2009年の勝者は? 各チームの動向を探る【SUPER GT 09】

2009.03.19 自動車ニュース

【SUPER GT 09】2009年の勝者は? 各チームの動向を探る

経費削減への取り組みで、ややコンパクトな開催になった今シーズンのSUPER GT。とはいえ、3月22日に決勝レースを迎える開幕戦・岡山には、GT500が15台、GT300が21台エントリーする。
前回のレギュレーション案内に続いて、ここではGT500をメインに、参戦するマシンを紹介しよう。

■唯一のニューマシン、レクサスSC430

これまでトヨタSC430と表記していたが、今シーズンからはブランドイメージを高めたいメーカーの意向でレクサスSC430と呼ぶことに。マシンは、唯一今シーズンの車両規則に則ったニューカーだ。
昨シーズンから1台減って5台がエントリー。なかでもチームのドライバーラインナップが2名とも変わったNo.35 KRAFT SC430は、GT500参戦2年目の石浦宏明とルーキーの大嶋和也がコンビを組む。

昨季、ユーロF3で武者修行を積んだ大嶋だが、今年はフォーミュラ・ニッポンへのデビューに合わせ、日本へ帰国。フォーミュラとハコ車の両レースでトップカテゴリーを戦う。だが、2007年に全日本F3とS-GTのGT300クラスでシリーズチャンピオンという、ダブルタイトルを獲得した実力の持ち主だけに、そのポテンシャルにかけるチームの期待も大きい。
先輩・石浦とのコンビも心配は無用。実はこのふたり、かつてGT300でコンビを組み、王者になった経験を持つ。ノリのいい大嶋、そして緻密にレースを組み立てる石浦の若手チームは、SC勢での台風の目となりうるのだ。

ベテランのNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/A・ロッテラー組)とNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/R・ライアン組)も優勝争いに絡んでくるのは確実だ。総合力の高さを誇るこの2台は、今年も勝負どころを押さえたパフォーマンスを見せてくれるだろう。

■王者の貫禄、日産GT-R

2008年シーズンは、全9戦で7勝という高い勝率を誇った日産GT-R。こちらも、レクサス勢同様1台減となり、4台でレースに臨む。GT-Rはデビューイヤーの昨年から、すでに2009年のルールに合ったシャシーを使用しており、あとは今季の車両規則であるNA3.4リッターV8エンジンを搭載しさえすればよかった。
が、日産は現行のエンジン(NA4.5リッターV8)の使用を決定。GTAでは規則外の車両に対して性能調整するため、GT-Rは、エアリストリクター(エンジン吸気口の口径を絞り、エンジンパワーを抑えるパーツ)の制約が厳しくなる。さらに最低車両重量も30kg上乗せされることになった。

各チームに目をやると、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rはやはりディフェンディングチャンピオンの貫禄たっぷり。本山哲とB・トレルイエのふたりは、テストを順調にこなしており、昨季同様、開幕ウィンも視野に入っているはずだ。

■縮小したエンジンは09規定、ホンダNSX

レクサス、日産勢に対し、正直車両の古さが否めないホンダNSX。予選一発の速さが突出するも、勝負どころでそのチャンスを逃すなど、厳しい戦いを強いられてきた。にも関わらず、NSX勢はミドシップのV6エンジンに2008年規定の車両で今季の戦いに挑む。エンジンは今季の車両規則に順行して3.5リッターから3.4リッターへと縮小するものの、駆動方式はFRが原則のため、GTAによる特別性能調整を受けてエアリストリクター径がGT-R同様小さくなる。最低車両重量は20kgの上乗せとなった。

2日間のテストでは、ライバル達にややタイム面で遅れをとったNSX。とはいえ、セットアップを含めクルマが完全には出来上がっていないため、まだ単純な比較はできない。エントリーするのは昨年同様5台で、No.32 EPSON NSXがルーキーを迎え入れたほかは、同じドライバーがコンビを組む。
No.8 ARTA NSX(R・ファーマン/伊沢拓也組)とNo.18 ROCK STAR 童夢 NSX(道上龍/小暮卓史組)も、予選の一発、決勝での果敢な攻めが期待できる。

■真の実力が問われる? 今シーズンのSUPER GT

コストや時間に制限が課され、これまでのように存分なテスト、開発ができなくなったSUPER GT。だが、レースの条件はどのチームも同じ。いちはやく正しい判断を下すことができるチームが、勝利にもっとも近づくだろう。

これまで、シーズン中はハンデウェイトの搭載を嫌い、レースでの順位調整を意識するようなレース展開も見られたが、そのウェイトハンデシステムも見直されることが決まっている。さらに、遅いクルマに手を差し伸べていた救済措置も撤廃。「チャンピオンが欲しければ、実力で勝ち獲りなさい!」それが今年のレースなのだ。さぁ、開幕の岡山を制するのは、どのマシンだ?

(文=島村元子/写真=オフィスワキタ KLM Photographics J)


09年の勝者は?各チームの動向を探る【SUPER GT 09】
開幕前のテストでは、立川祐路/R・ライアン組のNo.38 ZENT CERUMO SC430がトップタイムをマークした。写真は、No.36 PETRONAS TOM'S SC430。
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ワークスチームのNISMOが1台となり、サテライトチームの3台がその脇を支える日産勢。ただし、去年の7勝のうち4勝は、これらサテライトチームがもたらしたものだ。
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昨季は思わぬトラブルやアクシデントに巻き込まれるケースが多く、No.18 NSXが1勝をあげたに留まったが、クルマは多少古くとも、これまでの実戦で得た豊富なデータをもとに底力を発揮するものと思われる。
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