開幕鈴鹿、NISMOの「GT-R」がワンツー・フィニッシュで完勝!【SUPER GT 08】

2008.03.17 自動車ニュース
GT500クラス表彰式。ポディウムに上がったのは、(写真左から)No.22 MOTUL AUTECH GT-R(M・クルム/柳田真孝組)、優勝したNo.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/B・トレルイエ組)そしてNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/A・ロッテラー組)。
開幕鈴鹿、NISMOの「GT-R」がワンツー・フィニッシュで完勝!【SUPER GT 08】

【SUPER GT 08】開幕鈴鹿、NISMOの「GT-R」がワンツー・フィニッシュで完勝!

「デビュー・ウィン」は至上命題――。サーキットに舞い戻った新型「GT-R」は、与えられた、たった一度のチャンスを、いとも簡単にものにした。

2008年のSUPER GTが三重県の鈴鹿サーキットで開幕。3月16日の決勝レースでは、予選でトップ3を独占したGT-Rが変わらぬ存在感を存分に見せつけ、最後はワークスチームのNISMOがワンツー・フィニッシュを決めた。
速くそして強いクルマ。GT-R復活劇を自らの手で完璧なものとした。

ポールポジションからスタートしたNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル.クルム/柳田真孝組)とNo.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/ブノワ.トレルイエ)が序盤、後続を引き離しつかず離れずの攻防を繰り広げ続ける。
開幕鈴鹿、NISMOの「GT-R」がワンツー・フィニッシュで完勝!【SUPER GT 08】

No.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/B・トレルイエ組)、No.22 MOTUL AUTECH GT-R(M・クルム/柳田真孝組)の2台に続き、06年王者のNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/A・ロッテラー組)が3位を獲得。ディフェンディングチャンピオンのNo.1 ARTA NSXは立て続けに起こったトラブルで4周遅れのピットスタートに甘んじ、勝機を失った。

GT300クラスは、予選トップのNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規組)と2番手No.7 ORC雨宮SGC-7(井入宏之/折目遼組)が終始大接戦。粘りに粘った末の逆転劇でNo.7 RX-7が勝利した。2位にNo.2 紫電、3位はNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/山路慎一組)だった。

■新型GT-R、異次元の速さで予選上位を独占!

話題のニューカー、GT-R。このモンスターマシン登場の効果か、鈴鹿は土曜の予選から多くの観客で賑わいを見せた。

練習走行が行われた金曜は、あいにくの雨。しかも午前中はコース上のあちこちに川ができる劣悪なコンディションとなり、走行もままならず。午後にようやくアタックできる状態にまで回復したが、走りこむまでは至らず。
土曜の予選は一転して晴天が広がり、加えて気温、路面温度も上昇。強い風の影響もあり、マシンバランスの確保に翻弄されるチームが多く見られた。

そのなかで安定した走りを見せたのが、GT-Rの日産勢。予選1回目は“日本一速いフランス人”トレルイエが、No.23 GT-Rをトップに導く。午後からのワンラップアタック「スーパーラップ」は気負いしたのか、No.22 GT-Rのクルムにポールポジションを譲ったが、No.12 カルソニック IMPUL GT-Rの松田次生も僅差で3番手に続くなど、前評判どおりGT-R勢がポテンシャルの高さを証明した。

GT300は、優勝候補筆頭のNo.2 紫電がポールを獲得。だが、予選2番手No.7 RX-7、3番手No.26 ポルシェも速さを示し、決勝での激戦を予測させた。

GT500クラスのスタートシーン。新たな伝説を作るべく、3台のGT-Rが第一コーナーに向かう。 ちなみに日産は、市販車の「GT-R」をSUPER GTオフィシャルセーフティカーとして提供している。
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■SC430は奮闘、王者NSXは……

春の陽気に誘われるように日曜の決勝には32,000人の観客が訪れ、サーキットはファンの熱気に包まれた。

午後2時、52周のスタートが切られ、No.22-No.23が1-2フォーメーションを形成。だが、3番手には、No.36 SC430が食い込んだ。No.36 SC430とNo.12 GT-Rとの接触があり、後者のGT-Rはピットへ直行。後部を激しく損傷したマシンは20分後にレース復帰を果たしたが、もはや勝負権は失ったも同然だった。

3位のNo.36 SC430は逃げるGT-Rの2台よりも、後続のNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/R・ライアン組)との攻防に終始。一方、NSXは、ライバルたちよりも50kg重いの車重が影響してか、精彩を欠いた走りで後塵を拝する結果となった。

No.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ.ロッテラー組)は、3位でフィニッシュ。GT-Rの表彰台独占を阻んだ。
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■GT-R×GT-R、SC×SC

レースは、GT-R、SC430とも同門同士のラップタイムはさほど変わらず。付かず離れずの距離を保ちながら周回を重ねてきたが、ドライバー交代を機に、動きが見られた。

まず、GT-R。No.23は22周目に、そしてNo.22は23周目にピットイン。1周先にタイヤを温めたNo.23の本山が狙いを定め、No.22の柳田をヘアピンで逆転。GT300の周回遅れ車両をうまく利用した、“平成の日本一速い男”本山らしい見せ場を作り、GT-Rデビューウィンを自らの手で成し遂げた。

SC430では、ピット作業を終えたNo.36の脇阪とNo.38 立川が同じ残り周回数でコースイン。トヨタの開発ドライバーであるふたりも、巧みな駆け引きを見せながら終盤へ。最終的にはタイヤの消耗を上手くコントロールできた脇阪に軍配が上がり、表彰台の一角を手に入れた。

GT300クラスもGT500クラスと同様に、ポールポジションスタートのNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電 高橋一穂/加藤寛規組)とNo.7 ORC雨宮SGC-7(井入宏之/折目遼組)が序盤から激しい攻防を繰り広げる。
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■GT300は、ORC雨宮SGC-7が逆転勝利

一方、GT300はファーストドライバー同士がトップ争いを続けた。一足先に2番手のNo.7 RX-7がピットインし、トップのNo.2 紫電はそれから6周後にドライバー交代を行った。
No.2のピットイン前、64秒ほどあった2台の差は、ピットを出たところで3秒にまで短縮。ここから白熱のバトルが始まった。

No.2のベテラン高橋を、No.7のSUPER GT2年生、折目が懸命にプッシュ。勝負どころと定めたシケインでキレのいいパッシングを見せ、クラストップに浮上し、自身初勝利となるチェッカーを受けた。

■NSX、反撃なるか!?

昨シーズンは、速さが光ったNSX。序盤こそマシントラブルで勝利は逃してきたが、中盤以降は安定した戦いで常勝マシンの地位を確立した。
しかし、この2008年シーズン開幕戦ではピリっとしたところを見せることなく、No.18 TAKATA 童夢 NSX(道上龍/小暮卓史組)の7位が最高位。今後の性能調整の行方は未定だが、その底力に期待したい。4月12日に予選を迎える第2戦、岡山での動向に注目だ。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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