ローブ、怒涛の8勝目! シトロエンはワンツー達成【WRC 08】

2008.09.01 自動車ニュース

【WRC 08】ローブ、怒涛の8勝目! シトロエンはワンツー達成

2008年の世界ラリー選手権(WRC)第11戦が8月29日〜31日、ニュージーランドを舞台に開催された。ホストタウンは北島の最大都市、オークランドから南へ約120kmの距離に位置するハミルトンで、その周辺の丘陵地にステージを設定。いずれも高速かつスムーズなグラベルだ。

ラリーは序盤から激しいバトルが展開され、デイ2以降も激しいシーソーゲームが続いたものの、最終的にはシトロエンのエース、セバスチャン・ローブがC4WRCで辛勝。今季8勝目を獲得した。セカンドドライバーのダニエル・ソルドも2位入賞を果たし、シトロエン勢が1-2フィニッシュを達成した。

■フォード勢が1-2フィニッシュ目前で脱落! 

デイ1で幸先の良いスタートを切ったのは、フォードのエースとして「フォーカスWRC08」を駆るミッコ・ヒルボネンだった。先頭スタートの掃除役に苦戦するローブを尻目にデイ1をトップでフィニッシュ。一方のローブはSS4のパート1終了後にエンジンがかからずタイムコントロールの遅着でペナルティを受け、トップから約27秒差の2番手でデイ1をフィニッシュした。
デイ2ではヒルボネンが先頭スタートに苦戦し、ついにローブがSS10で逆転に成功、トップに浮上する。しかし、ローブはデイ3の出走順を考慮し、この日の最終ステージとなるSS11で意図的にペースダウン。その結果、フォードのセカンドドライバー、ヤリ-マティ・ラトバラ、ヒルボネンに続いてローブはトップから13秒遅れの3番手でフィニッシュした。

デイ3はスーパーSSを含めて計5本、約44kmと十分なSS走行距離を残していることから、戦略的なペースダウンで3番手スタートを得たローブが有利になると思われた。しかし、ローブはこの日のオープニングステージで痛恨のスピンを喫し、チームメイトのソルドにかわされて総合4番手に後退。一方、2番手スタートのヒルボネンは続くSS13でセカンドベストをマーク。ラトバラをかわしトップに浮上した。
ローブはSS14でベストタイムをマークするものの、ヒルボネンも2番手タイムで続いたことから、走行順位は変わらず。このままフォード勢が1-2フィニッシュ、戦略が裏目に出たローブが4位でフィニッシュするかと思われたが、続くSS15でヒルボネンが痛恨のスピンを喫し3番手に後退。チームメイトのラトバラも石にヒットして、リタイアすることとなった。

結局、同ステージでベストタイムをマークしたローブが逆転に成功、そのまま最終SSでもポジションを守り抜き、今季8勝目を獲得した。フォード勢の脱落でポジションアップを果たしたソルドも2位入賞を果たし、シトロエン勢が1-2フィニッシュを達成。勝利を目前にして手痛いミスを演じたヒルボネンが3位で表彰台を獲得した。

■スバルはソルベルグが4位に入賞!

ラリージャパン前の最後のグラベル戦となることから、スバル陣営はこのニュージーランドを“ジャパン前哨戦”とみて勝利を狙っていた。が、全開アタックの指示を受けていたセカンドドライバーのクリス・アトキンソンが、デイ1のSS3でロールオーバー。マシンを修復して再出走に挑むものの、デイ3のSS13でコースアウトを喫し、リタイアした。

一方、エースのペター・ソルベルグも必死のプッシュを敢行するものの、デイ1、デイ2ともに7番手に低迷。上位陣の脱落に助けられ、最終的に4位入賞を果たすものの、「インプレッサWRC2008」の熟成不足は明らかで課題の残る1戦となった。「ホモロゲーションの追加申請を含めてジャパンに向けてドラスティックな変更をしたいと思います」「9月のインターバルでテストを実施するので、ジャパンで勝てるようにクルマに仕上げたい」とはマニュファクチャラー代表工藤一郎氏の弁。今後の動向に注目だ。

なお、5位入賞はシトロエンC4WRCを駆るプライベーター、ウルモ・アーバで、SX4WRCを駆るパー-ガンナー・アンダーソンが6位入賞を果たし、スズキの最高位記録を更新。デイ1のコースアウトで出遅れたトニ・ガルデマイスターも7位に付けており、スズキ勢が2台揃って入賞を果たした。

■PWRCは三菱が表彰台独占

同時開催のPWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)第6戦では新井敏弘(スバル・インプレッサ)と奴田原文雄(三菱ランサー)ら、ふたりの日本人ドライバーが注目されていたが、05年、07年のチャンピン、新井はトラブルを抱えた前走車に塞がれてSS1で出遅れ、SS3でラジエータを破損。なんとか同ステージを走りきるものの、エンジンかからず、競技の続行を断念した。
一方、06年のシリーズで最多の3勝を挙げている奴田原はSS1でベストタイムをマークし、デイ1を3番手でフィニッシュするなど順調な立ち上がりを見せていたのだが、デイ2のSS8でロールオーバー。再出走を果たしたデイ3でもSS12でコースアウトを喫し、ドライブシャフトを破損、そのままリタイアすることとなった。

そのほか上位ランカーや上位に付けるドライバーが相次いで脱落するなど、PWRCが波乱のサバイバルラリー化するなか、JWRC(ジュニア世界ラリー選手権)でも活躍するマーティン・プロコップ(三菱ランサー)が参戦2戦目にして待望の初優勝を獲得。チームのサポート休止でプジョー207S2000から三菱ランサーにマシンをスイッチしたパトリック・サンデルが2位入賞を果たし、マーティン・ラウムが3位に入賞。三菱ユーザーが表彰台を独占した。

(文と写真=廣本泉)

早くも8勝目を手にしたシトロエンのローブ。
早くも8勝目を手にしたシトロエンのローブ。
1-2フィニッシュを目前に、フォードは最後のミスで勝利を取りこぼした。写真は、快走を見せるヒルボネン。
1-2フィニッシュを目前に、フォードは最後のミスで勝利を取りこぼした。写真は、快走を見せるヒルボネン。
スバルは写真のソルベルグが4位に入ったものの、マシンの熟成に課題を残した。
スバルは写真のソルベルグが4位に入ったものの、マシンの熟成に課題を残した。
SX4WRCを駆る、パー-ガンナー・アンダーソン。
SX4WRCを駆る、パー-ガンナー・アンダーソン。
リタイアに終わった三菱の奴田原(写真)。新井もリタイアと、日本勢は振るわず。
リタイアに終わった三菱の奴田原(写真)。新井もリタイアと、日本勢は振るわず。

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