「マニュアルモードを使いすぎるとATが傷む?」

2009.02.07 クルマ生活Q&A トランスミッション

「マニュアルモードを使いすぎるとATが傷む?」

AT車はあまり手動でシフトしないほうがいいという記事を読みました。しかし、たとえばポルシェのティプトロニックのように、最近のATにはマニュアルモード付きもよく見かけます。そうしたAT車を常時マニュアルモードで走らせたら、ATの寿命が縮んでしまうのでしょうか?

お答えします。AT(オートマチック・トランスミッション)の主流であるトルクコンバーター(トルコン)式の場合、設計の古いものだと、手動でシフトダウンすると往々にしてショックを感じます。このショックが度重なるとトルコンや内部のクラッチに負担がかかり、やがてトルコンが滑ったり、シフトショックが大きくなるなどの不具合が生じてくるのです。

トルコン式ATは油圧制御を駆使して自動的にシフトアップ/ダウンを繰り返します。シフトのタイミングは、アクセルの開度に合わせて最良のポイントに設定してあるのです。それを無視して任意のシフトを繰り返すと、特定の部分に負担がかかって劣化する可能性があります。そうなると油圧制御がおぼつかなくなるために、スムーズなシフトが行われなくなる場合もあるのです。

とはいうものの、質問にあるポルシェのティプトロニックを含む今日のマニュアルモード付きトルコン式ATでは、油圧系統を強化し、内部の摩擦材の材質を見直すなどの対策が施されているため、旧式のものに比べ耐久性は向上しています。またATに負担がかかるようなシフトを任意に行うと、電子デバイスによって実行されないように制御されています。ですので、常時マニュアルモードで走らせたとしても、トラブルが起きる確率は少なくなっていると言っていいでしょう。

なお、昨今増加しつつあるフォルクスワーゲンの「DSG」のような、オートマチックモード付きの2ペダルMTの場合は、トルコン式ATのような不具合は、構造上起こりません。