【スペック】E500:全長×全幅×全高=4868×1854×1447mm/ホイールベース=2874mm/車重=1830kg/駆動方式=FR/5.5リッターV8DOHC24バルブ(388ps/6000rpm、54.1kgm/2800-4800rpm)(欧州仕様車)

メルセデス・ベンツEクラス(FR/7AT)【海外試乗記(後編)】

高級セダンのあるべき姿(後編) 2009.04.17 試乗記 メルセデス・ベンツEクラス(FR/7AT)

スペイン・マドリッド周辺で行われた新型「Eクラス」の国際試乗会。バラエティに富んだ道でリポーターは、新型の快適性の高さに感銘を受けたという。

Sクラスに近づいた

新型Eクラス国際報道試乗会の舞台は、スペインを代表する大都会マドリッドとその周辺。東京みたいに混んだ市街地をくぐり抜け、高速道路を少し飛ばすと、今度は標高1800mを超えるほどの峠が待っている。セダンの総合的な完成度を試すには、これ以上ないシチュエーションだ。

まず結論から報告すると、これまで「大きいCクラス」だったのが、「小さいSクラス」になった。つまり高級感が格段に増した。先代(W211)はキビキビ感を優先した乗り味だったのに、新型(W212)はどこまでもソフト感覚で、まるで濃い蜜の海を潜航しているような錯覚にとらわれる。まず何より静かで滑らかなのだ。超高速クルージングでも風切り音は非常に低いし、荒れた舗装面で攻めてもタイヤノイズが耳に届きにくい。アクセルを深く踏んだ時のエンジン音も、分厚い壁の向こうから間接的にモモ〜ッと響くだけだ。 

乗り心地も快適で、特に普通に走る時の細かい凹凸の吸収が優れている。目の前にコブがあっても、予想するほどユサユサが来ない。コーナリングも同様で、先代のように鋭く突っ込んでスパッと向きを変えるスポーツセダン感覚ではなく、どこまでも「ま〜るい」身のこなしで、やんわりと曲がってしまう。その点ドライバーによっては、先々代(W210)を思い出すかもしれない。少し合理化(コストダウン)しすぎたと、長年のファンからの批判もあった世代のことで、それだけを聞けば落胆するかもしれない。しかし本質はまったく違う。印象としてはソフトでも、実際にはおそろしいペースで確実にコーナーをこなし、まだまだ余裕たっぷりなのだ。ボディ剛性が35%も向上したのも、この走行感覚に役立っているはず。強固なボディであればあるほど、しなやかなサスペンションも活きる。

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