「JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP 2012」開催

2012.11.18 自動車ニュース
18日に開催された、SUPER GT GT500クラス(第2レース)のスタートシーン。
「JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP 2012」開催

【SUPER GT 2012】「JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP 2012」開催

2012年11月16-18日、静岡県の富士スピードウェイを舞台に「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2012」(以下、富士スプリントカップ)が開催された。

大雨のGT500クラス第1レースを制した、No.1 S Road REITO MOLA GT-R。ドライバーはロニー・クインタレッリ。
「JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP 2012」開催
フォーミュラ・ニッポンの決勝レース。富士スプリントカップでは同日に、SUPER GTのGT500、GT300のレースも開催される。
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GT300クラス第1レースの勝利をよろこぶ、No.33 HANKOOK PORSCHEの藤井誠暢。
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■3種のレースを同日開催

SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンを同日開催する唯一のイベントである富士スプリントカップ。そのウィナーに贈られるJAFグランプリは、1969年に創設された由緒正しいタイトルである。
当初は、日本ではまだなじみの浅かったフォーミュラカーレースを振興する目的で導入されたが、1988年からはスポーツカーレース(グループCカーレース)に移行。しかし、グループCカーレースの衰退に伴い、1990年を最後にJAFグランプリが設定されたレースは行われなくなった。

そんなJAFグランプリが、富士スプリントカップの初開催とともに復活したのは2010年のこと。前述のとおり、富士スプリントカップはフォーミュラ・ニッポンとSUPER GT、さらに細かく分ければGT500クラスとGT300クラスの計3カテゴリーが開催される。したがって、JAFグランプリもこれらすべてに設定されることになった。なんとも気前のいい話である。

イベントのルールは、それぞれのシリーズ戦とはいささか異なる。まず、“スプリントカップ”を名乗るからには、レースはすべて短距離(100km)のスプリントレースとして開催される。したがって、SUPER GTでおなじみのピットストップやドライバー交代はなし。言い換えれば、ひとつのレースをひとりで走りきることになる。ただし、SUPER GTのドライバーは二人一組。そこで第1レースと第2レースを実施し、ふたりの成績をポイントとして合算して成績を決める。
これに比べると、フォーミュラ・ニッポンのルールはもっとシンプル。1台ずつがアタックする予選でスターティンググリッドを決め、100km一発勝負のレースで順位を決める。当然、SUPER GTもフォーミュラ・ニッポンも、総合優勝したチームもしくはドライバーにJAFグランプリが贈られる。

3日間で実施されるスケジュールは、SUPER GTが金曜日に公式練習と予選、土曜日に第1レース、日曜日に第2レースを行うというもの。なお、第1レースと第2レースにどのドライバーをノミネートするかは、チームが自由に決められる。
いっぽう、フォーミュラ・ニッポンは金曜日にフリー走行、土曜日に1台ずつがアタックするスペシャルステージ方式の予選、日曜日に決勝レースを行う。以下、レースの模様をカテゴリーごとにリポートしよう。

GT500クラスの第1レースは、本降りの雨の中で開催された。
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No.17 KEIHIN HSV-010の塚越広大は、健闘を見せるもスピン。第1レースを2位で終えた。
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フォーミュラ・ニッポンの決勝を制したDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの伊沢拓也。
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■大雨と晴天の戦いを制したのは……

まず、SUPER GTのGT500クラスは、第1レースの決勝が本降りの雨に見舞われた。当然、ミシュラン勢が活躍するかと思いきや、No.17 KEIHIN HSV-010に乗る塚越広大が意外な速さ(失礼!)を見せ、5周目にはトップに立つ。ところが、雨脚は強まるいっぽう。この雨に足をすくわれて塚越がスピンしたところでセーフティーカーの導入となった。
塚越はすぐに態勢を立て直して走行を再開したものの、この間にNo.1 S Road REITO MOLA GT-Rに乗るロニー・クインタレッリが首位に浮上。その2周後にレースは赤旗終了とされたため、優勝はクインタレッリ、2位は塚越となり、3位には2番グリッドからスタートしたNo.6 ENEOS SUSTINA SC430の大嶋和也が入った。

日曜日は一転して好天。ここで開催されたGT500クラスの第2レースでは、スタートでNo.38 ZENT CERUMO SC430の立川祐路が4番グリッドからトップに浮上。No.36 PETRONAS TOM'S SC430に乗るポールシッターの中嶋一貴と終始激しい首位争いを演じた。結局、18周目に立川が大逆転を演じて優勝。2番手となった中嶋は、8番グリッドから追い上げた伊沢拓也(No.100 RAYBRIG HSV-010)の猛攻にさらされたが、なんとかこれをしのいで2位フィニッシュを果たす。伊沢は3位となった。

同じ日曜日に決勝が行われたフォーミュラ・ニッポンでは大番狂わせが起きた。2番グリッドからスタートしたアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)がスタートで先行。やや出遅れたポールシッターの塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、4番グリッドからスタートしたチームメイトの伊沢拓也と激しいポジション争いを演じたところ、タイヤにダメージを負ってしまい、これが原因でリタイアに追い込まれる。このため伊沢が2番手に浮上。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)のふたりがこれに続いた。
結果的に4人はこのオーダーのままチェッカードフラッグを受けたが、レース後の再車検でロッテラーのマシンに車両規則違反が発覚。これでロッテラーは失格となり、伊沢が繰り上がって優勝。2位はデ・オリベイラ、3位はデュバルとなった。

GT500クラス第2レースでは2台のSC430がサイド・バイ・サイドの激しいバトル。写真左はNo.36 PETRONAS TOM'S SC430を駆る中嶋一貴で、右はNo.38 ZENT CERUMO SC430の立川祐路。
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ゴール後のワンシーン。立川祐路(写真左)と中嶋一貴がお互いの健闘をたたえあう。
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GT300クラスの第1レースでは、ポイントリーダーで最終戦を迎えながら惜しくもタイトルを逃したNo.33 HANKOOK PORSCHEの藤井誠暢が快勝。第2レースでは、こちらもシーズン中に圧倒的な速さを再三示したNo.66 triple a vantage GT3の吉本大樹が栄冠を勝ち取った。

この結果、GT500クラスはNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)が総合優勝、GT300クラスではNo.33 HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)がJAFグランプリの称号を手に入れた。フォーミュラ・ニッポンはもちろん伊沢拓也がタイトル・ウィナーとなった。

イベント最終日の日曜日は快晴に恵まれたこともあって4万1300人の大観衆を集客。3日間の総入場者数は6万8300人に上った。SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンを一度に楽しめるお得なレースは、モータースポーツファンの間にも定着してきたようである。

(文=小林祐介/写真提供=GTA、Formula NIPPON)

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