クライスラー倒産! フィアットと新会社設立へ

2009.05.01 自動車ニュース

クライスラー倒産! フィアットと新会社設立へ

オバマ米国大統領は米国東海岸時間の2009年4月30日に記者会見し、米クライスラー社とその100%子会社24社が、米ニューヨーク州サウザンディストリクト裁判所に連邦破産法11条(通称:チャプター11、日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。民間企業の経営に関連して、大統領自身が世界に向けた発表を行うのは異例なことだ。

■自動車ブランドやサービスは変わらず

今後30〜60日間で新会社を設立、事業再建を目指す。その間米政府は、まず33億ドル(約3000億円)の公的資金を投入し、クライスラー社関連での連鎖倒産を防止する構えだ。
オバマ大統領は「この再生プロセスによって、クライスラーがより強靭で、より競争力のある企業へと生まれ変わることを確信している」と語った。

クライスラー側からも、同社は4月30日のチャプター11申請と同時に伊フィアットグループと戦略的提携に合意し、同2社による新会社を設立することが発表された。

今後の事業についてクライスラー社は、
・新会社で「ジープ」「ダッジ」「クライスラー」「モーパー」ブランドの製造を継続する。
・クライスラーディーラーは顧客へのサービスをこれまでどおりに継続し、車両保証についても中断されることなく、全車両に適用される。
・クライスラー社の従業員は新会社の従業員となる。
と発表した。

クライスラー日本によれば、「日本を含めた海外事業は、米国本社が発表した内容どおり、活動が継続される」とのこと。同広報部は、今朝から日本国内のディーラー関係者やテレビをはじめとする報道関係者への対応に追われているという。

■フィアットの影響力は段階的に

なお、新会社の株式保有比率は、VEBA(任意従業員福祉厚生基金)が55%で過半数。米国およびカナダ政府が10%を所有。伊フィアットグループの持ち株比率は当初は20%となっている。さらに、低燃費モデル対応のプラットフォームの供与、低燃費エンジンの提供など、諸条件をクリアすることで、フィアットグループは5%ずつ段階的に株式保有を増やす。

クライスラー倒産の可能性については、数週間前から米国の新聞、テレビなどが報じており、今回のオバマ大統領の発表を、米国の自動車業界関係者の多くは冷静に見守った。米・カナダ両政府の管理下で事業再建されることによる「安心感」があるからだろう。

最近では、3日前の4月27日にゼネラルモーターズ(GM)がポンティアック廃止や4ブランドへの集約など、経営再建策を発表したばかり。米自動車メーカーはいま、明るい未来への転換を目指して正念場を迎えている。

(文=桃田健史(IPN))


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