貴重なフランス車がズラリ! 「第33回レトロモビル」開催

2008.02.22 自動車ニュース
今回の主役のひとつ「シトロエン2CV」。
貴重なフランス車がズラリ! 第33回レトロモビル開催

貴重なフランス車がズラリ! 「第33回レトロモビル」開催

毎年10万人が訪れる欧州最大級のクラシックカーイベント「レトロモビル」は、今年で33回目。2008年2月8から17日までパリの「ポルト・ド・ベルサイユ」で開催された。出展者数は約300。今年も希少なレトロカーやレーシングガー、さらに、ユニークなクルマがずらり勢揃いした。


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「パテント・モートルヴァーゲン」
「パテント・モートルヴァーゲン」

■テーマは「女性とクルマ」

今年のテーマは「女性とクルマ」。その象徴的な1台として、1886年、カール・ベンツによって作られた世界初の自動“3輪”車「パテント・モートルヴァーゲン」のレプリカが展示された。

自動車メーカー「ベンツ」の飛躍に貢献したのがベルタ・ベンツ夫人だからだ。1888年、「夫の寝ている間に2人の子供を連れて106kmもテスト走行した」というのは、当時としてはセンセーショナルな出来事であり、彼女は初の女性ドライバーとしても歴史に刻まれたのだ。

レプリカとはいえ、展示車は非常に貴重なもの。にもかかわらず、実走が披露された! これぞヨーロッパのレトロカーイベントの凄いところだ。

また、ダイムラー・メルセデスの誕生に欠かせないのも女性だ。

1901年にダイムラーが作ったレーシングカー「メルセデス」の名前が、当時、ダイムラー車の販売を南仏で手掛けていたエミール・イェリネックの娘の名前だというのは有名な話。今回は初の量産車になった1904年製の「メルセデス・シンプレックス 28/32 HP TOURER」も展示された。

さまざまな2CVがお目見え。これは、ラリーレイド仕様。
さまざまな2CVがお目見え。これは、ラリーレイド仕様。
1928年製の「プジョー・タイプ184」
1928年製の「プジョー・タイプ184」

■フランス車の主役は「2CV」

もう1つ大きな話題として、「シトロエン2CV」の生誕60周年が祝われた。シトロエンは、初出荷されたうちの1台「2CV A ベルリン」「2CV AZAM」、そして1988年にフランスで生産された最後の1台と、計3台を出展した。
そのほか、「2CVクラブ」からは、イエローが鮮かな郵便局仕様の「2CV AZU」、さらに、「ラリーレイド」バージョンや1953年にレース参戦していた「バルケット」バージョンのレプリカなど、ユニークなモデルがお披露目された。

「プジョー」は、ドイツとの国境に近いソショーにある博物館設立20周年を迎えて、1893年から1920年代までの超クラシックカー数台を運び込んだ。特に、最近レストアが終了したばかりの1928年製「タイプ184」は、会場入り口正面に飾られており、その豪華さで人々を魅了していた。

お膝元の「ルノー」と「ミシュラン」は今年ブースを構えなかった。

ホンダ往年の名スポーツカー、「S800」。
貴重なフランス車がズラリ! 第33回レトロモビル開催

■ホンダは60周年の特別展示

日本車も姿を見せた。創業60周年を記念してホンダが特別展示を実施。「S800」や1979年型「シビック」、ナナハンの代名詞だったオートバイ「CB750 FOUR」、トラクター用エンジンなどを展示した。

小スペースながらもホンダの歴史が凝縮されていた。この「S800」は、F1フランスGPの決勝直前に行われる「ドライバーパレード」で過去に佐藤琢磨やジェンソン・バトンを乗せてマニクールサーキットを走行した特別な1台だ。

その他、マリオ・アンドレッティなどが駆った、シャシーNo.7の「フェラーリ312B2」や、1953年のルマン24時間レースや1954年のミッレ・ミリアに出場した「アストン・マーティンDB3S」、当時GTカーとして最強を誇っていたフェラーリGTOに対抗するために作られた1965年の「デイトナ・コブラ」……約750台しか作られていないランボルギーニ「ミウラ」は4台も。無造作に、驚くようなクルマがゴロゴロしていた。

「フェラーリ312B2」
「フェラーリ312B2」
ルマンでその名を馳せた、「アストン・マーティンDB3S」も会場に並んだ。
ルマンでその名を馳せた、「アストン・マーティンDB3S」も会場に並んだ。

■ 5億円のクルマも! “花より団子”のオークション

オークションに出されるクルマやレーシングカーの豪華な品揃えを吟味するも楽しみの一つだ。イギリスの老舗オークションハウス「ボナムズ」が初めて仕切った今年度は、70台が出品された。
古くは1905年の「パナール・ルヴァソール・タイプQ」から、1989年に世界スポーツプロトタイプカー選手権で王者になったジャン=ルイ・シュレッサーが駆った「ザウバー・メルセデスC」まで。

落札予想価格は、最も安いもので、1971年の「ジャガーEタイプ」と1973年の「アルファ・ロメオ・ジュニアZ」の1〜2万ユーロ(約165〜330万円)。最高は1928年のメルセデス「26/120/180 S」というクラシックカーで225万〜325万ユーロ(約3億7000万円〜5億3000円)もするという。
オークションは9日に行われ、3分の2以上が落札されたようだ。

ちなみに、フランスにはおよそ1000のクラブと14万人のコレクター、45万台のクルマが参加するクラシックカー連盟「FEDERATION FRANCAISE DES VEHICULES D’EPOQUE」(フェデラシオン・フランセーズ・デ・ヴェイキュール・デポック)が存在する。
このFFVEの調べによると、コレクターズカーの購入価格は6000〜2万2000ユーロ(約99万〜363万円)がほとんどで、10%ほどは75000ユーロ(約1億2000万円)以上するという。

近年、クラシックカーレースが欧州で大人気なのを背景に、売買も盛んだ。それを受けてか、クラシックカーの販売ブースが例年より多い印象を受けた。

実車以外にも、パーツ専門店や自動車関係の書籍、アート、ミニカーやおもちゃ、オブジェなどのショップも例年通り出展された。こちらをお目当てに訪れる人も少なくないようだ。
が、為替相場の影響なのだろう、ショップスタッフ共通の印象として、「今年はアメリカ人と日本人の姿が激減した」という声が聞かれた。

(文と写真=野口友莉/YUYU)

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