ジャガー、12年ぶりに新型V8エンジンを発表

2009.01.26 自動車ニュース

ジャガー、12年ぶりに新型V8エンジンを発表

ジャガー・カーズは、2009年デトロイトモーターショーで発表した新型「XKR」と「XFR」に搭載されるユニットを含む、全4種の新エンジンの詳細を、英国の同社開発拠点「ホイットリー・エンジニアリングセンター」で開催の2010年モデルイヤー・プロダクトブリーフィングの中で発表した。

■新しい5リッターV8は、NAとスーパチャージド

発表された新しいエンジンはガソリン2種とディーゼル2種の計4種。このうち、日本に導入されるであろうガソリンV8は、従来型4.2リッターV8の後継となる、5リッターのNAとスーパーチャージドだ。ジャガー8気筒ユニットとしては12年ぶりの新作となる。

「ボルトとメカニカルタペットを除けば、従来型との互換性は一切無し」という90度バンクを備える、ガソリンのV型8気筒ユニットは、「周辺ライバルとの競争力も鑑みて」という理由から、従来よりも800cc強増しとなる、ジャスト5000ccという排気量の持ち主。
前出XKR/XFRに搭載予定の、最高出力510psのスーパーチャージャー付きと、同385psの自然吸気ユニットの2タイプがラインナップされる。両者は部品点数にして85%を共有するという。
従来型に比べ大幅な出力アップを果たし、次期EU5の排ガス規制をクリアすると同時に、燃費性能を確実に向上させたのは、新世代エンジンとして当然の事柄といえる。たとえば、新しいXFRは6段ATをキャリーオーバーしながらも、CO2排出量を従来型の294g/kmから292g/kmへと低減させている。

12年ぶりのブランニューユニットということで、採用された新技術は盛りだくさん。従来型の「低圧」から「高圧」ダイキャスト製へと変更されたブロックや、再利用非熱処理鋳造アルミニウム合金製のシリンダーヘッドはもとより、回転楕円体グラファイト鋳鉄クランクシャフトや、破断分離型の鍛造コンロッドなどでまずは基本構造を一新。さらに、最大150barでの噴射を行う、センターマウント式6ホールインジェクター使用のスプレーガイデッド式直噴システムや、ヒーター暖気時間を最大60%も短縮する逆流式冷却システムも採用される。潤滑システムにも、ポンプ摩擦損失を減らして効率を高めた、特許取得済みのメカニズムを採用している。

さらにユニークなのは、自然吸気ユニットのインテーク側に採用された「カムシャフト・プロフィール・スイッチング」と、過給機付きユニットに用いられた「TVS」スーパーチャージャー。前者はホンダの「VTEC」を彷彿させる、ロッキングピン内蔵の油圧タペットを用いた可変バルブリフト機構。後者はルーツ式ブロアながら効率の高さを特徴とする、昨今では「キャデラックCTS-V」や「アウディA6」などにも採用例の見られる、ひねり角が与えられた4葉のローターを持つ、米国イートン社製の最新メカニカルスーパーチャージャーだ。

これまでは、「心臓にはちょっと古めのユニットをリファインしながら使う」という雰囲気の強かったジャガー車。それが、「100%自らの設計による」と豪語する、最新鋭のメカニズムを用いたエンジンの搭載へと大きく舵を切ったことが、とても興味深い。

(文=河村康彦/写真=ジャガージャパン)

今年中に市場導入が予定される「XFR」(右)と、新エンジン搭載の「XKR」。
今年中に市場導入が予定される「XFR」(右)と、新エンジン搭載の「XKR」。
従来型4.2リッターに対して、コンパクト化されたのもニュース。NAで高さを11mm短縮。過給器付きでは全長を64mm縮めた。
従来型4.2リッターに対して、コンパクト化されたのもニュース。NAで高さを11mm短縮。過給器付きでは全長を64mm縮めた。
Vバンク内に据えられる、ルーツ式のスーパーチャージャー。
Vバンク内に据えられる、ルーツ式のスーパーチャージャー。
高圧アルミダイキャストとなったブロックは、アッセンブリー単位で2kgのダイエットを果たした。
高圧アルミダイキャストとなったブロックは、アッセンブリー単位で2kgのダイエットを果たした。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

XFの他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事
  • ジャガーXE 20dピュア(FR/8AT)【試乗記】 2016.4.1 試乗記 スポーティーな走りが身上のジャガーのDセグメントセダン「XE」に、待望のディーゼルモデルが登場。完全自社開発の新世代パワーユニットと、今日のジャガーの特徴ともいえる絶妙なドライブフィールが織り成す走りに触れた。
  • 「谷口信輝の新車試乗」――BMW 540i Mスポーツ(前編) 2017.3.23 mobileCG SUPER GTや86/BRZ Raceで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回のテーマは新型「BMW 540i」。全方位的進化を遂げた“駆けぬける歓び”を、谷口はどう評価するのだろうか?
  • アウディA3スポーツバック2.0 TFSIクワトロ スポーツ(4WD/7AT)【試乗記】 2017.3.24 試乗記 マイナーチェンジを受けた「アウディA3」に、スポーティーな足まわりが特徴の新グレード「スポーツ」が登場。新開発の2リッター直噴ターボに7段Sトロニックを組み合わせた、最新モデルの走りをリポートする。
  • BMW 318iスポーツ(FR/8AT)【試乗記】 2017.3.17 試乗記 BMWの「3シリーズ セダン」に、「1シリーズ」や「2シリーズ」と同じ1.5リッター直3ターボを搭載した廉価モデルが登場。そこに“駆けぬける歓び”はあるのか? 走りや乗り心地の印象に加えて、燃費のデータを報告する。
  • 第3回:話題のモデルが続々登場!
    輸入車チョイ乗りリポート~400万円から600万円編~
    2017.2.28 特集 ディーゼルの魅力とスポーティーな走りを追求した「ボルボV40」に、話題の新型「フォルクスワーゲン・ティグアン」、3気筒の「BMW 3シリーズ」、そして四駆の「アウディTT」。webCG編集部員が注目した、400万円から600万円のオススメモデルを紹介する。
ホームへ戻る