スバル、スズキのWRCドライバー、2009年も活躍中!

2009.02.18 自動車ニュース
昨年までのスバルに代わり、シトロエンで豪快なジャンプを見せるアトキンソン。
スバル、スズキのWRCドライバー、2009年も活躍中!

スバル、スズキのWRCドライバー、2009年も活躍中!

2008年シーズンを最後に、日本のスバルとスズキは世界ラリー選手権(WRC)から撤退。両チームのワークスドライバーは突然の活動休止でシートを失うこととなってしまった。
しかし、彼らは短いシーズンオフの間に新しい就職先を探し出し、2009年も国際ラリーの最前線で活躍中だ。日本に馴染みのある選手たちのいまをリポートする。

走行前、観衆の声援に応えるペター・ソルベルグ。地元ノルウェーでスポット参戦、6位完走を果たした。
スバル、スズキのWRCドライバー、2009年も活躍中!

■帰ってきたスターたち

既報のとおり、2008年をもってスズキとスバルが世界ラリー選手権のワークス活動を止め、今シーズンは、シトロエン、フォードの2メーカーで争われることとなった。

実際にはシトロエンがジュニアチームを組織するほか、フォードも複数のカスタマーチームを投入することでエントリー台数は昨年と大きく変わらないものの、上位争いを左右する顔ぶれは、シトロエンのエース、セバスチャン・ローブ、セカンドドライバーのダニエル・ソルド、フォードのエース、ミッコ・ヒルボネン、セカンドドライバーのヤリ-マティ・ラトバラと両チームのワークスメンバーに限定されてしまう。
マシンに関しても、「シトロエンC4WRC」「フォード・フォーカスWRC」が大半を占めるのが現状。バリエーションに乏しい状況で、まさにハード、ソフトともに役者不足の感は否めないかに思われた。

そんななか、突然のWRC撤退でシートを失っていた“元スバル”“元スズキ”のワークスドライバーたちが次々とラリーシーンにカムバック。いずれも新たな参戦体制をとり、各イベントで頼もしい姿を披露している。

トニ・ガルデマイスター(写真)は戦いの舞台をWRCからIRCに移し、トップ争いを展開。
スバル、スズキのWRCドライバー、2009年も活躍中!

■ガルデマイスター:IRCのモンテカルロでブレイク

まず最初にラリーに復帰したのは、2008年にスズキのエースとして活躍したトニ・ガルデマイスターだ。
とはいえ、その舞台はWRCではなく、もうひとつの国際ラリー選手権であるIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)。ガルデマイスターは「アバルト・プントS2000」で開幕戦のモンテカルロにエントリー。SS1、SS3で3番手タイム、SS5、SS10、SS11で2番手タイムをマークするなど堅実な走りを披露、総合順位でも2番手に付けトップ争いを展開した。
残念ながらSS11のフィニッシュ後にマシントラブルに見舞われてリタイアしたものの、パフォーマンスは十分にアピール。今後はヨーロッパ限定の散発的な活動になりそうだが、参戦するイベント次第では、トップ争いの主役になれるかもしれない。

スバルの青からシトロエンの赤に。イメージも一変のアトキンソン。
スバル、スズキのWRCドライバー、2009年も活躍中!

■アトキンソン:シトロエンでアイルランドに登場

続いてラリーの現場に帰ってきたのが、元スバルのセカンドドライバー、クリス・アトキンソン。2009年のWRC開幕戦、アイルランドにスポット参戦した。チームは「シトロエン・ジュニアチーム」で、シトロエンの最新モデル、「C4WRC」をドライブ。デイ1でコースアウトを喫し、7番手と出遅れるものの、デイ2では3番手タイム、2番手タイムを連発し、5番手にジャンプアップ。そのままデイ3でもポジションを守り抜き5位でフィニッシュした。

今後の参戦プランについては未定になっているものの、シトロエンのチーム代表、オリビエ・ケネスが「素晴らしいパフォーマンスで機会があれば彼と一緒に戦いたい」と絶賛しているだけに、同チームのグラベル要員のひとりになる可能性も!? もともと抜群のスピードを持つアトキンソンの動向にも注目したい。

雪上コースを駆け抜けるソルベルグのクサラWRC。
スバル、スズキのWRCドライバー、2009年も活躍中!
アンダーソンは「シュコダ・ファビアWRC」で疾走。今回はリタイアに終わったが、速さは印象に残った。
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■ソルベルグとアンダーソン:ノルウェーで大活躍!

そして、ノルウェーを舞台に開催されたWRC第2戦、ノルウェーで復帰したのが、元スバルのエース、ペター・ソルベルグと元スズキのセカンドドライバー、パー-ガンナー・アンダーソンだ。ペターは自らチームを組織して「シトロエン・クサラWRC」でエントリー。アンダーソンもチェコの「シュコダ・ファビアWRC」で参戦するなど、両者ともに開発の止まった旧型モデルでのスポット参戦となったが、どっこい、抜群のスピードを披露した。

デイ1のスーパーSSでペターがベストタイムをマークすれば、SS6、SS7ではアンダーソンもトップタイムを叩き出す。残念ながらアンダーソンがクラッチトラブルに見舞われてデイ2でリタイア、ペターもエンジン&ギアボックスのトラブルに祟られて6位でフィニッシュ。
それでも、「わずか3週間の準備期間で本当に大変だったけれど、この舞台に帰ってくることができて嬉しい!」と地元での復帰イベントを満喫した様子だった。

ペター、アンダーソンのふたりもまた、今後の活動プランは未定ではあるものの、過酷なノルウェーで光る走りを披露したことは、次戦に繋がるステップとなるに違いない。

■ローブを凌ぐスター性に期待

以上が、スバル&スズキの元ワークスドライバーの近況――
残念ながら、ごらんのとおり、いずれもフルエントリーではなくスポット的な参戦に限られている。地元ラリーで、持ち前のスター性を武器にローブを凌ぐ人気を見せていたペター・ソルベルグでさえ、今後のプランはまだ決まっていない。
しかし、かつてのライバル、ローブも「エンジンパワーの少ないクサラでSSベストをマークしたからね。本当にペターは凄いと思うよ」と高く評価しているように、彼らはまだまだポテンシャルが高いままでいる。今後の参戦継続を大いに期待したい。

(文と写真=廣本泉)

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