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【スペック】全長×全幅×全高=4870×1795×1470mm/ホイールベース=2850mm/車重=1860kg/駆動方式=FR/3.5リッターV6DOHC24バルブ(296ps/6400rpm、37.5kgm/4800rpm)、交流同期電動機(200ps、 28.0kgm)/価格=619万円(テスト車=724万8400円)

トヨタ・クラウンハイブリッド(FR/CVT)【ブリーフテスト】

トヨタ・クラウンハイブリッド(FR/CVT) 2008.08.01 試乗記 ……724万8400円
総合評価……★★★★★

トヨタの伝統ブランド「クラウン」に、エコロジーなグレードが登場。
最新のハイブリッドシステムは、高級サルーンの走りや乗り心地に、どんな変化をもたらすのか? 

王冠が似合うエコ性能

ハイブリッド化によるメリットは、重量級のクルマほど大きい。減速時に発するエネルギーをより多く回収できるからだ。モニターを見ながら、蓄えられた電気をたくさん使うように扱えば、燃費は確実によくなる。それを念頭に運転すべきである。
クルマの初動を電気で行う機会を増やすためにも、EVスイッチの位置はもっと手元に欲しい。あるいはバッテリーがあるかぎり、発進は必ず電気モーターで行うように設定してしまっていいだろう。

「エネルギーモニター」によれば、1分間ごとの集計で20km/リッター以上の棒グラフがいくつも連続するなど、1860kgの重量車が二桁の燃費にのる事実に驚かされる。小型軽量化して燃費を上げるのは急務、小型化できないクルマでもハイブリッドなら省燃費が可能……この事実を知らしめる功績は大きい。
ハイブリッドシステムをもつ車両価格は、たとえ高価であれステイタス性を伴うものだろうし、このクラスのユーザー層は比較的受け容れやすいはず。今後増殖することが期待される。

動力の流れを示す「エネルギーモニター」は、ハイブリッドならではの機能。
動力の流れを示す「エネルギーモニター」は、ハイブリッドならではの機能。 拡大

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【概要】どんなクルマ?

(シリーズ概要)
トヨタを代表する高級サルーン「クラウン」。2008年2月のフルモデルチェンジで13代目となった。
“ZEROクラウン”を標榜して若返りを図った12代目同様、目指したのは脱コンサバ路線。外観デザインは、さらに若々しくダイナミックになった。エンジンやプラットフォームも先代の流用ながら、電子制御の処理能力などソフト面を大幅に強化して、走りの質を追求したとされる。
ラインナップは大きく分けて3種類。ベーシックモデル「ロイヤルサルーン」(2.5リッター/3リッター)、スポーティな「アスリート」(2.5リッター/3.5リッター)、さらに、トヨタブランドの強みとなりつつあるハイブリッドモデルが、新たに選べるようになった。パワーユニットはもとより、モデルごとにフロントグリルやバンパーなどのエクステリアデザインが異なる。

(グレード概要)
試乗車「クラウンハイブリッド」は、11代目で登場した簡易型の「マイルドハイブリッド」以来となる、エコグレードのクラウン。「レクサスGS450h」と同じ本格的なハイブリッドシステムを初めて搭載し、2008年5月6日に発売された。
3.5リッターV6エンジン(296ps/6400rpm、37.5kgm/4800rpm)とモーター(200ps、28.0kgm)を組み合わせ、システム全体で345psの最高出力を発生。パワーに関しては「GS450h」と同値ながら、肝心の燃費は、10・15モードで15.8km/リッターと、GS(14.2km/h)よりも約10%向上している。
外観上は、青色を配した前後のランプやエンブレム、さらに専用デザインのホイールなどが特徴。ユニークなTFT液晶のメーターパネルには、メーター画像を含む各種多彩なインフォメーションがコンピューターグラフィックスで映し出される。


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専用ホイールの傍らには、やはり専用の「ハイブリッド」エンブレム。ボディカラーは、白黒青銀系の全6色が用意される。(試乗車はダークブルーマイカ)
専用ホイールの傍らには、やはり専用の「ハイブリッド」エンブレム。ボディカラーは、白黒青銀系の全6色が用意される。(試乗車はダークブルーマイカ) 拡大

【車内&荷室空間】乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★★
ハイテク高級車にふさわしく、実用的な造形のなかに最新の電子技術を詰め込み、その内容は充実している。操作ボタンの漢字表記がクラウンらしくていい。ハイブリッド車ならではのエネルギ−モニタ−も、見ているだけで楽しい。ただし、2段階的にメニューを選んでいくモニターの表示方式は、一見整理されているように思えるが、欲しい情報を一度で選べるショ−トカット機能があればさらに便利。

(前席)……★★★
滑りにくい材質の表皮は歓迎されるが、根本的には座面の後傾斜角が足りない。後端の部分が固く真ん中がややソフトなクッションの圧力分布がマズいこともあり、座面の前後長は短く感じられる。腰の周辺をしっかりフィットさせ、かつサイズ的な余裕を感じさせる努力は今ひとつ。高価格車にふさわしい、熟考された座り心地を望みたい。

(後席)……★★★
前席に比べれば居心地は上々。背もたれの角度も寝過ぎておらず、まずまず。Cピラ−とドア丈の関係も落ちつける環境下にある。FF車が普及して改善されてきた基準に照らせば、今やセンタ−トンネルの張り出しは中央席の足元を大きく浸食しているように感じられるが、2人がゆったり座るには十分。モーターで走る静けさのせいで、デフやプロペラシャフトから出る振動や騒音が不利に働いてしまう。

(荷室)……★★★
基本はFRクラウンのトランクルーム。ハイブリッドゆえに狭くなっている部分を考慮しても、370リッター以上と絶対的な容量があるので、このクルマに想定される使い方の範囲内では不満はないだろう。

写真をクリックすると、カバーを外したエンジンが見られます
クラウン・ハイブリッド(FR/CVT)【ブリーフテスト】

【ドライブフィール】運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
エンジンが止まったまま動きだす時の静粛性には感動を覚える。全体的にも静かなクルマという印象は強い。エンジンが停止している区間が想像以上に多いということか。
また、フル加速時などモ−タ−の回転が加わった時の加速は異次元感覚であり圧倒される。コーナーではこの“モーターの連続性”がリミテッドスリップデフの作用に似た感覚をもたらし、内輪のグリップ力を強めているようにも感じる。


クラウン・ハイブリッド(FR/CVT)【ブリーフテスト】

(乗り心地+ハンドリング)……★★★
今回は動力性能の話題に比べてシャシーは日陰の存在であるが、モーターのアシストが加わることにより、接地性が向上しコーナーでの安定性が高まった。
乗り心地に関しては、社内基準をクリアすればヨシとするならそこまで。欧州の高級車に比肩するには、落ち着き感や足まわりの剛性感でまだまだ。タイヤやホイ−ルなど、バネ下の重さを感じる。

(写真=峰昌宏)


クラウン・ハイブリッド(FR/CVT)【ブリーフテスト】

【テストデータ】

報告者:笹目二朗
テスト日:2008年6月12日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2008年型
テスト車の走行距離:1780km
タイヤ:(前)225/45R18(後)同じ(いずれも、ダンロップ VEURO SP SPORT2050)
オプション装備:プリクラッシュセーフティシステム+ナイトビュー+レーンキーピングアシスト(83万2650円)/クリアランスソナー&サイドモニター(7万3500円)/トヨタプレミアムサウンドシステム(8万9250円)/リアオートクーラー(6万3000円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:288.2km
使用燃料:29.64リッター
参考燃費:9.72km/リッター

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