欧・米・日・韓・中が勢ぞろい、上海モーターショー開幕!【上海ショー09】

2009.04.21 自動車ニュース

【上海モーターショー09】

【上海ショー09】欧・米・日・韓・中が勢ぞろい、上海モーターショー開幕!

2009年4月20日、中国・上海市で開幕した上海モーターショー。現地に駆け付けた自動車ジャーナリスト森口将之が会場からリポートする。

上海フォルクスワーゲンの新型「パサート・ニュー・リンギュー(新領馭)」。
上海フォルクスワーゲンの新型「パサート・ニュー・リンギュー(新領馭)」。
中国重型汽車グループの「HOVA」(中央)と「HOWO A7」(左右)。
中国重型汽車グループの「HOVA」(中央)と「HOWO A7」(左右)。

■東京ショーの2倍以上!

世界を代表するモーターショーといえば、これまではデトロイト、ジュネーブ、フランクフルト、パリ、そして東京が5大ショーといわれてきた。でも今回、初めて訪れた上海モーターショー(正式名称はオート上海2009)は、これらに勝るとも劣らない規模と内容を備えていると思った。

会場は、モダンなビルやマンションが建ち並ぶ新市街・浦東地区の上海新国際博覧中心(ニュー・インターナショナル・エクスポ・センター)で、W館1〜5とE館1〜4の合計9つの建物を使っていた。床面積は、W館1〜5だけで東京モーターショーが開催される幕張メッセぐらい。と書けばどのぐらい広いのかが想像できるだろう。

しかもW館とE館はすべて乗用車用で、それ以外に商用車や部品を展示するスペース、オフロード体験コースなどもある。たった13回目でここまでの規模まで到達したわけだ。会場を歩くだけでも、中国の自動車市場の急成長ぶりがよくわかる。

フェラーリブースでは、4月19日に行われたF1中国GPを戦ったキミ・ライコネンをはじめとするF1クルーが集結し、「フェラーリ・カリフォルニア」を中国で初公開した。
フェラーリブースでは、4月19日に行われたF1中国GPを戦ったキミ・ライコネンをはじめとするF1クルーが集結し、「フェラーリ・カリフォルニア」を中国で初公開した。
世界初公開されたポルシェの4ドア4シーターモデル「パナメーラ」。
世界初公開されたポルシェの4ドア4シーターモデル「パナメーラ」。

■中国市場重視

出展メーカーも多彩だ。ヨーロッパ、アメリカ、日本、韓国のメジャーなブランドはほとんど顔をそろえ、これに地元中国勢が加わるから、50社以上にもなる。
「ビュイック」や「シュコダ」など、日本のモーターショーでは見ない欧米ブランドも目にすることができる。しかも今回はあのポルシェが、「パナメーラ」のワールドプレミアの場としてここを選んだほか、メルセデス・ベンツはマイナーチェンジしたての「Sクラス」、BMWは発表したばかりの「X5M」「X6M」を持ち込むなど、ヨーロッパ勢の積極性が目についた。

冷静に眺めれば、これらは大排気量の高性能・高価格車であり、地球環境対策に熱心な欧州や、金融危機で大打撃を受けた北米では発表しにくい空気がある。だから向い風のおだやかな上海を選んだのかもしれないけれど、つい最近まではこうしたモデルの発表の場は東京だっただけに、日本人としては複雑な思いがする。

しかもメルセデスやBMWは今秋の東京モーターショーを欠席する。新型SクラスやX5M、X6Mをわが国のショーで見られるのは当分オアズケになったわけで、中国に先を越されてしまったという思いさえする。

中国初の独立系メーカー吉利(ギーリー)の最高級コンセプトカー「GE」。
中国初の独立系メーカー吉利(ギーリー)の最高級コンセプトカー「GE」。
コンパクトカーQQシリーズのコンセプトカー「チェリー(奇瑞)」。
コンパクトカーQQシリーズのコンセプトカー「チェリー(奇瑞)」。

■確実に進化する中国メーカー

では地元勢はどうなのか。数年前に話題になったコピー車は、消滅したわけではない。今回はなんとロールス・ロイスと思しき高級車まであった。彼らの模造意欲? はとどまるところを知らないようだ。でも何度もこのショーに通っている人によれば、台数はかなり減ったという。

「どこかで見たような……」程度のモデルならいまだに多く目にするけれど、それらは完全コピーではなく、一部に独自の造形を取り入れている。その結果、欧米や日本のクルマよりオリジナリティにあふれたデザインになっていて、むしろ新鮮に映る。おまけにメカニズムに目を移せば、ハイブリッドカーや電気自動車が予想以上に多くて驚かされる。

デザインからマーケットにいたるまで、筆者は中国の自動車を過小評価しすぎていたようだ。欧・米・日・韓のモデルしか展示していないヨーロッパやアメリカ、そしてわが国のモーターショーは、実際には世界の自動車シーンの一部を見ているにすぎない。その点では上海のほうが、はるかにグローバルな視点に近いイベントであると思った。

(文と写真=森口将之)

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