混乱と喧噪、希望と不安の中でのスタート【デトロイトショー08】

2008.01.15 自動車ニュース
まだ人出が少なかった初日のコボ・ホール。
混乱と喧噪、希望と不安の中でのスタート【デトロイトショー08】

【デトロイトショー08】混乱と喧噪、希望と不安の中でのスタート

北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)が2008年1月13日、米ミシガン州デトロイトで開幕した。今回は、ガソリン価格高騰や環境問題などにより、燃費性能を重視したクルマの展示が目立った。

そのコボ・ホールの前を埋め尽くした120頭の牛とカーボーイ。古き良きアメリカを象徴すべく、クライスラーは新型「ダッジ・ラム」をこの牛の群とともに発表した。
混乱と喧噪、希望と不安の中でのスタート【デトロイトショー08】

ブルー、エコ、ハイブリッド、ディーゼル、バイオ、クロス、クーペ、スモール、そしてやっぱりパワー、例年より1週間遅れて1月中旬にオープンした2008年デトロイトショーことNAIAS(North American International Auto Show)では、現代の自動車状況やマーケット・トレンドを巡るあらゆる言語が飛びかわった。

高騰を続けるガソリン価格、それに大きな打撃を受けているビッグスリーの不振、サブプライムローン崩壊に端を発する社会全体の景気後退不安、さらにはアル・ゴアのノーベル賞受賞からか、それとも大統領選を控えているためか、突如アメリカもわがことと気が付き始めた温暖化対策、それらの社会の大きな変容が、決して広いとはいえない会場、コボホールを直撃した。

2008年のデトロイトショーは地味になるだろう。開催前はそんな観測もあった。この土地を実質的に支配している旧ビッグスリーの凋落が激しいのに加え、一方でロサンジェルス、ニューヨークなど、実際のマーケットで行われるショーの方に輸入車メーカーが力を入れ始めたこともあって、デトロイトショーの価値や意味が問われているからだ。
実際にポルシェは今年は出展をやめたし、日産やレクサスなどはプレスコンファレンスを開かなかった。

だから寂しいショーになるだろうという事前の予想とは裏腹に、本家のアメリカメーカーは例年どおり、派手な演出とともに現実的か非現実的かを問わず、様々なコンセプトカーを登場させ、さらにもうすこしは真面目なニューモデルを送り込んだ。むろんこれに、日本やヨーロッパのメーカーも真っ向から対抗し、これまた大小様々なクルマから、流行のクロスや屋根の低いクーペまでを送り込んだ。

さらに国籍、メーカー関係なく、どこのスタンドもブルーやグリーンのシンボルカラーに彩られ、あちこちにハイブリッド、バイオ、燃料電池、ディーゼルの文字が埋め尽くされた。

そして新車間を、プレスコンファレンスごとに、多数の報道関係者が津波のように移動していた。その中についに日本を追い抜いて巨大な自動車市場となった、中国からきたプレスやエンジニアの顔が異常に多く見られた。不安と期待と、喧噪と混乱の中で、ともかくも2008年の自動車戦争、環境戦争はスタートしたのである。

(文と写真=大川悠)

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