東京オートサロン2012会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2012】

2012.01.14 自動車ニュース
すっかり常連となったNATS(日本自動車大学校)の学生の作品で、4代目ソアラ(レクサスSC430)をベースにした「NATS TO THE FUTURE」。その名からわかるように、コンセプトは映画「BACK TO THE FUTURE」に出てくるデロリアンの現代版。
東京オートサロン2012会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2012】

【東京オートサロン2012】東京オートサロン2012会場リポート(チューナー編)

カスタマイズカーやドレスアップカーが集う、毎年恒例のオートショー「東京オートサロン」。メーカー系ブースに続いて、チューナー系ブースの様子をリポートする。

「トヨタ2000GT」のシェルビーアメリカン仕様とスピードトライアル仕様、そしてノーマルのクーペ、写真には写っていないがオープンのボンドカー仕様の4台が並んでいた。実はこれらは、すべて「ユーノス・ロードスター(NA)」をベースにしたレプリカ。「ロードスターガレージ」製作の「龍妃ファイナル」で、クーペとオープンはコンプリートカーで販売しているという。価格はクーペ925万円、オープン845万円。
「トヨタ2000GT」のシェルビーアメリカン仕様とスピードトライアル仕様、そしてノーマルのクーペ、写真には写っていないがオープンのボンドカー仕様の4台が並んでいた。実はこれらは、すべて「ユーノス・ロードスター(NA)」をベースにしたレプリカ。「ロードスターガレージ」製作の「龍妃ファイナル」で、クーペとオープンはコンプリートカーで販売しているという。価格はクーペ925万円、オープン845万円。
キャンパー&車中泊カーのスペシャリストである「かーいんてりあ高橋」が現行「プリウス」をベースに仕立てた「リラックス・キャビン」。「プリウス」のテールゲートを外したほかは、ボディー加工せずにキャビン部分を載せているところがポイントの、いろいろな意味でエコなキャンパー。ルーフの上の部分は、ベッドスペースになっている。
キャンパー&車中泊カーのスペシャリストである「かーいんてりあ高橋」が現行「プリウス」をベースに仕立てた「リラックス・キャビン」。「プリウス」のテールゲートを外したほかは、ボディー加工せずにキャビン部分を載せているところがポイントの、いろいろな意味でエコなキャンパー。ルーフの上の部分は、ベッドスペースになっている。

■改造車ショーに歴史あり

そもそもは“アウトローな改造車”の祭典だった東京オートサロン。1990年代から始まった自動車メーカーの参入によって一気にメジャー化し、今では大手新聞社のニュースサイトで開幕が告げられるほどのイベントとして世間に認知されている。
だが、ビジネスになると思えば予算を注ぎ込んで派手にやらかし、ソロバンが合わないと見るやさっさと撤退してしまう自動車メーカーとは異なり、景気がいいときも苦しいときも、カスタムカー文化を盛り上げようとオートサロンをけん引してきたのは、ほかでもないチューナーやドレスアップメーカーである。

そのチューナーやドレスアップメーカーによる出展車両にも、当然ながら流行(はや)り廃りがある。振り返れば会場内がミニバンだらけだったこともあれば、「VIPカー」と呼ばれていたビッグセダン系が大きな顔をしていたこともあった。北米の影響でスポコン(スポーツコンパクト)に注目が集まったこともあれば、ここ数年は世間のエコカーブームを反映して、ハイブリッド車が目立つようになっていた。

そして今回は? 正直言って、これといった傾向は見当たらなかった。主催者は出展車両をコンセプトカー、チューニングカー、セダン、ミニバン/ワゴン、SUV、Kカー/コンパクトカー、インポートカー、ECOカー、参考出展の9つにカテゴライズしているのだが、「それぞれのカテゴリーで、トレンドらしきものや目新しいモデルはあったが……」という印象なのである。

「HKS」の「R35 GT1000コンセプト」。タイムアタックなどを想定した仕様で、見た目はほぼノーマルだが、エンジンは1000psオーバーまでチューンされており、ノーマルタイヤを履いた状態で富士スピードウェイを1分45秒台で走るという。
「HKS」の「R35 GT1000コンセプト」。タイムアタックなどを想定した仕様で、見た目はほぼノーマルだが、エンジンは1000psオーバーまでチューンされており、ノーマルタイヤを履いた状態で富士スピードウェイを1分45秒台で走るという。
R35「GT-R」をスープアップした「Greedy 35RX」のエンジン。VR38DETTを4309ccまで拡大してフルチューン、最高出力1205.9ps、最大トルク150.1kgmを絞り出している。
R35「GT-R」をスープアップした「Greedy 35RX」のエンジン。VR38DETTを4309ccまで拡大してフルチューン、最高出力1205.9ps、最大トルク150.1kgmを絞り出している。
「RE雨宮」が手がけた究極の「RX-7(FD3S)」である「雨宮NA Super-7」。車名のとおりNA仕様の13Bエンジンをセットバックして積み、トランスミッションは「RX-8」用の6段。ボディーも、オリジナルの面影を残しているのはドアとルーフぐらいである。
「RE雨宮」が手がけた究極の「RX-7(FD3S)」である「雨宮NA Super-7」。車名のとおりNA仕様の13Bエンジンをセットバックして積み、トランスミッションは「RX-8」用の6段。ボディーも、オリジナルの面影を残しているのはドアとルーフぐらいである。

■「86」「BRZ」の登場、そして……

慢性的なベースカー不足に悩まされていた、本来のメインストリートだったチューニング系では、待ちに待った久々の大型新人ともいえる「トヨタ86(ハチロク)」「スバルBRZ」がすでにお披露目を済ませている。とはいえ、発売前とあって、メイン会場内にはトヨタとスバルのブースのほかにはダンロップ/ファルケンのブースに1台見つけただけだが、屋外会場には「HKS」と「アップガレージ」から今季のD1グランプリに参戦予定のマシンが展示されており、特設コースでツインドリフトも披露していた。

次回は会場内にも「86」「BRZ」のカスタムが大挙して並ぶと思われるが、そのデビューによってようやくお役御免となった「S13」〜「S15」の「シルビア」や「180SX」、「AE86」など往年のFRスポーツは、イベントホールで実施されているチューニング雑誌の企画展示や屋外会場にはあったのだろうが、ついにメイン会場からは姿を消していた。

チューニング系の王座に君臨する現行R35「GT-R」の地位は依然として揺るぎないが、ベースモデルが年々バージョンアップしているのと比例するように、チューンの度合いも高まっているようだ。前回のリポートで1000ps仕様の登場を報告したが、今回は最高出力1200psオーバーをうたうものが出展されていた。これを並べていたのは「GReddy」(トラスト)である。
これを読んでわかる人にはわかるだろうが、かつては大手チューナーとして知られオートサロンに広いブースを構えていたものの、経営が悪化してフェードアウトした「トラスト」が、今回は出展台数2台の規模ながら復帰を果たしていたのだ。

これとは対照的に、と言っては立派なブースを構えているのに失礼かもしれないが、寂しさを感じたブースもあった。「トラスト」などと並んで、オートサロンを黎明(れいめい)期から支えてきたチューニング業界の大御所の「RE雨宮」である。社名にも掲げているように、同社はロータリーチューンの老舗。だが既報のとおり、世界で唯一だったマツダのロータリーエンジン搭載車は、今夏で45年にわたる歴史に(いったん)幕を降ろすことが確定している。展示車両の1台である「雨宮NA Super-7」の解説ボードの、「車両コンセプト」の欄に記された「RE雨宮のRX7集大成の最終コンプリート車両」という文字に、ロータリーファンなら胸を打たれることだろう。

今回の出展車両中の最高価格車かもしれない「ロールス・ロイス ファントム ドロップヘッドクーペ」の、「WALD BLACK BISON EDITION」。ホイールは24インチで、エアロパーツの価格だけでおよそ250万円。
今回の出展車両中の最高価格車かもしれない「ロールス・ロイス ファントム ドロップヘッドクーペ」の、「WALD BLACK BISON EDITION」。ホイールは24インチで、エアロパーツの価格だけでおよそ250万円。
まばゆいばかりの光を放つ「ARTIS」の「1959シボレー・インパラ」。メタルシートを貼っているのではなく、すべて塗装仕上げであるというから驚く。表面の模様は、サフェーサーの段階で凹凸をつけているという。
まばゆいばかりの光を放つ「ARTIS」の「1959シボレー・インパラ」。メタルシートを貼っているのではなく、すべて塗装仕上げであるというから驚く。表面の模様は、サフェーサーの段階で凹凸をつけているという。
車高が高ければ下げる、低ければ上げる。いささか乱暴だが、ノーマルの逆にするのがカスタマイズの基本である。というわけで、「UNIVERSAL AIR SUSPENSION」の「ハマー」は基本に忠実?
車高が高ければ下げる、低ければ上げる。いささか乱暴だが、ノーマルの逆にするのがカスタマイズの基本である。というわけで、「UNIVERSAL AIR SUSPENSION」の「ハマー」は基本に忠実?

■高くてド派手がキーワード!?

オートサロンでは輸入車は伝統的に少数派だった。昔よりは増えたとはいえ、今も絶対的には多くないが、高価格車の占める割合が高いので印象に残る。今回目立ったのは、ロールス・ロイス。以前から「ファントム」のサルーンは見られたが、今回は「ファントム」の「ドロップヘッドクーペ」や「ゴースト」も並んでいた。

輸入スポーツカーでは、ポルシェは意外に少ない。あくまで走りを重視したストイックな雰囲気が、オートサロン向きではないのかもしれない。ただしポルシェでも4ドアサルーンの「パナメーラ」は話が別で、けっこうな人気車種である。フェラーリもいまいちで、人気があるのはランボルギーニである。いかにもスーパーカーらしい、派手でエキセントリックなところがツボらしく、今回もそれなりの数が並んでいた。そのほか高価格車では、「メルセデス・ベンツSLS AMG」がお目見え、また輸入車ではなく日本車だが「レクサスLFA」も並んでいた。

会場には、オートサロンの伝統芸である「切った張った」の派手なモディファイを施したモデルも健在である。また、往年の名車をモチーフにしたレプリカやフェイクの人気も根強い。こうしたモデルに関していえば、展示規模が1台、2台のブースに力作が少なくない。そういう作品を発掘するのも、オートサロンの楽しみのひとつなのである。

(文と写真=沼田 亨)

「乱人 By AERO TECH JAPAN」の「【TK-01】TK-SPORT&乱人」。「ロータス・エリーゼ」のシャシーの一部を流用したほかは、サスペンションを含めたシャシー、ボディーともにオリジナルで、エンジンは「ホンダ・シビック タイプR」用の2リッター(K20)を縦置きしたシングルシーター。
東京オートサロン2012会場リポート(チューナー編)【東京オートサロン2012】

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