【スペック】全長×全幅×全高=4881×1915×1353/ホイールベース=2942mm/車重=1880kg/駆動方式=FR/4.7リッターV8DOHC32バルブ(440ps/7000rpm、50.0kgm/4750rpm)/価格=1750.0万円

マセラーティ・グラントゥーリズモS(FR/6MT)【海外試乗記(前編)】

新しい舞台(前編) 2008.08.12 試乗記 マセラーティ・グラントゥーリズモS(FR/6MT)
……1750.0万円

2007年の東京モーターショーで上陸した「グラントゥーリズモ」のハイパフォーマンスモデル「S」が登場。日本での発表会後まもなく、『CG』新井勉がイタリアで試乗した。


『CG』2008年8月号から転載。

大人の化粧

仕事に追われる日々。そんなときに見つけた一滴のしずく。その小さな輝きがぽとりと落ちた瞬間、心に潤いと活力が生まれるのを感じた。新しいグラントゥーリズモS、マセラーティ史上最速のクーペとの出会いに、僕は運命を感じずにはいられなかった。

マセラーティ・グラントゥーリズモS(GTS)がワールドプレミアを飾ったのは、“普通”のグラントゥーリズモの登場からちょうど1年後、2008年3月のジュネーヴ・ショーである。僕がGTSを目の当たりにしたのはそれからさらに2ヵ月後の東京で、コーンズ主催の発表会でのことだった。しかし、このとき心に響くものを感じたわけではない。トライデントに入れられた2本の赤いライン、巨大な20インチ・ホイール、その中に隠されたブレンボ製のモノブロックキャリパー、そしてリアスポイラー一体型に形状を変えた強化プラスチックのトランクリッドなど、ボディのあちこちに散りばめられたアイテムが高性能を物語っていたけれど、その洗練された装いのせいか、ここでは「ラクシュリーカーの延長線……」、そのぐらいにしか思えなかった。

ところが発表会から5日後、今度はモデナに飛んで実際にステアリングを握ってみて、それが間違いだったことに気づかされた。エミリア街道を走らせ、雨のワインディングロードを駆け抜けることで、見た目の上品さとは裏腹に、GTSの体内に熱い血が流れていることを思い知らされたのだ。

開発陣はGTSに“デイリー・レーシングカー”という開発コンセプトを掲げ、そのためにパワートレーンを一新。V8ユニットのパワーアップに留まらず、ギアボックスを6段ATから6段MTベースのセミ・オートマチックへ、しかもトランスアクスル方式へと大改造を施したのである。もちろん、それに合わせてサスペンションやブレーキに手を加えることも忘れてはいなかった。一瞥しただけでは単なるスポーティ・バージョンにも見えて、実はとても気合いの入ったスポーツカーなのだ。まずはその心臓部を覗いてみることにしよう。

20インチ・ホイールはGTS専用デザイン。デュアルキャスト・フロントディスクにブレンボ製の6ポッド・モノブロック・キャリパーを組み合わせる。
マセラーティ・グラントゥーリズモS(FR/6MT)【海外試乗記(前編)】
メーターパネルはシンプルな構成でとても見やすい。左から燃料計、速度計(320km/h)、中央のデジタル表示がシフトインジケーター、回転計(レッドゾーン7500rpm〜、7600rpmでレブリミッターが作動)、水温計の順に並ぶ。
マセラーティ・グラントゥーリズモS(FR/6MT)【海外試乗記(前編)】

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