新型「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」日本上陸

2012.01.05 自動車ニュース
新型「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」。かたわらに立つのは、フィアット・グループ・オートモービルズ・ジャパンのポンタス・ヘグストロム社長。
新型「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」日本上陸

新型「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」日本上陸

2012年1月5日、フィアット・グループ・オートモービルズ・ジャパンは「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」を発表した。2012年2月4日に発売する。

発表会の会場に飾られた、初代「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」。
発表会の会場に飾られた、初代「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」。
こちらは直線的なデザインが特徴の2代目。初代の登場から23年後の1977年に発売された。
こちらは直線的なデザインが特徴の2代目。初代の登場から23年後の1977年に発売された。
「ジュリエッタ コンペティツィオーネ」のリアビュー。リアのコンビランプはLED式となる。
「ジュリエッタ コンペティツィオーネ」のリアビュー。リアのコンビランプはLED式となる。

■伝統の車名が復活

2010年3月のジュネーブショーでベールを脱ぎ、同年5月からヨーロッパで市販開始された「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」。ワールドプレミアから2年近くがたち、ようやく日本での正規販売が始まる。

アルファのラインナップとしては「147」の後継モデルだが、「ジュリエッタ」を名乗るのは、この新型で3代目となる。
初代の誕生は1954年。戦前は今日のフェラーリのような高級スポーツカーメーカーだったアルファは、戦後の50年にリリースした「1900」で量産メーカーへの転身を図った。排気量1.3リッターながら伝統のDOHCエンジンを搭載した小型アルファだった「ジュリエッタ」は、さらなる生産規模拡大を担ったモデルであり、今日へと続くアルファの礎を築いた。
2代目は77年にデビュー。トランスアクスルを備えた上級モデル「アルフェッタ」のプラットフォームを流用した、「ジュリア・ベルリーナ」の市場を引き継ぐ1.3〜2リッター級の4ドアセダンだった。

ベンチマークである「フォルクスワーゲン・ゴルフ」を筆頭に競合ひしめく欧州Cセグメントに投入された、3代目「ジュリエッタ」。「コンパクト」と呼ばれる新開発のプラットフォームに載るボディーは、5ドアハッチバックのみとなる。
社内デザインセンターの作というスタイリングは、「8Cコンペティツィオーネ」に始まり、弟分となる「ミト」にも採用された伝統の盾グリルを強調した顔つきと、クーペ風のウィンドウグラフィックスが特徴。ボディーサイズは、全長4350mm、全幅1800mm、全高1460mm、ホイールベース2635mmで、「147」(初期型)と比べるとそれぞれ180mm、70mm、40mm、90mm拡大されており、同じセグメントの現行「ルノー・メガーヌ」にほぼ等しい。
新プラットフォームは高張力鋼板やアルミ、マグネシウムなど軽量素材の使用比率を高め、従来に比べて重量を増やすことなく強度を大幅に向上したとうたわれるが、さすがに全長で20cm近くサイズアップすると絶対的な重量増は避けられず、ベーシックなグレードである「スプリント」の車重は1400kg。「147」の「2.0ツインスパーク」に比べて90kg重くなっている。

ターボで過給される、1.4リッターの「マルチエア」ユニット。電子制御油圧システムにより吸気バルブの開弁時期やリフト量をコントロールし、パフォーマンスと環境性能の両立を図る。
ターボで過給される、1.4リッターの「マルチエア」ユニット。電子制御油圧システムにより吸気バルブの開弁時期やリフト量をコントロールし、パフォーマンスと環境性能の両立を図る。
6段MTが与えられる、「ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ」の運転席まわり。
6段MTが与えられる、「ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ」の運転席まわり。
荷室の容量は350リッター。リアシートを倒すことで、最大1045リッターにまで拡大できる。
荷室の容量は350リッター。リアシートを倒すことで、最大1045リッターにまで拡大できる。

■エンジンは2本立て

日本仕様のエンジンは2種類。用意された3つのグレードのうち、ベーシックな「スプリント」と中間の「コンペティツィオーネ」に搭載されるのは、直4 SOHC16バルブ1.4リッター直4のマルチエアターボ。すでに「ミト クアドリフォリオ ヴェルデ」に使われているものと同じで、吸気バルブのリフト量と開閉タイミングを連続可変式に制御することでポンピングロスを低減し、170ps/5500rpmの最高出力と23.5kgm/2250rpmの最大トルクを発生(「アルファD.N.A.システム」で「N」または「A」モードを選択した場合。「D」モードでは25.5kgm/2500rpm)。「スタート&ストップ」と呼ばれるアイドリングストップ機構も備わる。

トップグレードの「クアドリフォリオ ヴェルデ」には、1.7リッター直4 DOHC16バルブの1750直噴ターボエンジンが積まれる。この「1750」はもちろん総排気量(1742cc)を表しており、戦前の傑作スポーツカー「6C 1750」に由来する、アルファとしてはこだわりのある数字なのである。
それはさておき、吸気と排気の双方に連続可変式バルブタイミング機構や「スカベンジングコントロール」(掃気制御)と呼ばれる、低回転域でのトルクを増大させ、ターボラグを抑制するシステムを搭載。燃費とエミッションレベルを最小限に抑えながら、アルファの量産エンジン史上最高のリッターあたり135psとなる235ps/5500rpmの最高出力と30.6kgm/4500rpmの最大トルクを発生する(「アルファD.N.A.システム」が「N」または「A」モードの場合。「D」モードでは34.7kgm/1900rpm)。

トランスミッションは、「スプリント」と「コンペティツィオーネ」には、「ミト コンペティツィオーネ」にも使われている6段乾式デュアルクラッチトランスミッションの「アルファTCT」を採用。いっぽう「クアドリフォリオ ヴェルデ」は新開発の6段MTで、燃料消費を低減するための最適なシフトポイントを表示する「GSI」(ギアシフトインジケーター)が備わる。

公表されたパフォーマンスは、本国仕様の「クアドリフォリオ ヴェルデ」で最高速度242km/h、0-100km/h加速6.8秒と、3リッター級のスポーツカーに匹敵する。いっぽう燃費は、同車種の本国における「郊外モード」でリッターあたり17.2kmという。

「ジュリエッタ スプリント」
「ジュリエッタ スプリント」
クーペを連想させるとうたわれるサイドビュー。リアのドアハンドルはウィンドウフレームの後端に配置。すっきりとした外観を演出する。写真は、最上級グレードの「ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ」。
クーペを連想させるとうたわれるサイドビュー。リアのドアハンドルはウィンドウフレームの後端に配置。すっきりとした外観を演出する。写真は、最上級グレードの「ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ」。
 
新型「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」日本上陸の画像

■期待がかかる「ジュリエッタ」

新設計の「コンパクト」プラットフォームを主体に、優れた運動性能と快適性、そして安全性の高次元でのバランスを実現したというシャシー。新開発のサスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク式で、アルミ製部品を使用することにより従来型より軽量化を果たしている。ステアリングも新開発のデュアルピニオン式電動パワーステアリングである。

すでに「ミト」でもおなじみの、路面状況やドライビングスタイルに応じて走行特性を「D」(ダイナミック=スポーティーなドライブ)、「N」(ノーマル)、「A」(オールウェザー=滑りやすい路面など)の3つのモードから選択可能な「アルファD.N.A.システム」も採用される。 VDC(ビークルダイナミックコントロール=スタビリティーコントロール)の制御ロジックに加えて、エンジン、トランスミッション、ステアリング、そして電子制御式ディファレンシャルロック機能を統合制御するこのシステムは、「ジュリエッタ」では全グレードに標準装備となる。

グレード構成は、前述したように「スプリント」、「コンペティツィオーネ」、「クアドリフォリオ ヴェルデ」の3種類で、価格は以下のとおり。

・「ジュリエッタ スプリント」:318万円
・「ジュリエッタ コンペティツィオーネ」:358万円
・「ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ」:388万円

いつの間にか「159」の販売が終了、「147」も1年近く前に完売とのことで、気付いてみれば日本におけるアルファは末弟の「ミト」だけになってしまっていた。かつては「145」や「156」、そして「147」がそれなりの実績を上げ、一定のマーケットを確保していたのに、後が続かなかったのである。
初代「ジュリエッタ」には、アルファとしては未知の分野だった小型車市場を開拓するという重大な任務が課せられていたが、日本における3代目は、いったん失ってしまった市場を取り戻すという、これまた大変な役割を担っているわけだ。その成り行きやいかに?

(文=沼田 亨)

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