新型「ジャガーXJ」発表、現地からのリポート

2009.07.12 自動車ニュース

新型「ジャガーXJ」アンヴェール、現地からのリポート

新型「ジャガーXJ」発表、現地からのリポート

2009年7月9日、英ジャガーのフラッグシップサルーン「XJ」がフルモデルチェンジを果たした。本国での世界初披露イベントに参加した、島下泰久のリポートをお届けする。

左から、デザインディレクターのイアン・カラム、自動車コレクターとしても有名な司会者のジェイ・レノ、そしてジャガー・カーズ社長のマイク・オドリスコル。
左から、デザインディレクターのイアン・カラム、自動車コレクターとしても有名な司会者のジェイ・レノ、そしてジャガー・カーズ社長のマイク・オドリスコル。
ボディサイズは5122×1894×1448mmと、先代より22mm長く6mm狭く12mm低くなった。ホイールベースは3032mmで、こちらはほぼ変わらず。ロングホイールベース版もすべてのグレードで用意され、全長は5247mm、ホイールベースが3157mmとなっている。
ボディサイズは5122×1894×1448mmと、先代より22mm長く6mm狭く12mm低くなった。ホイールベースは3032mmで、こちらはほぼ変わらず。ロングホイールベース版もすべてのグレードで用意され、全長は5247mm、ホイールベースが3157mmとなっている。

■XJの文法を脱ぎ捨てた

去る7月9日の夜、まだまだ夕方のように明るいイギリスはロンドン、チェルシーにあるコンテンポラリーアートのギャラリー「サーチ・ギャラリー」は、異様なほどの盛り上がりを見せていた。まさに行われようとしていたのは新型「ジャガーXJ」の世界初披露イベント。このジャガーにとっての晴れの舞台に嬉しくも臨席してきたので、その模様を交えつつ新型XJの概要を報告したい。

イギリスを代表するサルーンの久々のフルモデルチェンジとあってか、会場は報道関係者のみならず、セレブリティも多数駆けつけていた。アンヴェールまでの間、カクテルが振る舞われていた会場は、まさにすし詰め状態。ボルテージは高まるばかりだ。

そしていよいよ夜8時15分、司会を務めたジェイ・レノ、ジャガー・カーズ社長のマイク・オドリスコル、そしてデザインディレクターのイアン・カラムの手によって、これまで幾多のスクープの波をかいくぐってきた新型XJのベールがいよいよ剥がされた。果たしてそこにあったのは、写真を見ていただければ一目瞭然、1968年のデビューから実に40年間も受け継がれてきた“XJの文法”を脱ぎ捨てた、まったく新しい姿だったのである。

■フォードグループから離れて

丸目4灯のマスク、ボンネットフードからトランクリッド後端まで一直線に続くような、圧倒的に低いラインの3ボックスシルエットといった“XJらしさ”は、すべてが刷新された。有機的なラインのヘッドランプと、大きなグリルがつくりだすフロントマスクは、エレガンスと迫力を両立。フードからなだらかに連なるルーフラインは、トランクリッドまで一筆書きでクーペのような流麗なラインをつくりだしている。縦型のテールランプも印象的。どこから見ても実に新鮮で、しかもエレガンス極まるフォルムをつくり出している。このボディは当然アルミ製である。

しかし本当の驚きはインテリアの方かもしれない。ラウンドしながらキャビンを取り囲むトリムパネル、小さなフードの下のフル液晶化されたメーターパネル、円形のエアダクト、そしてXF同様のダイヤル式ATセレクターにフロスティブルーの照明などを組み合わせたその空間は、先進的なのにどこか温もりのある、まさにモダンブリティッシュ。大胆な革新を行ったXFのエッセンスを、さらに進化させたという印象だ。

実は私は今回のイベントの前、6月某日にもロンドンを訪れ、新型XJのごく限られたプレス向けの事前披露会に参加していた。ここでイアン・カラム、そしてチーフプログラムエンジニアのアンディ・ダブソンらの話を聞いたところでは、フォード傘下では北米のユーザーの好みがどうしても優先され、大胆な革新はできなかったのだという。しかし晴れてフォードと袂を分かつことでジャガーは、いよいよ本当につくりたいクルマを思う存分つくれるようになったということらしい。

ジャガー本来の立ち位置は伝統などではなく最先端を行くこと。最初のXJで築いた、そんな本来のポジションに回帰するための、今の時代の「Beautiful Fast Car」。それが新型XJというわけだ。


新型「ジャガーXJ」発表、現地からのリポートの画像
搭載エンジンは5リッターV8(385ps)、5リッターV8スーパーチャージド(510psと470ps)、3リッターV6ディーゼル(275ps)の4種。
搭載エンジンは5リッターV8(385ps)、5リッターV8スーパーチャージド(510psと470ps)、3リッターV6ディーゼル(275ps)の4種。
オプションで用意される、Bowers&Wilkins社製のプレミアムサラウンド・サウンドシステム。
オプションで用意される、Bowers&Wilkins社製のプレミアムサラウンド・サウンドシステム。

■ブリティッシュテイスト全開

ちなみにこの事前披露会では、自慢のオーディオだけ実際に体験することができた。XJに用意された英国Bowers&Wilkins社製システムの最大出力は、なんと1200W! ポルシェ・パナメーラの1000Wのさらに上をいってしまった。そのサウンドはと言えば、大出力の一方で繊細な、やはりここでも温もりのある表現力が印象的だった。どこを取っても、当世流のブリティッシュテイスト全開なのである。

「ポルシェ・パナメーラ」「アストンマーティン・ラピード」など、大型サルーンの世界にスポーツテイストを前面に打ち出した新興勢力が参入してきつつある昨今。しかし真打ちは伝統のブランドから放たれた。この扇情的なスタイリングに、ジャガーらしい珠玉の乗り味が組み合わされるなら敵無しだろう。

なお、ラインナップはまずV型8気筒ガソリンのスーパーチャージドと自然吸気、V型6気筒3リッターディーゼルの3種類からスタート。続いてガソリンのV型6気筒も登場するだろう。ただし、実際の発売は2010年初頭から開始の予定。今しばらく待つことが必要だ。しかしいずれにせよ、ジャガーが完全に、魅力的に生まれ変わったことは間違いない。この姿を眺めただけでも、そのことはハッキリと伝わるはずだと信じている。

(文=島下泰久/写真=ジャガージャパン)

新型「ジャガーXJ」公式サイト:
http://www.jaguar.com/gl/en/#/allnewxj/

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

XJの他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事
  • ジャガーXJR(FR/8AT)【試乗記】 2014.5.26 試乗記 ジャガーのラグジュアリーサルーン「XJ」に、550psを発生する“最強モデル”が登場。そのドライブフィールは、どのようなものなのか? 燃費も含めて、試乗の結果を報告する。
  • ジャガーが「XJ」の2017年モデルを日本に導入 2016.9.16 自動車ニュース ジャガーが「XJ」の2017年モデルを発表。新グレードとして「Rスポーツ」を設定したほか、インフォテインメントシステム「InControl Touch Pro」を全車に採用。スマートフォンを利用した空調の遠隔操作などを可能とする通信機能を初導入した。
  • ジャガーXJ ポートフォリオ(FR/6AT)【ブリーフテスト】 2010.5.21 試乗記 ……1320.0万円
    総合評価……★★★★

    フルモデルチェンジを果たし日本に上陸した、新型「ジャガーXJ」。NAの上級グレード「ポートフォリオ」を駆り、その仕上がりをチェックした。
  • フェラーリがV8ターボ、4人乗りの「GTC4ルッソT」を発表 2017.3.16 自動車ニュース フェラーリが「GTC4ルッソT」を日本初公開。2016年10月のパリモーターショーで世界初公開されたフロントエンジンの4座モデルで、最高出力610ps、最大トルク77.5kgmの3.9リッターV8ターボエンジンが搭載されている。
  • レクサスの新型ラグジュアリークーペ「LC」発売 2017.3.16 自動車ニュース トヨタ自動車は2017年3月16日、レクサスブランドのラグジュアリークーペ「LC500」「LC500h」を発売した。価格は、ガソリンエンジン車のLC500が1300万円から1400万円までで、ハイブリッド車のLC500hが1350万円から1450万円まで。
ホームへ戻る