ホンダ、内外のレースで必勝を誓う 〜「2008年 ホンダ・モータースポーツ参戦発表会」から

2008.02.22 自動車ニュース

ホンダ、内外のレースで必勝を誓う 〜「2008年 ホンダ・モータースポーツ参戦発表会」から

ホンダ、内外のレースで必勝を誓う 〜「2008年 ホンダ・モータースポーツ参戦発表会」から

本田技研工業は2008年2月21日、今年のモータースポーツ参戦体制を都内のホテルで発表した。

挨拶に臨む、本田技研工業の福井威夫社長。
ホンダ、内外のレースで必勝を誓う 〜「2008年 ホンダ・モータースポーツ参戦発表会」から

■悔しさをバネに

2007年シーズンは、モータースポーツ部門で思ったような成績が残せなかったホンダ。2輪最高峰レースの「MotoGP」ではイタリアのドゥカティにチャンピオンの座を奪われ、常勝の「鈴鹿8耐」もプライベーターのヨシムラに敗北。4輪のF1は、タイトル争いに絡むことすらなかった。
冒頭、挨拶に立った福井威夫社長は、「どちらのカテゴリでも苦戦しました」と神妙な面持ち。「頂点レースは、当事者にとっては修羅場そのもの」としつつ、「困難を克服することで技術者の中に知恵と勇気を育む目的があるのです」と、モータースポーツ活動を続けることの重要性を強調した。
今年も昨年同様に多くのカテゴリに参戦することを宣言したうえで、「悔しさをバネに頑張りたい」と語気を強めた。

当日の会場では、4輪レースの主なものとして、「F1」「インディカー」「SUPER GT」の参戦体制が順に発表された。それぞれの内容は以下の通り。

(写真手前左から)ジェンソン・バトン、福井威夫社長、そしてルーベンス・バリケロ。
(写真手前左から)ジェンソン・バトン、福井威夫社長、そしてルーベンス・バリケロ。
「今シーズンはメンバーも強力だし、楽観しています」と、Honda Racing F1 Teamのニック・フライCEO(写真中央)。
向かって左は、チームプリンシパルのロス・ブラウン氏。右は中本修平テクニカルディレクター。
「今シーズンはメンバーも強力だし、楽観しています」と、Honda Racing F1 Teamのニック・フライCEO(写真中央)。
向かって左は、チームプリンシパルのロス・ブラウン氏。右は中本修平テクニカルディレクター。

■F1世界選手権

F1は、昨年と同じく、ジェンソン・バトン、ルーベンス・バリケロの2名で参戦する。そのバトンは、「マシンは順調に進化している。2008年は楽しみ」と手短なコメント。
会場には、新たにチームプリンシパルとしてホンダに加入したロス・ブラウン氏も姿を見せた。フェラーリで、1999年から6年連続コンストラクターズタイトルの獲得に貢献した人物である。
記者団から「なぜホンダを選んだのか?」との質問が寄せられると、「自分は、チャレンジがしたいのだ。ホンダという会社は、それに見合うハイレベルな情熱を持っている」と、その理由を述べた。
もうひとりのドライバー、バリケロは、かつてフェラーリでブラウン氏と仲間同士。「ロスが加わって、チームの組織力がアップした。心強い限りだ」と満足気な様子だった。

マシンに関しては、「なぜ2007年はスーパーアグリに遅れをとったのか?」という厳しい質問も聞かれた。テクニカルディレクターの中本修平氏は「我々のほうが最終的なポイントは上だったが……」と前置きしつつ、「エアロのセンシティビティなど、アグリより劣ったところがあったと言わざるを得ない」と渋い表情。
ロス・ブラウン氏も、エアロのアップグレードを今シーズンの課題として挙げ、「今年は努力を続けて、まずライバルに並ぶ。チャンスがおとずれる2009年をモノにするつもり」と今後の展望を述べた。

「(現地で最も有名なインディ500よりも)母国のインディジャパンのほうが勝ちたいですね」と、力強く語った武藤英紀。
ホンダ、内外のレースで必勝を誓う 〜「2008年 ホンダ・モータースポーツ参戦発表会」から

■IRLインディカーシリーズ

今年もホンダは、インディで単独のエンジンサプライヤーとなる。
全10チームのどこが勝っても、タイトルは手中に。「そのような温い状況を、メーカーとしてどう考えるのか?」という質問も飛んだが、水面下では大きな動きがあるらしい。
すなわち、ホンダは、アメリカのモータースポーツ界に強力なリーグを形成すべく、1996年に分離したIRLインディカーシリーズとチャンプカーシリーズを合流させる提案をしているという。このほど、同社とトニー・ジョージIRL社長兼CEOの間で会談がもたれたとのことで、「提案は合意に達し、近く発表する段階にある」ことがアナウンスされた。

なお、レース最大の話題は、既報のとおり、日本人ドライバー武藤英紀の初参戦。「現地アメリカでも注目されていると感じます。チャンピオンを狙いたい」と、この日も壇上で気合十分だった。

「日産GT-Rの参戦もあり競争は激しくなるだろうが、今年もタイトルを狙いたい」と、ラルフ・ファーマン(写真左)。右は、新たにチームメイトになる伊沢拓也。
「日産GT-Rの参戦もあり競争は激しくなるだろうが、今年もタイトルを狙いたい」と、ラルフ・ファーマン(写真左)。右は、新たにチームメイトになる伊沢拓也。
4輪部門に先立ち、2輪のモータースポーツ体制も発表された。
最高峰クラス「MotoGP」で戦う、ニッキー・ヘイデン(マシン上)と中野真矢(写真中央)が会場に姿を見せた。
4輪部門に先立ち、2輪のモータースポーツ体制も発表された。
最高峰クラス「MotoGP」で戦う、ニッキー・ヘイデン(マシン上)と中野真矢(写真中央)が会場に姿を見せた。

■SUPER GT

最後は、国内を拠点とするSUPER GTだ。「オートバックスレーシングチームアグリ(ARTA)」「リアルレーシングウィズレオン」「童夢レーシングチーム」「エプソンナカジマレーシング」「チームクニミツ」の5チームから、10台のNSXが参戦。2年連続のチームおよびドライバーズタイトル獲得を目指す。

伊藤大輔に代わって、ARTAで前年優勝車を駆ることになった伊沢拓也は、若手育成プログラム「鈴鹿レーシングスクールフォーミュラ」の出身者。スクールを首席で卒業した過去に質問が及ぶと、「まわりのアドバイスを素直に聞いたのがよかった」「自分が頑張れば、今後、後輩にも道が開かれるでしょう」と2008年シーズンにかける思いを語った。

関係者総出で必勝を誓ったホンダのモータースポーツ部門。レース以外に、今年も「Enjoy Honda SUZUKA(5月10-11日)」や「Honda Racing THANKS DAY(11月24日)」といったファン感謝イベントを開催するとのことである。

(webCG 関)

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