メルセデスが最新クリーンディーゼルを北米で発売

2008.03.17 自動車ニュース

メルセデスが最新クリーンディーゼルを北米で発売

メルセデスが最新クリーンディーゼルを北米で発売

メルセデス・ベンツは北米で販売するRクラス、Mクラス、GLクラスのディーゼル仕様をさらにクリーン化し、2008年秋に発売すると発表した。

Mercedes Benz R320 BlueTEC
メルセデスが最新クリーンディーゼルを北米で発売
Mercedes Benz R320 BlueTEC
メルセデスが最新クリーンディーゼルを北米で発売

■北米50州で販売されるBin5対応エンジン

アメリカで低硫黄軽油が導入されたのを機に、2006年10月にローエミッションディーゼル搭載の「E320 BlueTEC」を北米市場に投入して大きな反響を得たメルセデス。燃料費の高騰や二酸化炭素排出抑制の動きなどが追い風になって、ディーゼル乗用車のシェアが、現在の数%から、2015年ごろには20%前後まで拡大すると予想されるアメリカで、彼らは次の一手を打つ。「R320 BlueTEC」「ML320 BlueTEC」「GL320 BlueTEC」をこの秋にも投入し、販売の拡大を目指すというのだ。

メルセデスは、これまでも北米で前記3台のSUVに「ML320CDI」「GL320CDI」「R320CDI」を設定し、展開してきた。しかし3車種とも排出ガスのNOxが、カリフォルニア州のLEVIIレベルを満たしておらず、LEVIIを採用するカリフォルニア州、コネクチカット州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州など7州では販売されていなかった。

しかし2008年秋からは、CDIエンジンをさらにクリーン化した「BlueTEC」 に変更することで、TierII Bin5レベル(=LEVIIと同等)をパス。これで北米50州での販売条件が揃うわけだ。これは同時に、Euro6(欧州で2014年頃施行予定)をパスできることも意味する。

Mercedes Benz GL320 BlueTEC
メルセデスが最新クリーンディーゼルを北米で発売
Mercedes Benz GL320 BlueTEC
メルセデスが最新クリーンディーゼルを北米で発売

■ローエミッションの決め手は「AdBlue」

いずれのモデルも、搭載するエンジンは3リッターV6・4バルブの直噴ターボディーゼルで、最高出力155kW(210ps)/3400rpm、最大トルク540Nm(55.1kgm)/1600〜2400rpmの実力を持つ。燃費はガソリン車に比べて2割から最大で4割!の向上が見込まれる。

ピエゾインジェクターを用いた第3世代のコモンレールシステムをはじめ、可変ノズル式ターボ、EGR、そして精密な燃焼制御などによって燃焼効率を高めるたうえで、酸化触媒やDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)の力を借りて排ガスの浄化を行うのは従来同様。そのあと、濃度32.5%の尿素水「AdBlue」を用いる「尿素SCR(選択触媒還元)システム」により、未処理分のNOx(窒素酸化物)を80%削減。「Tier2 Bin5」のNOx基準値を下回るレベルまでクリーン化される。

尿素水は、専用タンクに貯められ、MLクラスとRクラスでは28リッター、GLクラスには32リッター容量のタンクが積まれる。点検時などに、このタンクへ尿素を補充することになる。

ちなみに尿素SCRシステムは、重量のかさむ車両に効果のある方法で、メルセデスはトラックやバスの分野ですでに実績がある。一方、これらに較べると軽量な「E320 BlueTEC」では、「NOx吸蔵還元触媒」によってNOxの低減を図っている。よって、BlueTECと名の付くものすべてに尿素SCR触媒やタンクが積まれるというわけではない。

Mercedes Benz ML320 BlueTEC
メルセデスが最新クリーンディーゼルを北米で発売
Mercedes Benz ML320 BlueTEC
メルセデスが最新クリーンディーゼルを北米で発売

■MLクラスがフェイスリフト

メルセデスは、Rクラス、Mクラス、GLクラスのBlueTECモデルを投入するにあたって装備の充実を図り、商品力を高めた。パドルシフト付マルチファンクションステアリングホイールや新デザインのシート、サラウンド・サウンドシステム、リアエンターテインメントシステムなどにより、さらにラグジャリー指向を強めた。

この中で注目は先日、フェイスリフトを発表したMクラス。フロントマスクやリアのバンパーなどを一新するとともに、ツートーンカラーのインテリアを採用するなどして、スポーティさや若々しさを強調。ディーゼルの低燃費や高性能を武器に、ディーゼル乗用車市場における主導権争いに大きく貢献することが予想される。

(文=生方聡)

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