【スペック】全長×全幅×全高=4845×1845×1470mm/ホイールベース=2800mm/車重=1630kg/駆動方式=FF/交流同期電動機モーター(136ps、26.1kgm)/V Flow FCスタック(136ps)/最高速度=160km/h/航続走行距離(10・15モード)=約620km

ホンダFCXクラリティ(FF)【試乗速報】

好きにならずにいられない 2009.01.20 試乗記 ホンダFCXクラリティ(FF)


2008年に日本とアメリカでリース販売が始まったホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」に緊急試乗。エコというよりも、リポーターはクルマとしての魅力に参ってしまったようだ。

エコカーというよりプレミアムカー

ホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」で東名高速道路を走っていると、クルマに対する自分の価値観があっさりひっくり返ってちょっとびっくり。もちろん個人差はあるでしょうが、自分の場合はオセロゲームで端と端をはさんだ時のように、パタパタときれいにひっくり返った。

まず、音。燃料電池システムは、始動するとシステムに酸素を送り込む「ウィーン」というポンプの音がかすかに聞こえるけれど、100km/h巡航時は風切り音とタイヤの音にかき消されて、燃料電池システム自体が発する音は聞こえない。そしてこの静けさが、実に心地いい。もしかすると自分は、「心地よいエグゾーストノート」とか「エンジンの咆哮」よりも、こっちのほうが好きなのかも……。
そして加速の滑らかさ。加速がスムーズすぎて速さを感じないほどで、野蛮さがまったくない。変速がないから加速が途切れることはなく、モーターは振動もなくどこまでストレスフリーで回転を上げようとする。ちょうど新幹線の加速のようだ。

自動車の加速を滑らかにするために、何人ものエンジニアが血のにじむような努力をしてきたはずだ。エンジン回転を滑らかにするために単気筒が4気筒になり、やがて12気筒になった。変速をスムーズに行うためにトルクコンバーターを用いたりツインクラッチにしてみたり、あるいはCVT(無段変速機)を試してみたり。
内燃機関車がそうやって約100年かけて到達したレベルを、ようやく試作段階から市販へと向かいつつある燃料電池車は軽くクリアしてしまった。いままでのクルマ趣味を否定するのも寂しいけれど、体は正直。ものの10分も走っているとすっかりこの静かさ、滑らかさの虜になる。

燃料電池車はエコカーの切り札とされているけれど、高速道路をクルージングする限りでは、プレミアムカーだ。しかも、1000万円級のクルマより遙かにスムーズな、超が付くほどのプレミアム。そして面白いのは、VTECエンジンを積んでいるわけでもないのに、走行感覚にホンダらしさがはっきりと感じられるところだ。

ボンネットの下にはエンジンの代わりにモーターとPDU(パワー・ドライブ・ユニット)という制御装置が収まる。エンジンに比べてかなりコンパクトになるので、クルマの形は大きく変わるはず。
「FCXクラリティ」は、違和感を与えないためにわざと従来のクルマの形を残しているようにも思えた。高圧水素タンクは左右後輪の間、発電を行う燃料電池スタックとリチウムイオンバッテリーはフロアの下に配置されている。
ボンネットの下にはエンジンの代わりにモーターとPDU(パワー・ドライブ・ユニット)という制御装置が収まる。エンジンに比べてかなりコンパクトになるので、クルマの形は大きく変わるはず。
    「FCXクラリティ」は、違和感を与えないためにわざと従来のクルマの形を残しているようにも思えた。高圧水素タンクは左右後輪の間、発電を行う燃料電池スタックとリチウムイオンバッテリーはフロアの下に配置されている。
インテリアの繊維表皮には植物由来の新素材「バイオファブリック」が使われている。これはトウモロコシを原料にして発酵させたもので、さっくりとした肌触りはなかなかよかった。
インテリアの繊維表皮には植物由来の新素材「バイオファブリック」が使われている。これはトウモロコシを原料にして発酵させたもので、さっくりとした肌触りはなかなかよかった。

ホンダFCXクラリティ(FF)【試乗速報】の画像

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

FCXクラリティの他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事 ホームへ戻る