第6戦鈴鹿、波乱のレースはカルソニックIMPUL GT-Rが勝利【SUPER GT 08】

2008.08.25 自動車ニュース
GT500クラスの表彰式。松田次生/セバスチャン・フィリップ組のGT-Rを中央に、NSX(井出有治/細川慎弥/松浦孝亮組)、SC(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー/カルロ・バンダム組)が表彰台を分け合った。
第6戦鈴鹿、波乱のレースはカルソニックIMPUL GT-Rが勝利【SUPER GT 08】

【SUPER GT 08】第6戦鈴鹿、波乱のレースはカルソニックIMPUL GT-Rが勝利

昨シーズン“勝ちなし”に終わったチームが念願の勝利を手にした。
2008年8月24日、三重県・鈴鹿サーキットで開催されたSUPER GT第6戦の決勝レース。シリーズ戦のなかでもっとも長い1000kmレースは、ナイトランのある伝統の一戦。にもかかわらずスプリントレースのような目まぐるしさのなか、戦いを制したのは松田次生/S・フィリップ組のカルソニックIMPUL GT-Rだった。

■天候に左右された予選

土曜日の朝、午前の予選1回目は小降りの中でのスタート。アタック途中には深溝のレインタイヤから溝の浅いインターミディエイトに交換できるコンディションにまで回復した。

クラス別のアタックが開始され、GT500ではNo.1 ARTA NSXのR・ファーマンがトップタイムをマーク。だがGT300クラスとの混走枠に、インターミディエイトを装着したクルマがベストタイムを次々更新。No.22 MOTUL AUTECH GT-RのM・クルムがトップを奪取した。さらに、No.100 RAYBRIG NSXの井出有治がクルムを上まわる2分07秒474のトップタイムを刻んだ。

午後の予選2回目を前に、天候が再び悪化。サポートレースの開催もセーフティカーによる先導で行う状況から、しばしセッションの時間を延期するなどの対策がとられたが、天候回復の兆しはなく、予選2回目および各クラス上位10台がグリッドをかけて競うスーパーラップもすべて中止に。これにより、No.100 NSXがトップタイムで予選を通過した。

だが不運なことに、No.100 NSXは金曜日の練習走行でエンジントラブルが発生。エンジン交換を行ったことから、レギュレーションに沿ってすでに決勝での10グリッド降格が決定済み。No.100 NSXのポールポジションは幻に終わり、11番手に(スタート直前のマシントラブルで最終的にはピットスタート)。代わってNo.22 GT-Rがトップの位置から1000kmのスタートを切ることとなった。

GT500クラスのスタートシーン
第6戦鈴鹿、波乱のレースはカルソニックIMPUL GT-Rが勝利【SUPER GT 08】

■NSXとSCにハプニング

例年のような酷暑の戦いにはならなかったものの、レースは逆にハイペース化。一層シビアな攻防戦が展開された。そんななか、予選4位だったNo.1 ARTA NSXのファーマンが緊急ピットイン。トラブルの原因究明をはっきりできないままコースに復帰したことから、再度ピットインを強いられ、戦列から大きく後退した。さらに暫定トップに立ったNo.17 REAL NSXは最初のルーティンワークを済ませ、再スタートの際に痛恨のエンスト。その後もポジションをじりじりと落とした。
ピットスタートのNo.100 NSXこそ怒涛の追い上げで上位に返り咲いたものの、他はトラブルで後退。NSX勢にとって序盤は冴えない展開となった。

一方、SC勢も波乱が続いた。まずNo38 ZENT CERUMO SC430は、昨季の終盤レースで被ったクラッシュの影響により車体を新調。2シーズン同じ車体を使用することが義務付けられているため、今回はピットスタートが確定していた。またレースでは、No.36 PETRONAS TOM'S SC430がGT-R勢らと緊迫のバトルを観客に披露したが、黄旗無視でピットストップのペナルティ。優勝のチャンスを失った。

優勝したNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ組)と2位となったNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治/細川慎弥/松浦孝亮組)が同時にピットイン。作業を終えてピットアウトする。
優勝したNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ組)と2位となったNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治/細川慎弥/松浦孝亮組)が同時にピットイン。作業を終えてピットアウトする。
レースを制したのは写真手前、No.12 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ組)。
レースを制したのは写真手前、No.12 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ組)。

■表彰台は3メーカーで

一方、淡々と周回を積み重ねたのがGT-R勢だ。

松田次生が駆るNo.12 GT-Rは、序盤イレギュラーなピットインで出遅れるも2スティント連続走行などで2番手までポジションを上げ、No.100 NSXとの一騎打ちへ。直接対決後はつねに同周回でのピットインで互いをけん制。やがてNo.100 NSXよりも燃費がよいと踏んだチームは、一発逆転を狙いピットインのタイミングを1周ずらす作戦に出た。

ひと足さきにピットインしたNo.100 NSXは47.6秒で作業終了。その翌周、No.12 GT-Rは43.2秒で作業を完了。ピットロードに出て1コーナーへと向かうNo.12 GT-Rと、No.100 NSXの差は、メインストレート1本分へと広がった。

2位にドロップしたNo.100 NSXも、ナイトランながらハイペースでの周回で差を詰めようとしたが、マシンの不具合を感じ始めたことからあえなくペースダウン。このままNo.12 GT-Rが逃げ切り、173周の戦いに終止符を打った。2位のNo.100 NSXに続き、3位にはNo.36 SC430。ペナルティでの遅れを取り戻す力走を見せ、3メーカーが仲よく表彰台を分け合った。

GT300クラス優勝のNo.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹/安田裕信組)
GT300クラス優勝のNo.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹/安田裕信組)
ポッカ1000km名物の花火が夏の長い一日に終わりを告げた。
ポッカ1000km名物の花火が夏の長い一日に終わりを告げた。

■GT300は、MOLAレオパレスZが初優勝

GT300クラスも予選上位陣が次々とマシントラブルやレース中のアクシデントで後退。予選3位のNo.95 ライトニング マックィーンapr MR-Sと予選5位のNo.46 MOLAレオパレスZが、常に表彰台の中央をかけて攻防を続けた。
最終的には、ラップタイムでコンスタントに上まわったNo.46 Zが勝利。シリーズチャンピオン争いでもトップに躍り出る結果となった。

この鈴鹿以降、終盤戦に突入するSUPER GT。次の舞台は9月14日、栃木県ツインリンクもてぎでの一戦となる。抜きどころが少ないといわれるサーキットだけに、予選でのポジション争いが大きなポイントとなりそうだ。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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