悪天候を味方に、マッチのGT-Rが初戦を制す【SUPER GT 09】

2009.03.23 自動車ニュース
GT500クラス表彰式。写真左から、No.18 ROCKSTAR 童夢 NSX(小暮卓史/道上龍)、No.24HIS ADVAN KONDO GT-R(荒聖治/J.P・デ・オリベイラ)、そしてNo.8 ARTA NSX(R・ファーマン/伊沢拓也)。
悪天候を味方に、マッチのGT-Rが初戦を制す【SUPER GT 09】

【SUPER GT 09】悪天候を味方に、マッチのGT-Rが初戦を制す

今シーズンの幕開けを前に激しく降り出した雨。その中で、水を得た魚のように生き生きとしたパフォーマンスを見せたのが、No.24 HIS ADVAN KONDO GT-Rだった。
2009年3月22日、SUPER GT開幕戦の決勝レースが岡山国際サーキットで行われ、予選3番手のNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(J.P・デ・オリベイラ/荒聖治組)が、序盤から独走して優勝。2位はNo.18 ROCKSTAR 童夢 NSX(小暮卓史/道上龍組)。3位にNo.8 ARTA NSX(伊沢拓也/R・ファーマン組)が続いた。
また、GT300クラスは、No.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也組)が制した。

■今シーズン初ポールポジションは、No.38 SC430

スケジュールの変更に伴い、2デイ開催となった今シーズンのSUPER GT。“時短”のセッションも増え、どこかしら慌しさを感じるレースウィークとなった。

土曜は午前の練習走行を経て、午後に全車出走の予選1回目を開催。ここでGT500、GT300の各クラス上位8台が、1周のタイムアタックでグリッド順を競う「スーパーラップ」に駒を進めた。
上位8台に残ったのはレクサスSC430が3台、ホンダNSXは4台と順調だったが、日産GT-Rはたった1台のみ。ポールポジションは、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/R・ライアン組)が獲得し、0.2秒差で同じレクサス勢のNo.35 KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也組)が2位につけた。

雨の中、開幕戦がスタート! ポールポジョンのNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン組)を先頭に各車1コーナーへ。
雨の中、開幕戦がスタート! ポールポジョンのNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン組)を先頭に各車1コーナーへ。
GT500クラス5番手スタートから3位表彰台を手にしたNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組)。NSX勢が健闘をみせた。
GT500クラス5番手スタートから3位表彰台を手にしたNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組)。NSX勢が健闘をみせた。

■明暗を分けたタイヤ選択

日曜のサーキットは早朝からウェットコンディションとなった。午前のフリー走行では雨こそ降っていなかったが、路面はウェット。レースウィーク初のレインタイヤ装着となり、各チームとも決勝に向けてタイヤ選択の作業に追われた。
その後、天気はゆっくりと下降線をたどり、午後2時からの決勝スタートを前に次々とクルマがダミーグリッドへ着く頃には、多くのマシンに深溝のレインタイヤが装着されていた。傍らには浅溝のレインタイヤも用意され、各車、スタート直前まで様子を伺うこととなった。

ギリギリになって浅溝へと交換したのがSC430勢。予選ではフロントローこそ手にしたものの、GT-RとNSXに先行を許す場面もあり“一手を打つ”ことにしたのだ。ただ、予選2番手の35号車はスタート担当がGT500デビューレースの大嶋ということもあり、深溝のまま。無難な選択に留めた。

雨脚は強まり、結局スタートはセーフティカーランに変更。2周にわたって先導されたのち、実質3周目がスタートとなった。
ここで躍進したのが、No.24 GT-Rだ。ドライバーのオリベイラは「最初のラップで絶対にトップを奪いたかった」と果敢にアタック。1台、また1台と絶妙なタイミングで逆転し、オープニングラップでトップに立った。シーズン前から丹念に開発を進めてきたアドバンの新型レインタイヤのおかげか、安定した速いタイムを刻み、後続との間にマージンを築き上げた。

いっぽう、足下が定まらないNo.38 SC430は瞬く間に後退。ルーキーが操るNo.35 SCはなんとか上位に踏みとどまるも、その間にNSX、GT-Rのライバルたちが割って入った。

No.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(J.P・デ・オリベイラ/荒聖治組)が、GT500クラスで優勝。
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■止まらないNo.24 GT-Rの快進撃

そんななか、2位に浮上したのは、No.18 NSX。スタート担当の小暮は「雨が強くなると、クルマがハイドロ(プレーニング)を起こすので、コントロールが大変」と、トップを追走するも、攻防戦に持ち込めなかったことを悔やんだ。対するオリベイラは、「常に後続との差を無線で聞いて走っていた」と、余裕の表情。ドライバー交代で独走を引きついだ荒は、無線のトラブルでピットとはまったく交信できないまま周回を重ねたが、つねにサインボードで後続との差を確認。雨脚が弱くなった終盤、路面の水が少なくなって2位のNo.18 NSXに有利なコンディションとなるも、序盤で積み上げた大きなマージンがモノをいった。

これでGT-R勢は、昨シーズン第6戦から続く連勝記録を更新。また、No.24 GT-RのKONDO Racingにとっては、チーム通算3勝目ながら国内のサーキットではこれが初勝利となった。

GT300クラス優勝のNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也組)。注目のトヨタ・カローラアクシオは5位に入った。
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■GT300は、No.19 IS350の勝利

GT300でもアドバンのレインタイヤが活躍した。予選2位からスタートしたNo.19 ウェッズスポーツIS350。朝のフリー走行ではGT500車両に押し出されコースアウト、走行時間を棒に降るという不運もあったが、チームへ移籍したばかりの片岡が攻めの一手に徹し、そのまま織戸へとスイッチ。ピット作業を終えると、暫定トップだったNo.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼組)を逆転、トップに躍り出た。

2位には、予選3位のNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)。前半、接触行為でドライブスルーペナルティを受けたが、終盤の追い上げが実って表彰台を確保した。No.7 SGC 7が3位に入った。

■第2戦はNSX勢のお膝元、鈴鹿

事前テストではSC430の速さが光り、GT-Rがこれを僅差で追うという勢力図だった今シーズンのSUPER GT。だが、ふたを開けてみれば、もともとマシンのポテンシャルで苦戦が予想されていたNSXが2台も表彰台に上がり、残る3台もポイント圏内のトップ10に滑り込むという結果。雨への対応など、チームの総合力が勝敗を左右した、SUPER GTらしい結果だったといえるだろう。
今回、辛酸をなめたSC勢のリベンジもさることながら、NSXも次の戦いでどういった戦略を立ててくるのか、注目だ。

第2戦の決勝は4月19日。三重県の鈴鹿サーキットが舞台となる。

(文=島村元子/写真=オフィスワキタ KLM Photographics J)

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