開幕直前、2008年の「SUPER GT」はココに注目!【SUPER GT 08】

2008.03.12 自動車ニュース

【SUPER GT 08】開幕直前、2008年の「SUPER GT」はココに注目!

2008年のSUPER GTシリーズが、3月16日に三重県の鈴鹿サーキットで幕を開ける。
日産は話題の新型マシン、GT-Rを投入。公式テストでも最速タイムをマークし、注目度はますます高まる。一方で、昨シーズンを制したホンダNSX、そして一昨年の王者、トヨタSC430もそれぞれポテンシャルアップに余念がない。果たして、今シーズンはどのような戦いを迎えるのか――

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開幕直前! 2008年の「SUPER GT」はココが見どころ

■日産は、GT-Rで王者奪回を目指す

日産は、先代GT-Rに代わって「フェアレディZ」を投入した2004年にタイトルを獲得した。だがこれ以降、ライバルたちに王座を譲り続けている。このまま辛酸をなめ続けるわけにはいかない――。そんな思いを形にすべく、新型GT-Rを投入した。
昨年末、480psの乗用車として衝撃のデビューを飾ったGT-Rだが、日産のモータースポーツ事業を請け負う日産モータースポーツインターナショナル(NISMO)は、今シーズンのニューマシン投入を早くから公言し、シーズンオフには精力的に開発テストを行ってきた。

例年、開幕戦はNISMOワークスチームの2台がニューマシンで参戦し、そのあとでサテライトチームに順次リリースしてきたが、今季は開幕の鈴鹿から全5台を投入する熱の入れよう。軽量化により、重心高の低下と重量配分の最適化を図ることで、旋回性が向上したという。
「ベースとなる車両のポテンシャルが高いぶん、セットアップもしやすい」というのはNISMOワークスドライバー、本山哲の弁。昨季のマシン、フェアレディZに比べてコーナリングでは安定した挙動を確保でき、結果、攻めの走りにつながるというわけだ。

ドライバーの顔ぶれはほぼ変わらないが、松田次生はNISMOから星野一義監督率いるTEAM IMPULに。ファーストドライバーとしての力が問われることになりそうだ。

新たなウェイトハンデを課されつつも、熟成の仕上がり。写真は、「TAKATA 童夢 NSX」。
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■ホンダのNSXは車重アップをものともせず

昨シーズン、最終戦を待たずしてタイトル獲得を果たしたホンダNSX。全9戦中、優勝5回。トップ3を逃したのはたった1戦と、バツグンの安定性と強さを強烈にアピールした。

だが、今シーズンはマシンの「性能調整」レベルが見直され、NSXにはさらに50kg重い車重が課されることに。とはいえ、鈴鹿での公式テストでは、ライバルたちと遜色ないタイムをマークした。培われたデータをもとに、さらなるマシンの熟成を感じさせる仕上がりを見せた。

その一方で、変動があるのはドライバーのラインナップだ。ディフェンディングチャンピオンのひとり、伊藤大輔がトヨタへ移籍したことは、シーズンオフのトップニュースのひとつだった。これを受け、チャンピオンチームであるNo.1 ARTA NSXではルーキーの伊沢拓也を大抜擢した。
昨年の鈴鹿1000kmでスポット参戦し、実戦デビュー済みだが、背負うプレッシャーも大きいことだろう。

2007年のチャンピオン伊藤大輔が駆る、「ENEOS SC430」。
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■トヨタ、大物移籍でポテンシャルアップか

前述のように、伊藤大輔が“NSX使い”としての8年に別れを告げ、今年はSC430を駆る。トヨタ各チームによる体制強化が目立つ。マシンについても、昨シーズン悩まされ続けたコーナリングでの安定性向上を狙い、空力面、足まわりの改善を行っている。

電撃的にトヨタのニューカマーとなった伊藤だが、本人は早い時点で移籍を決意していたという。
「オートポリスでチャンピオンを決めたあとから、(移籍を)考えていた。チャンピオンを獲ったからこそ、メーカー、チーム、クルマが変わったとき、どれだけ自分の力を発揮できるのかを試したい、今ならそれができると思った」と挑戦の真相を語った。

大物ドライバーの移籍は、トヨタドライバーに与える影響も大きいはずだ。しかし、NSX開発に長年関わった伊藤の加入により、SCのポテンシャルを新たに引き出せる可能性がある。さらに、チーム内での競い合いにも期待が高まるというものだ。
「プレッシャーは感じるが、これまで吸収してきた色んなものを、SCにうまく調合させていきたい」という伊藤。さらに過去タイトルを手にした脇阪寿一や立川祐路もいる。SCの進化から目が離せない。

GT300二連覇を狙う、「ライトニングマックィーン apr MR-S」。
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■GT300クラスは、ニューマシン、ルーキーに注目

毎年バラエティ豊かな車種がラインナップし、盛り上がりを見せるGT300クラス。今年は、「レクサスIS350」がサーキットデビューを果たす。残念ながら開幕戦には間に合わないが、セリカに変わる戦力の登場に、トヨタファンの楽しみは倍増しそう。

また、F3ドライバーコンビを擁して昨シーズンのクラスチャンピオンを輩出したaprが、新たに平手晃平と国本京佑を起用。MR-Sでの2季連続タイトルを狙う。平手はトヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP)選抜ドライバーとして、欧州で5年に及ぶ武者修行を経ており、SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンに参戦する。一方の国本はF3とSUPER GTの両カテゴリーへステップアップ。ふたりとも話題性たっぷりだ。


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■初戦の鈴鹿を制するのは?

シーズンオフにテストを重ね、3月上旬、公式テストを終えた今、各チームでは開幕戦・鈴鹿に向けての最終調整が進む。
2年連続で初戦を制しているのは「SC430」なのだが、ニューマシンながら安定性の高さと一発の速さを誇示するGT-Rが、デビューウィンを手にする可能性も十二分にある。常勝ホンダもまた、ライバルの好きにはさせまい。今シーズンも「SUPER GTシリーズ」は三つ巴の戦いを繰り広げることだろう。3月16日、注目の決戦が始まる。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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