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【スペック】全長×全幅×全高=4925×1855×1455mm/ホイールベース=2845mm/車重=1900kg/駆動方式=4WD/3リッター V6DOHC24バルブスーパーチャージャー付き(290ps/4850-6800rpm、42.8kgm/2500-4850rpm)/価格=812.0万円(テスト車=860.0万円/オプションカラー=3.0万円/ドライブアシストパッケージ=45.0万円)

アウディA6アバント 3.0 TFSI クワトロ(4WD/6AT)【試乗記】

変化は狙い通りに 2009.01.14 試乗記 アウディA6アバント 3.0 TFSI クワトロ(4WD/6AT)
……860.0万円


アウディのアッパーミドルクラス「A6」が、4年ぶりの世代交代。3リッタースーパーチャージドエンジンを搭載する新グレードの実力を、ワゴンモデルの「アバント」で試した。

時代に合った進化

技術の戦いにおいて、勝者には更に強くなるための素地ができ、ファンの支持もそこに集まる。今やアウディは技術志向のメーカーとして頂点に君臨し、なかでも「A6」は、プレミアムアッパーミドルクラスにおいて敵無しの感さえある。今回、4WDのクワトロシステムや直噴エンジンのFSIに代表されるアウディの看板技術はさらに磨かれ、輝きを増しての新登場となった。

アウディの主張はわかりやすく理に適っており、時代というものをちゃんとわきまえている。ボディは全長5mクラスの堂々たるサイズながら、全車四輪駆動にもかかわらず、セダンが1840kg、ワゴン版のアバントでも1900kgと重量は軽めだし、5.7mの回転半径も立派。初めて登場したときにはややギョッとさせられたものの、シングルフレームグリルの顔もすっかり見慣れて、力強さが印象に残る。アウディの個性を強烈に主張している。

エンジンは整理され、時代を反映した布陣となった。大排気量に頼ることなく、ちいさな排気量から高性能を引き出す。省燃費なこともセールスポイント。3.0TFSIは従来の3.2リッターV6より高性能で、トルクは27%増し、出力は14%増しながら、燃費は8%改善したと主張される。
このあたり、同郷のライバルたる後輪駆動のメルセデスやBMWの同クラス車よりも優れているといえる。

ボデイサイドには、躍動感を強調すべく、アルミ仕上げのモールディングが加えられた。アルミホイールのデザインも、新しいものに。
ボデイサイドには、躍動感を強調すべく、アルミ仕上げのモールディングが加えられた。アルミホイールのデザインも、新しいものに。 拡大
 
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より質の高い「安全」

実際の走行感覚はといえば、アウディの「クワトロ」システムはスムーズの一語につき、これ以上洗練された乗り物はないだろうと思われるほどである。

クワトロも今や前輪駆動の補填ではなく、トルク配分は後輪のほうが60%と大きく、アンダーステアを大きく軽減させており、クワトロ黎明期のFF車以上に曲がりにくかった性格など、微塵も残っていない。
四駆が雨や氷雪路など低ミュー路で強いことは周知の事実ながら、それは単にスリップ輪のないことによる走破性の高さだけにとどまらない。スロットルをオン/オフしたときのステア特性の急変に対し、四駆はとにかく安定していて姿勢変化が少ない。エンジンブレーキが四輪にかかる特性により、二輪駆動車では危なっかしい姿勢制御をこともなげにこなす。

ESPなど、今ではブレーキのおかげで何とか誤魔化せる手段もあるものの、それでは速度がガックリと落ちてしまうのが普通だ。速く、安全に、自信をもって、自然にコーナーをクリアできることが、何にもまして「コイツはいいクルマだなあー」と思えるポイントだ。

このクルマで唯一不満なのは、今回もまたアクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏むと、エンジンが吹けなくなってしまうことだ。ポルシェも旧型では同じことが指摘されていたけれども、最新型においてのPDK搭載とともにこの悪癖は取り払われ、むしろ左足でブレーキを踏むことを奨励している発進項目もある。アウディもそろそろ現実に目を向ける時期ではないだろうか。

自動車ジャーナリストの笹目二朗氏。
自動車ジャーナリストの笹目二朗氏。 拡大
 
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荷室の容量は、565〜1660リッター。12V電源やウィンドウブラインドなどのアクセサリーが標準で備わる。
写真をクリックするとシートが倒れるさまが見られます。
荷室の容量は、565〜1660リッター。12V電源やウィンドウブラインドなどのアクセサリーが標準で備わる。
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仕上がりは優等生的

さて、現在ラインナップする2.8と3.0を比べてみたとき、あなたがそれほど動力性能を重視しないユーザーならば、絶対的な軽快さやコストパフォーマンスを考え2.8を薦めざるをえない。
しかし、220psと290psのパワー差と、スーパーチャージャーのパワーフィールに目を向ければ、なるほど、今回のモデルチェンジの目玉である後者の性能は魅力的だ。

アウディはターボによる過給エンジンの経験も豊富だが、パワー/トルクの絶対値よりもフィーリングを重視して、また、より微細な燃費効率を得るべくスーパーチャージャーを採用した。
これまでのターボチューンは、多めの過給でフラットなトルクを得ており、レスポンスに不満こそなかったものの、あまりにもフラットなゆえにパワーフィールとしては面白味に欠けた。また、ターボはエンジン回転と過給圧の関係がいつもリニアではないため、そこをならす意味でも、必要以上に過給しておいてオーバーな部分をカットするという、やや無駄のある手法を採らざるをえなかった。
その点スーパーチャージャーならば、エンジン回転と過給圧の関係をリニアなものに近づけやすいし、容量を適正に選べばエネルギー効率の点でも都合がよい。盛り上がり感のあるパワーフィールも作りだせる。
結果として、このパワーユニットはその狙いどおりに仕上がっており、いうなれば大排気量NAエンジンの特性に近い優等生的な解答が得られている。メカで回すスーパーチャージャーの作動音も、今の技術によって影を潜めている。

このエンジンに、なにか欠点があるとすれば? 強いて挙げるなら、洗練され過ぎた感があり少々刺激が欲しくなってしまうといったら、イジワルだろうか。もっと上をみるならば、V10エンジンを搭載する、はるかにパワフルな「S6」や「RS6」も控えている。そういった選択肢があるというのも、また悩ましい限りである。

(文=笹目二朗/写真=菊池貴之)

新たに「A6」に加わった、スーパーチャージドユニット。「TFSI」はターボだけでなく過給エンジンモデル全般を指すようになった。
新たに「A6」に加わった、スーパーチャージドユニット。「TFSI」はターボだけでなく過給エンジンモデル全般を指すようになった。 拡大
 
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ヘッドランプは、R8などでもおなじみのLEDポジショニングランプ付きに。グリルの格子やバンパー、フォグランプなどの意匠にも手が加えられた。
ヘッドランプは、R8などでもおなじみのLEDポジショニングランプ付きに。グリルの格子やバンパー、フォグランプなどの意匠にも手が加えられた。 拡大

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