BMWが環境技術のセミナーを開催

2012.11.12 自動車ニュース
クリーンディーゼルエンジン「BMW BluePerformance」
BMWが環境技術のセミナーを開催

BMWが環境技術のセミナーを開催

BMWジャパンは2012年11月7日、東京都内で「BMWグループ・イノベーションデイ・イン・ジャパン」を開催し、同グループの最新の環境技術のほか、MINIに投入されたインフォテイメント技術に関するプレゼンテーションを行った。

BMW本社のディーゼルエンジン開発担当、クリスチャン・メルツィンガー氏。
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ハイブリッドシステム「BMW ActiveHybrid」
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BMW本社のハイブリッドパワートレイン開発・キャリブレーション担当、デニス・ポール氏。
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■「走って楽しい低燃費車」を実現

BMWといえば、多くの人がまずはスポーティーサルーンをイメージするはず。そもそも「バイエルン発動機製造会社」が社名の由来なのだから、その製品の多くがパワフルなエンジンを積んでいるのは、ある意味で当然のことかもしれない。ただし、その伝統を長く引きずりすぎたせいか、最近の環境技術トレンドに関していえば、正直やや出遅れた感がなきしにもあらずだった。

けれども、BMWはもともとエンジンに関して優れた技術を有しているだけに、「環境問題に取り組む」と決めてからの対応は素早かった。
直噴ディーゼルを最初に採り入れたBMW車は1998年の「320d」。その翌年にはプレミアムセグメントで初となる直噴V8ディーゼルを発売。2001年には第2世代コモンレール・ダイレクト・インジェクション、2004年には2ステージターボと第2世代DPF(ディーゼル排気微粒子除去フィルター)、2007年には噴射圧2000barを達成した第3世代ダイレクト・インジェクションやピエゾ・インジェクターなどを矢継ぎ早に投入し、2012年には2200barの3ステージ・ターボチャージャーをリリースした。
ちなみに、BMWが初の直6ディーゼルエンジンをデビューさせたのは1983年のこと。当時、ディーゼル車として最速とうたわれた「524td」は116ps/21.4kgm(85kw/210Nm)を発生したが、最新の「750d」(日本未導入)は381ps/75.5kgm(280kw/740Nm)を生み出す。この結果、1983年と現在を比較してパワーは329%、トルクは352%となったが、燃料消費量は反対に11%、エミッションは99%、つまり1/100まで減少しているという。

BMWのディーゼル戦略で面白いのは、こうした飽くなきパフォーマンスの追求と並行して低価格化を実現させ、環境技術を広く普及させようとさせている点にある。
例えば、2012年8月に発売された「320d」は470万円から。輸入ディーゼル車としては“破格の安さ”だ。その理由の一端はNOx(窒素酸化物)貯蔵還元触媒(NSC)の採用にある。輸入車ディーゼル車のNOx対策としては尿素を用いたSCR(選択式触媒還元)が一般的だったが、これが価格を押し上げる要因のひとつとなっていた。しかし、BMWは比較的価格の安いNSCを2リッター4気筒ディーゼルエンジンと丁寧にマッチさせることで、世界一厳しいとされるわが国のポスト新長期規制をクリア。あわせて低価格を実現したのである。

いっぽうのハイブリッドはエフィシェント・ダイナミクスを地でいく技術といえる。例えば、「アクティブハイブリッド3」は現行「3シリーズ」で唯一の直6ユニットである3リッター“ツインパワー”ターボエンジンと組み合わせ、0-100km/h加速:5.3秒を実現。「ガマンする低燃費車」ではなく「走って楽しい低燃費車」を実現している。エフィシェント・ダイナミクスを掲げるBMWらしい発想だ。

iPhoneを利用するナビゲーションシステム「MINIナビゲーション・パッケージ」。アイシン・エィ・ダブリュの「NAVIelite」をMINI専用にカスタマイズした製品。(写真=MINI)
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「MINIコネクテッド」はiPhoneに専用アプリをダウンロードすることで実現する機能。Facebook(写真)やTwitter、ニュース受信のほか、車両のコンディションチェックや加速度グラフなどをセンターモニターに表示することができる。(写真=MINI)
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■CO2を2020年までに101g/kmまで削減

今回のイベントでは、「MINIナビゲーション・パッケージ」および「MINIコネクテッド」に関するプレゼンテーションもあった。これは、ひとことで言えば、MINIにiPhoneを接続し、MINIの操作系やディスプレイを活用してナビゲーションシステムや相互通信システムを可能にしたものである。いわく、iPhoneをナビとして使ったり、FacebookやTwitterにアクセスできたりするそうだ。“スマホ”を手放せない世代には魅力的な商品かもしれない。

BMWは95年から2008年までの間に、欧州連合(EU)が自主規制として掲げた25%のCO2排出量削減を実現した。この目標を達成したEU圏内の自動車メーカーはBMWただ1社だったという。そして2011年に148g/kmを実現し、2020年までにBMWグループとして101g/kmまでCO2を削減する計画だ。この達成にはパワーユニットの電動化が大きな役割を果たすという。

ハイブリッド関連のプレゼンテーションを担当したBMWのデニス・ポール氏は「今後は前に進むか、後ろに下がるかのどちらかだ」と語った。いずれにせよ、BMWはこれからも間違いなく前進を続けていくだろう。

(文と写真=大谷達也)

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