欧州勢はハイブリッドとオープンで攻勢【デトロイトショー2012】

2012.01.13 自動車ニュース
「BMWアクティブハイブリッド3」
欧州勢はハイブリッドとオープンで攻勢【デトロイトショー2012】

【デトロイトショー2012】欧州勢の見どころはハイブリッド車とオープンカー

2012年1月9日に開幕したデトロイトショー。欧州車メーカーの中で特に勢いが感じられたのは、北米市場で絶大なる勢力を持つドイツメーカーだった。新しいハイブリッド車とオープンモデルを多数展示し、存在感をアピールしていた。

「アウディS4」
「アウディS4」
「メルセデス・ベンツE400ハイブリッド」(左)と「E300ブルーテック ハイブリッド」
「メルセデス・ベンツE400ハイブリッド」(左)と「E300ブルーテック ハイブリッド」
「フォルクスワーゲン・ジェッタ ハイブリッド」
「フォルクスワーゲン・ジェッタ ハイブリッド」

■大物ぞろいだが「鮮度」がいまひとつ

イタリアのスーパーカーメーカーが出展を見合わせた今回、欧州車の主役はプレミアムブランドを中心としたドイツ勢だった。とはいえ、その内容を見ると、完全なブランニューモデルはメルセデス・ベンツの新型「SL」、スマートの「for-usコンセプト」、BMWが持ち込んだ新型「3シリーズ」ぐらい。大半は追加モデルや既存車種を発展させたコンセプトカーであり、大盤振る舞いした日本メーカーと比べると、ちょっと物足りなさを感じたのは事実だ。

「3シリーズ」は、フルモデルチェンジとはいってもすでにフォトデビューを2011年10月に済ませている。それに加えて、すでに国際試乗会も終えているためにインパクトは小さく、実車を初めて見せただけ、という印象がぬぐえなかった。一方で「6シリーズ」の4ドアバージョンである「グランクーペ」も、すでにフォトデビューさせているにもかかわらず、なぜか展示しなかった。
アウディにしても、目玉は「A4」のフェイスリフトと、「Q3RS」を示唆する「Q3」ベースのコンセプトカーのみ。何としてでもデトロイトショーで目立たなくては、という意気込みは薄かったようだ。

日本車メーカーのニューモデルもほとんどが北米市場を意識したものだったが、そこには世界に対するアピールもしっかり含まれていた。しかし、残念ながらメルセデス・ベンツ以外の欧州勢は、北米のみを見据えた出展としか感じられなかったのである。

「スマートfor-usコンセプト」
 
「スマートfor-usコンセプト」
	 
「ポルシェ911カブリオレ」
 
「ポルシェ911カブリオレ」
	 
「フォルクスワーゲンEバグスター」
 
「フォルクスワーゲンEバグスター」
	 

■ハイブリッド車とオープンカーが勢ぞろい

このように欧州勢には「小粒感」がぬぐえなかったものの、台数自体はそこそこそろっていたと言える。その中で多く見られたのはハイブリッド車とオープンカーである。

新型のハイブリッド車を出展したのは、メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンだった。メルセデス・ベンツは北米や日本、さらに中国も見据えたガソリン仕様の「E400ハイブリッド」と、欧州での需要に応えるディーゼルベースの「E300ブルーテック ハイブリッド」の2モデルを設定することで、技術力と市場への適合性の高さをアピールしていた。

BMWはライバルに先駆けて、Dセグメントの「3シリーズ」に「アクティブハイブリッド3」を追加した。ハイブリッドではメルセデス・ベンツに一歩先を行かれているが、主力セグメントを押さえることで巻き返しを狙っているのだろう。またフォルクスワーゲンは発売されれば「プリウス」とガチンコ勝負になる「ジェッタ ハイブリッド」を持ち込んだ。

オープンカーでは「メルセデス・ベンツSL」を筆頭に、「スマートfor-usコンセプト」、「ポルシェ911カブリオレ」、「MINIロードスター」が出展されていた。中でも注目なのは「スマートfor-usコンセプト」だ。

これは「フォーツー エレクトリックドライブ」をベースにした電気自動車で、オープン+ピックアップのスタイルを採る。近い将来に再登場する予定の4シーターモデル「フォーフォー」のデザインスタディーかと思ったが、もしかすると「for-us」の車名が示すとおり、「フォーツー」のアメリカ市場向け派生車種のひな型なのかもしれない。

また、現状ではオープンスタイルではないが「フォルクスワーゲンEバグスター」も「ザ・ビートル」のオープンを示唆するモデルだ。スピードスターになっていたり、パワートレインが電気モーターになっていたりとショー向けの演出が加えられているが、ボディーは次期「ビートル カブリオレ」を示唆するものと見て間違いないだろう。

(文と写真=新井一樹)

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