【スペック】 全長×全幅×全高=2720×1560×1540mm/ホイールベース=1865mm/車重=810kg/駆動方式=RR/1リッター直3DOHC12バルブ(71ps/5800rpm、9.4kgm/4500rpm)/価格=176万円(テスト車=193万3250円)

スマート・フォーツー・クーペ(RR/5AT)【ブリーフテスト】

スマート・フォーツー・クーペ(RR/5AT) 2008.08.08 試乗記 ……193万3250円
総合評価……★★

7年ぶりのフルモデルチェンジで「クルマらしさが増した」と評される「スマート」。大胆な発想で衝撃を与えたコンセプトは、2代目となってどう進化したのか。
新型「スマート」の全長は2720mm。横に並ぶのは全長4850mmの「日産ティアナ」。
スマート・フォーツー・クーペ(RR/5AT)【ブリーフテスト】

ライバルが、スゴすぎる

スマートが登場した時には、何よりその割り切ったコンセプトに感心したのだった。自動車の要素として必要と考えられていた項目を精査し、ミニマムな構成を探り出してカタチにした力業には恐れ入ったものだ。
だから、弱点として取りざたされた部分には、ある程度目をつぶってもいいと思っていた。短いホイールベースからくるピッチング、思うに任せないギアチェンジは、“愛嬌”としてむしろ魅力を増すアイテムだと好意的に見ることもできたのだ。

2代目となって、自動車としての完成度は格段にアップしたと耳にしていた。たしかに、そのとおりなんだと思う。弱点の克服に努力が重ねられ、その成果が出ていることは認めなくてはならない。しかし、期待が大きかったせいか、満足したとは言いがたいものがある。
7年を経て改めて世界に問うには、アピールするものが感じられない。“自動車らしく”なったのは間違いないけれど、その代わりにガタイは大きくなり、愛嬌は失われた。初代の「コンセプトが走っている」といったピュアな成り立ちと比べると、どうしても中途半端なものという印象が生じてしまう。
あるいは、日本で見るからその魅力が薄らいで見えるのかもしれない。日本には、軽自動車という素晴らしい達成がある。この7年の間に、軽自動車は長足の進歩を遂げた。スマートがデビューした頃とは別物と言っていいほどのクオリティを獲得している。価格、乗りやすさ、実用性などを総合すると、スマートを選ぶには相当の言い訳がいる。
そして、インドでは「ナノ」などというとんでもないクルマが登場してきたし、日本からはトヨタが近々「iQ」を世に問うことになる。スマートが牙城を守るためには、“改良”だけでは厳しいものがある。

もちろん、コンセプトの素晴らしさは今も色あせてはいない。だからこそ、2代目には新たな提案を加えてぶっちぎりの未来を見せてほしかった。エコをアピールするオシャレなアイテムとして受け止められてしまうのは、スマートの本意ではないはずである。

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