11年ぶりの4シータークーペ「アウディA5」デビュー

2008.02.21 自動車ニュース

11年ぶりの4シータークーペ「アウディA5」デビュー

11年ぶりの4シータークーペ「アウディA5」デビュー

アウディジャパンは2008年2月21日、新型の4シータークーペ「A5」とその高性能版「S5」を発表、同日販売を開始した。

アウディジャパンのドミニク・ベッシュ社長(右)と、A5を担当したアウディAGの和田智シニアデザイナー。
11年ぶりの4シータークーペ「アウディA5」デビュー

■短いオーバーハングと、長いホイールベース

2007年3月のジュネーブショーでワールドプレミアとなった、アウディの新型クーペ「A5/S5」が日本に上陸した。1996年に途絶えた第4世代「A4」に設定されたクーペモデルから、11年ぶりの4シータークーペとなる。
名のとおり「A4」と「A6」の間に位置するモデルであり、ちょうど“A4の全長にA6の全幅”といったディメンションを持つ。なお、後にデビュー予定のセダン/ワゴン「A4」とプラットフォームを同じくする。

フロントマスクにはお約束のシングルフレームグリルが備わり、その両脇にLEDのアイシャドーを付けたヘッドライトが配置された。サイドビューでは短いオーバーハングと長いホイールベースが特徴的。このロングホイールベースはフロントアクスル(車軸)を前方に移設し、実現したもので、A5の最も注目すべきトピックの一つでもある。

A5のエンジンは、可変バルブリフトシステムを新たに採用した3.2リッターのV6DOHC FSI(直噴)ユニット(265ps、33.7kgm)。ハイパフォーマンスバージョンであるS5には、4.2リッターV8エンジン(354ps、44.9kgm)が搭載される。いずれも6段のティプトロニックATを介し、クワトロシステムで4輪を駆動する。

価格はA5が695.0万円、S5が861.0万円となる。アウディジャパンでは2008年中に700台の販売を計画する。


11年ぶりの4シータークーペ「アウディA5」デビューの画像

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■メリットの多いフロントアクスルの移設

A5のディメンションは、全長×全幅×全高=4625×1855×1375と、ライバルと目される「BMW3シリーズクーペ」に較べ、全長、全幅ともに大きく、若干背が低い。
さらにパワートレインレイアウトを変更することで、ホイールベースは2750mmとなり、現行「A4」より105mmも延長された。
具体的には、フロントアクスルディファレンシャルをクラッチの前方に配置し、ドライブシャフトとフロントホイールを前方に移動した。これはA8で採用した手法でもあるデザイン、居住性、さらには走行性能や乗り心地にも大きく影響する。

ショートオーバーハングや強調されたショルダーライン、2ドアのクーペボディという非常にスポーティな外観同様、インテリアもドライバーよりに傾いたセンタコンソール、ステアリング裏の変速用パドルなどスポーティにまとめられた。
同時に、電装品を操作するMMI(マルチメディアインターフェース)や、スイッチとなったサイドブレーキなど、上級車種同様のラクシャリーな装備も与えられる。

S5との外観上の違いは微細だが、グレーのラジエータグリルや4本出しのエグゾーストエンド、アルミルックのドアミラーハウジングなどで判別ができる。
ハンドル位置はA5が右、S5は左右を選択可能。


11年ぶりの4シータークーペ「アウディA5」デビュー

■3.2リッターは可変バルブリフト付き

A5に搭載されるエンジンは3.2リッターV6DOHCユニット一本。「TT」に搭載される3.2とは異なり、エンジン直噴に加え、アウディバルブリフトシステムと称される可変バルブリフト機構が採り入れられたもので、「A6」に搭載される2.6リッターユニットの拡大版といえよう。最高出力は265ps/6500rpm、最大トルクは33.7kgm/3000-5000rpmを発生する。
一方、S5に積まれる4.2リッターV8DOHCは、こちらも直噴で354ps/7000rpm、44.8kgm/3500rpmのアウトプット。

いずれのエンジンにも、6段のティプトロニック付きオートマチックトランスミッションが組み合わせられる。

駆動方式はA5、S5ともに、いわずとしれたフルタイム4WD「クワトロシステム」を採用。本国にラインナップするFFモデルは日本市場には投入されない。前40/後60のトルク配分を基本とし、走行状況に応じて変化させる、RS4などと同様のダイナミックな設定とされる。

デザインの説明は和田シニアデザイナーが実車にテープを貼り行われた。「A5では手のプロセスを重視した仕事をした」という。
11年ぶりの4シータークーペ「アウディA5」デビュー

■新機軸「アウディドライブセレクト」を採用

新設計となるフロントサスペンションは5つのリンクを持つマルチリンク。リアはトラペゾイダル(台形の意)リンクと呼ばれるダブルウィッシュボーンに似たレイアウトが採用された。軽量、高剛性をウリとし、乗り心地や走行安定性などの向上に貢献するという。ダンパー&スプリングは、スポーティなチューニングが施されたもの。

ステアリングギアボックスは従来の「A4」より前方底部に位置し、操舵力を直接伝達することにより、軽快なハンドリングを実現したと謳われる。パワステには、速度に応じてアシスト力が変化するサーボトロニックが標準装備された。

なお、オプションで(S5は標準)「アウディドライブセレクト」を選ぶと、手動でダンパーの減衰力や、ATのプログラム、エンジンレスポンスを調整することができる。「オート」「コンフォート」「ダイナミック」の3つのプリセットされたモードの他、「インディビデュアル」というオーナーの設定したカスタムモードも存在する。
アウディドライブセレクトには、同時にステアリングギア比が可変となる、ダイナミックステアリングも含まれる。


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トランクルーム容量は455リッター(VDA法)。
トランクルーム容量は455リッター(VDA法)。

■追加センサーで正確なエアバッグ作動

安全装備として、前席用の2ステージエアバッグ/サイドエアバッグ、4名分のヘッドエアバッグが室内に備わる。ヘッドライト下に2個のセンサーを追加することで、従来より正確にエアバッグを作動させることができるという。
ABSやトラクションコントロールを制御し車両安定性を高めるESPは、トラクションコントロールオフ/全オフの2段階に分けて解除することもできる。
その他、雨天時に自動的にディスクを乾かす「ブレーキディスクワイパー」、旋回時にライティング方向を変える「キセノン アダプティブヘッドライト」なども標準で採用される。

キーレスエントリーができ、プッシュボタンでエンジンスタートさせる「アドバンスドキーシステム」には、インロックを防ぐ「インテリジェントサーチ」機能が与えられた。
その他快適装備として、地デジ(12セグ)対応のテレビチューナー、アウディオリジナルのDVDナビ、iPodなどのミュージックプレイヤーが接続できるAMI(アウディミュージックインターフェースも標準で備わるほか、オプションではバング&オルフセンの14スピーカーサウンドシステムを選ぶこともできる(S5は標準)。

(webCG 本諏訪)

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