目指したのは「ジャンプ!」 新型フェアレディZ登場

2008.12.02 自動車ニュース

目指したのは「ジャンプ!」 新型フェアレディZ登場

目指したのは「ジャンプ!」 新型フェアレディZ登場

日産自動車が、「フェアレディZ」をフルモデルチェンジ。「Z34」として誕生した新型を、2008年12月1日に発売した。

新型フェアレディZと日産自動車の志賀俊之COO
新型フェアレディZと日産自動車の志賀俊之COO

目指したのは「ジャンプ!」 新型フェアレディZ登場の画像

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■Zらしさを

新型フェアレディZ、通称「Z34」が、ついにデビューの時を迎えた。Zは、1969年に初代が誕生して以来、走りを追求したスポーツカーであり続けると同時に、その時々の「時代の空気」を取り込みながらカタチを変えてきたモデルでもある。

1989年に登場した先々代のZ32は、スポーツカーらしさを取り戻した、原点回帰のモデル。バブル期の時代の勢いもあり、一気に高額化・高性能化を果たした。先代のZ33はというと、経営的に厳しい状況に陥っていた日産自動車のリバイバルを象徴するモデルとして、約2年間の絶版期間を経て2002年に登場。カルロス・ゴーン氏が、同社のアイコンとしてこのクルマを復活させたのが記憶に新しい。

では、復活から2代目となるZ34は、どんなモデルか。そのキーワードは「Jump」と発表された。「Z-ness」(Zらしさ)と、その時代にふさわしい「new-ness」(新しさ)を取り入れながら、走りをピュアに楽しめるスポーツカーとして、あらゆる性能を磨き上げたという。

ボディは、全長×全幅×全高=4250mm×1845×1315mm。ホイールベースは2550mm。先代より大幅に短く、そしてワイドに生まれ変わった。後退したキャビンの前方に、フロントミド搭載されるエンジンは、排気量3.7リッターのV6DOHC。トランスミッションには、6段MTと新採用のマニュアルモード付き7段ATが用意される。

価格は、362万2500円から446万2500円。月販目標台数は500台。

■スカイラインとの味付けの違い

実車を見ると、車体の短縮化が図られたことがひと目でわかる。短くなったのは主にドアとリアアクスルの間の部分。ここを約100mmカットすることで、相対的にロングノーズ、ショートキャビンの、典型的なスポーツカー・フォルムを実現している。どことなく初代Zをイメージさせるのは、その曲線的な造形に加え、「Z-ness」を求めたプロポーションによるところも大きいだろう。

全幅は先代より30mmワイドになったが、この拡大したぶんはすべて前後フェンダーのふくらみに割り当てられている。特にリアタイヤはフェンダーが大きく張り出していて、ハイパワーFRスポーツならではの迫力をアピールする。

シャシーはスカイラインのものをベースとするが、ショートホイールベース化と味付けの違いにより、両者はまったく別物のクルマに仕上がっているという。その違いは、スカイラインではステアリングを切ったときに期待以上によく曲がる感覚が演出されているのに対し、Zでは、ドライバーの操作に忠実な運転感覚を目指したという。


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先代でトランクルームを横切っていたタワーバーの位置が変更された。新型では、ゴルフバックがふたつトランクに入ると謳われる。
先代でトランクルームを横切っていたタワーバーの位置が変更された。新型では、ゴルフバックがふたつトランクに入ると謳われる。

■先代を大幅に超えるパワートレイン

3.7リッターV6は、スカイラインクーペに搭載されるものと基本は同じ。吸気バルブの作動角とリフト量を連続可変制御するVVEL機構を備えた「VQ37VHR」は、最高出力336ps/7000rpm、最大トルク37.2kgm/5200rpmを発生する。ピークトルク値が高いだけでなく、その90%以上を2400〜7000rpmにかけて発生し続ける、実用性の高さもこのエンジンの自慢だ。

トランスミッションは、6段MTと7段ATが設定される。6段MT車には、シフトダウンの際に自動的にエンジン回転数を合わせるシンクロレブコントロール搭載モデルも用意。マニュアル・トランスミッションにこの手の機構を組み合わせた前例はないが、市場はこれをどう見るのか。この機構さえあれば、ドライバーはブレーキングに集中できるという意見もあるだろう。いっぽうで、操る楽しみ(ヒール・アンド・トゥーの)が殺がれるとみる向きもあるだろう。ちなみに開発者はシンクロレブ機構を、「気持ちよさを高める新たな装置」と位置づけると同時に「オフにもできるため、あらゆるユーザーがそれぞれのレベルに応じて運転を楽しめる」と話す。

いっぽうオートマチックの方は、ギアの数を7枚に増やし加速や燃費性能の向上を目指すとともに、ダイレクト感とレスポンスも同時に追求されている。具体的には1000rpm以上でロックアップを利かせることで、トルコンの滑り感を感じさせないキレのいい加速が得られるという。

ちなみに10・15モード燃費は、6MT、7ATともに9.8km/リッターを達成。先代はMTが9.6km/リッター、ATでは9.2km/リッターだったことを考えると、大排気量化(パワーアップ)したにもかかわらず低燃費化を実現したのは立派といえる!?

■110kgの見えない軽量化

モデル展開は、標準タイプの「フェアレディZ」、よりスポーティな「バージョンS」、本革シートやBOSEサウンドシステムなどの豪華装備を搭載する「バージョンT」、SとTの要素をあわせもつ「バージョンST」の4タイプが用意される。

新型Zの車重は1480kg。数値を見ると先代と変わらない。しかし開発者は、「カタログには表れないものの、開発段階では100kg以上の軽量化を果たした」と話す。どういうことかというと、110kgもの軽量化を果たしたが、横滑り防止装置のVDCや衝突安全性を高めるサイドエアバッグ、サイドビーム、歩行者の安全性を確保するポップアップフードなど安全装備の充実化により軽量化したぶんが相殺された、ということらしい。

もっとも、車重こそ変わらないものの、先代を超える走りを期待させる要素は多い。

(webCG 曽宮)

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