第61回:【Movie】そしてフィットは散った 〜クラッシュテストの現場から

2008.02.08 エディターから一言

第61回:【Movie】そしてフィットは散った 〜クラッシュテストの現場から

“ホンダ・フィットが、モッタイナイことになる催し(!?)”を見学するため、茨城県つくば市の実験施設に行ってきました。

スタジオで撮影されるモデルのようにライトアップされた「フィット」。このあと、見るも無残な姿に……
スタジオで撮影されるモデルのようにライトアップされた「フィット」。このあと、見るも無残な姿に……
衝突試験が実施された、つくば市の日本自動車研究所。
衝突試験が実施された、つくば市の日本自動車研究所。
施設の入り口では、ダミー一家がお出迎え。
施設の入り口では、ダミー一家がお出迎え。

潰しましょう、みんなのために

「ホンダ・フィットをクラッシュさせます。見に来てね♪」

……ってこと?


「自動車アセスメント公開及び追突事故時の頸部保護性能試験導入のための調査試験公開のご案内 (試験車:フィット)」
という取材のご案内をいただいた。

興味津々。

ご存知、新型「フィット」は、2007年10月に出た売れ筋のコンパクト。個人的には発表会や試乗会に参加したし、親がポーンと買っちゃった(!)し、親近感アリアリだ。
安全性? そりゃ、気になるじゃないですか。ブツけるところ、ナマで見たいじゃないですか……
なんて私情はおいても、「日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車」のクラッシュテストは、一見の価値がある(はず)。

かくして2008年2月1日、茨城県つくば市にある日本自動車研究所(通称:JARI)に足を運んだ。

テストを実施するのは、国土交通省と自動車事故対策機構(通称:NASVA)のコンビネーション。前者はおなじみ。後者はユーザーの立場で自動車の安全性をチェックする独立行政法人です。
1995年から、世に出た新車を持ち込んでは衝突実験を繰り返し、クルマの状態や乗員(ダミー人形)への影響を調査、評価、そして世間に公開してきた。日本国民が、より安全なクルマを選べるように。日本メーカーが、より安全なクルマを作るように。

不気味にライトアップされた、アルミハニカム材の衝突壁。ここに試験車が64km/hで突っ込む!
不気味にライトアップされた、アルミハニカム材の衝突壁。ここに試験車が64km/hで突っ込む!
テスト直前、各種センサーを取り付ける、の図。報道陣も緊張の面持ちで見守る。
テスト直前、各種センサーを取り付ける、の図。報道陣も緊張の面持ちで見守る。
側面衝突に使われる、950kgの台車。アルミハニカム材の弾頭付き。横向きの試験車に55km/hの速度でぶつかる。
側面衝突に使われる、950kgの台車。アルミハニカム材の弾頭付き。横向きの試験車に55km/hの速度でぶつかる。

2008年は、15車種をテストする予定だそう。いろんな方向からブツけてデータを採るので、各車最低3台ずつ、計45台が必要になる。例年の「スクラップ代」は、だいたい1億円前後。アセスメントの年間予算=5億円弱の約20%を占めるそうな。
なお、クルマの調達は、「抜き打ち」方式。職員のかたが素知らぬ顔でディーラーから買ってきて、そのままテストにかけるという。
まるでグルメガイドの「ミシュラン」のよう。評価方法も“★付き”だし。

その甲斐あってか、1995年に4500人以上だった自動車乗員の年間死者数は、2003年には3000人程度にまで減少。「アセスメントの効果だけを純粋に見積もっても、この8年間に1900人ほどが助かったと思われます」。当局の事前講義にも力がこもった。

啓蒙活動って、大事だなぁ。


などと感心しているうちに、“その時”は、やってきた。

目の前には、ライトアップされた衝突壁。遠く向こう、米粒みたいに見えるのが、ホンダ・フィットかな? こっちを向いて発射オーライ……
あぁあぁ勿体ない。ウチのフィットはまだ納車待ちなのに……

などと憂いでいるうちに、秒読みが始まった。
「ゴー、よん、サン、にぃ、イチ……スタート!」

見たいような、見たくないような
クラッシュテストの様子は、動画で!

第61回:【Movie】そしてフィットは散った 〜クラッシュテストの現場から

このテスト結果は、2008年4月20日以降、「NASVA」のウェブサイトで公表される予定とのこと。ほか色んなクルマのテストデータなどチェックしながら、成績発表を待とうではありませんか!

(webCG 関顕也)

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