最終戦もやっぱりGT-R! シリーズタイトル獲得【SUPER GT 08】

2008.11.10 自動車ニュース
GT500クラスシリーズチャンピオンを獲得したNo.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)
最終戦もやっぱりGT-R! シリーズタイトル獲得

【SUPER GT 08】最終戦もやっぱりGT-R! シリーズタイトル獲得

GT-Rの鮮烈な開幕戦勝利から、はや8ヶ月。シーズン最後の戦いもGT-Rが有終の美を飾ることとなった。
2008年11月9日、静岡県・富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第9戦。決勝開始直前に降り出した小雨に翻弄されるかのように、レースは浮き沈みの多い展開となった。だが、その中で自身のペースを守り通したNo.12カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/S・フィリップ組)が、今季2勝目を達成。一方で、ポイントランキング暫定トップだったNo.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/B・トレルイエ組)がシリーズチャンピオンを獲得を果たした。

GT500クラスのスタートシーン。レース直前に雨がぱらぱら降り出し、空は厚い雲に覆われナイトレースさながらの様相。
GT500クラスのスタートシーン。レース直前に雨がぱらぱら降り出し、空は厚い雲に覆われナイトレースさながらの様相。
GT500のNo.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)
GT500のNo.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)

■ポールポジションはNSX

最終戦を迎えた今シーズンのSUPER GTシリーズ。第9戦の予選はそぼ降る雨のなか始まった。路面は完全にウェット。そんななか最初にトップタイムをマークしたのは、No.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(J・P・デ・オリベイラ/荒聖治組)。同チームはこれまでは、あまり雨が得意ではなかったが、それだけに1回目のアタックでトップに立ったときは、「してやったり!」といった雰囲気がチームに漂っていた。

午後に入り、GT300、500各クラスの上位10台のスタートグリッドを決めるスーパーラップが行われる頃になると、雨は収まり、路面の走行ラインからは水煙が上がらなくなる。依然として各チームはレインタイヤでアタックを行う。ウォームアップランで十分にタイヤを温めるのは難しい状況だ。ベストタイムを狙うには、クルマのセッティングと選択したタイヤとの相性がバッチリ決まらなければならない。先の読めないコンディションは、予選順位の予測を困難なものとした。

ポールポジションを獲得したのは、予選1回目を10番手で通過したNo.17 REAL NSX(金石勝智/金石年弘組)。アタッカーの金石年弘はウォームアップランで派手なスピンを演じたが、アタックラップでは、上位10台の中で最速のラップをマーク。冷えきった路面はタイヤのグリップには不利に働き、大半のドライバーがアタックに手こずった。が、No.17 NSXにとっては、それが苦にならないかに見えた。いっぽう、フロントローに並んだもう1台のマシンはNo.24 GT-R。こちらもアタックラップでは勢いあまって1コーナーでコースアウトを喫したが、あとをそつなくまとめて2番手につけた。

GT500クラス優勝のNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(松田 次生/セバスチャン・フィリップ組)
最終戦もやっぱりGT-R! シリーズタイトル獲得【SUPER GT 08 続報】

■決勝直前の雨が序盤の波乱を生む

薄曇の朝を迎えた決勝日。レース直前にポツポツと雨が落ち始め、大半のクルマはダミーグリッド上で浅溝のレインタイヤに交換した。スタートが切られたときは、完全なウェットコンディション。だが、気まぐれな雨はそのあとすぐに止むこととなり、中盤グループからスリックタイヤでスタートしたNo.12 GT-Rにジャンプアップのチャンスを与えることとなった。

表彰台圏内まで一気に浮上したNo.12 GT-R。その後を追うべく、ライバル達もレインタイヤからスリックタイヤに履き直すが、ピット作業の時間ロスは避けられない。結果、No.12 GT-Rはバトルなしにトップへ立つこととなった。ステアリングを握る松田は、今季フォーミュラ・ニッポンでもタイトルを獲得した実力派。ミスなく自らのスティントを消化し、フィリップにあとを託した。

GT500クラスのNo.12 カルソニック IMPUL GT-R
GT500クラスのNo.12 カルソニック IMPUL GT-R
GT300クラスシリーズチャンピオンのNo.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹/安田裕信組)(GT300は審議中のため暫定結果)
GT300クラスシリーズチャンピオンのNo.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹/安田裕信組)(GT300は審議中のため暫定結果)

■No.12 GT-R、申し分ないレースを披露

この頃から雨量が増え始める。迷うことなくレインタイヤを装着したNo.12 GT-Rは、その抜群のタイミングで行われたタイヤ交換のあと、水を得た魚のようにコース上を躍る。名将・星野一義監督が下したタイヤ選択がツキを呼び寄せた。

チームによっては半ばギャンブル的な狙いから浅溝のレインタイヤで勝負に出たものの、足元がおぼつかないまま周回を重ねて後退するケースも。優勝争いの一角にいたNSXも、元来のポテンシャルを発揮するチャンスを得ないまま、後方に埋もれていった。

かくしてNo.12 GT-Rは、その抜群のレース運びで今季2勝目をあげた。予選12位からの大逆転勝利は、GTレースならではの醍醐味を味わうには十分な内容だった。

2位は15位スタートのNo.38 ZENT CDERUMO SC430(立川祐路/R・ライアン組)。逆転優勝の可能性があったにもかかわらず、予選で大苦戦。優勝だけがタイトル獲得へのシナリオだったが、No.12 GT-Rの快進撃には遠く及ばなかった。3位にはNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/B・ビルドハイム組)が続き、今季初の表彰台獲得となった。

一方、シリーズチャンピオンの最短距離にいたNo.23 GT-Rは、一時はポイント圏内から外れていたが、最後は9位でフィニッシュ。GT-Rデビューイヤーにしてタイトル獲得という偉業を成し遂げた。

GT300クラス優勝のNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー組)
GT300クラス優勝のNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー組)
GT300クラス表彰式
GT300クラス表彰式
GT500クラス表彰式
GT500クラス表彰式

■GT300は最後にまさかの展開が

GT300クラスは、予選6位スタートのNo.26ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/D・ファーンバッハー組)が、濡れた路面をスリックタイヤで自在にコントロール。ドリフト競技出身の谷口が大きくアドバンテージを築き、そのまま逃げ切って念願の今季初優勝を遂げた。

一方、僅差で迎えたタイトル争いはレースの展開に大きな影響を与えることになった。暫定ランキングトップのNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)は予選4番手からスタート。ランキング2番手のNo.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹/安田裕信組)は、9位からの追い上げだ。ベテランNo.43 Garaiyaの新田は、コース上で接触、ストップしていたNo.46 Zを含む2台の車両に追突するという衝撃のハプニングに見舞われるが、その苦境を乗り越えて9位でフィニッシュした。

No.46 Zは7位を走行していた。このままだとNo.43 Garaiyaのタイトル獲得が決まるという状況だったが、6位走行中だった車両が突然のスローダウン。これによりNo.46 Zが6位に浮上、シリーズタイトルを手中に収める格好となった。

だが、レース終了後、レース結果に対してエントラントが抗議を起こす。一度は審査委員会の却下を受けたが、これを不服として控訴を提出。よって、最終の正式結果は裁定が下されるまで確定しない事態となり、すべて暫定のままイベントを終えることとなった。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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