の一部を「売れなくても儲からなくても、未来を考えたときに、いま社会にアピールしておかなくてはいけない」という商品に賭けるのも企業の仕事なのだ。

1997年、トヨタが初代のプリウスを世に問うたとき、どこまで真剣に自動車の未来と、自分たちの企業のあり方を考えたかは知らない。だが、そのプリウスは、それよりも数年前にトヨタ内に生まれた「G21プロジェクト」なるものにルーツを持っていることを思い出すなら、トヨタはあのとき、まさに「明日に賭けた」はずだ。

このプロジェクトは、21世紀にトヨタが生き延びるにはどうしたらいいかを模索することを目的とした。だが、それはとりもなおさず、トヨタ一社の問題ではなく、クルマをめぐる近未来社会はどうあるべきか、そのとき世界中の自動車企業の役割はどうなっているか、という問いかけに繋がったはずである。そこから作り始められた道路の上にいま、3代のプリウスが走っていると思えばいい。

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