ホンダが安全技術を続々リリース、新開発のエアバッグに注目!

2008.09.19 自動車ニュース
衝突実験に使う歩行者ダミーも第3世代「POLAR III」に進化。8年ぶりの改良となる。腰部、大腿部など下半身の構造が進化したという。
ホンダが安全技術を続々リリース、新開発のエアバッグに注目!

ホンダが安全技術を続々リリース、新開発のエアバッグに注目!

本田技研工業は2008年9月18日、今年発売される新車が採用する、3つの安全技術についての説明会を行った。

「ポップアップフードシステム」
「ポップアップフードシステム」
四方の路面が確認できる「グランドビュー」に加え、駐車ガイドも同時に表示できる。その他、フロントやリアビューカメラの映像と一緒に表示することも可能。
四方の路面が確認できる「グランドビュー」に加え、駐車ガイドも同時に表示できる。その他、フロントやリアビューカメラの映像と一緒に表示することも可能。

■他社にも似たものが……

新開発の安全技術として発表されたのは「ポップアップフードシステム」「マルチビューカメラシステム」「i-SRS連続エアバッグシステム<容量変化タイプ>」の3つである。

1つ目の「ポップアップフードシステム」は、2008年9月に発表されたばかりの、マイナーチェンジ版「レジェンド」に採用された技術。歩行者との前面衝突時に、ボンネットフードの後ろ側を約10cm持ち上げることで、その奥にあるエンジンなどとの隙間を確保し、歩行者の傷害軽減を狙うものだ。
今後はフォルムを低くしたいスポーティなクルマや、エンジンが大きくボンネットフードとの隙間が少ないクルマを中心に、採用を検討していくという。なお、「ジャガーXK」「日産スカイラインクーペ」などにも、同様な目的の仕組みが採り入れられている。

2つ目は「マルチビューカメラシステム」。これはフロント・リア・サイドの計4つの魚眼CCDカメラを用いることで、幅寄せやT字路などでの死角を少なくし、安全な運転を支援するというもの。また、画像を合成して上空から自車を見るかのような映像を表示し、ガイド線などをとともに駐車支援などを行うこともできる。これは日産の「アラウンドビューモニター」に似た使い方である。
このシステムは、10月にフルモデルチェンジして発売される、新型「オデッセイ」に搭載される予定。

左側の図にあるうず巻き状のラインが縫製部分。中央に見える断面図では、縫製により、真ん中部分だけが膨らんでいるのがわかる。
左側の図にあるうず巻き状のラインが縫製部分。中央に見える断面図では、縫製により、真ん中部分だけが膨らんでいるのがわかる。
エアバッグ展開の段階を示すモデル。左から初期、中期、後期となる。初期段階では、外周付近が膨らんでいないことが認められる。
エアバッグ展開の段階を示すモデル。左から初期、中期、後期となる。初期段階では、外周付近が膨らんでいないことが認められる。

■「迅速」「低衝撃」「持続」のエアバッグ

3つ目の「i-SRS連続エアバッグシステム<容量変化タイプ>」は、リポーターが最も注目したもの。

通常エアバッグの適切な展開時間は、運転者の体型やドライビングポジションの違いにより変わってくる。つまり、ステアリングホイールに近い人には素早いエアバッグの展開が求められ、逆に遠い人はすぐにしぼまず、ふくらんでいる時間が長いことが望ましいわけである。
これを満たすには、エアバッグの展開速度を速めるため圧を高くし、さらに容量を大きくする必要がある。しかしこの場合、乗員への衝撃力が大きくなるおそれもある。

この「迅速」と「低衝撃」の両立を目差すために開発されたのが、今回発表された「i-SRS連続エアバッグシステム<容量変化タイプ>」。エアバッグにうず巻き状の縫製をほどこすことで、内容量を変化させる仕組みである。
これは、展開初期はうず巻きの縫製により内側だけがふくらみ、内圧の高まりに応じて縫製がほどけることで、徐々に容量が大きく、最終的に完全に展開するというものだ。

内容量が少ないことで、迅速な展開が期待でき、さらに内圧を過剰に高める必要がないため、乗員への衝撃も小さくてすむ。
さらに従来型では、最初から排気弁が開いていたために展開持続時間が短かったのだが、新しいタイプでは、やはり縫い目がほどけることで排気弁が開く仕掛けであるため、長い時間膨らみを保つことができるのも特徴の一つである。

電子制御全盛時代において、「縫い目がほどける」というきわめて原始的な手法を用いたあたり、非常にホンダらしい技術とも言えよう。
こちらは11月にフルモデルチェンジが予定される軽自動車「ライフ」に搭載されるという。

(webCG 本諏訪)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。