トップ > インプレッション >スバルBRZ R(FR/6MT)/BRZ S(FR/6AT)【短評】 (2012.2.8)
スバルBRZ R(FR/6MT)/BRZ S(FR/6AT)【短評】
【スペック】BRZ R:全長×全幅×全高=4240×1775×1300mm/ホイールベース=2570mm/車重=1210kg/駆動方式=FR/2リッター水平対向4DOHC16バルブ(200ps/7000rpm、20.9kgm/6400-6600rpm)/価格=247万8000円(テスト車=同じ)

楽しめるかは乗り手次第

スバルBRZ R(FR/6MT)/BRZ S(FR/6AT)【短評】

スバルBRZ R(FR/6MT)/BRZ S(FR/6AT)
……247万8000円/302万9250円

重心の低さをウリにする、スバルの新型スポーツカー「BRZ」が登場。その走りはどれほどのものなのか? MT車とAT車、両モデルで試した。

「スバルBRZ」は、富士重工業とトヨタ自動車が共同開発したスポーツカー。デザインはトヨタが、開発と製造は富士重工が担当し、販売は両社それぞれが行う。
スバルBRZ R(FR/6MT)/BRZ S(FR/6AT)【短評】
写真は「BRZ」のパワートレインを示すスケルトンモデル。真横から見ると、エンジン(写真左側)の搭載位置の低さがわかる。中央のプロペラシャフトを介して、後輪を駆動。スバルでは珍しいFR車である。
スバルBRZ R(FR/6MT)/BRZ S(FR/6AT)【短評】
車名の「BRZ(ビー・アール・ゼット)」が意味するところは、「ボクサーエンジン(Boxer)を積む、後輪駆動(Rear drive)の、究極(Z)のスポーツカー」。
スバルBRZ R(FR/6MT)/BRZ S(FR/6AT)【短評】

大いに気になるパワーユニット

「スバルBRZ(ビー・アール・ゼット)」は、兄弟車「トヨタ86」とともに今春一番の話題を提供するモデルである。久々の新型スポーツカー登場とあって、市場からの期待が大きいのは当然、常に公平な目でクルマを見なければならないわれわれとて、つい熱っぽく扱ってしまう傾向がある。

筆者は現時点でトヨタ86には乗っていないが、スバルBRZに短時間ながら試乗する機会を得た。そこで努めて冷静に観察するために、短時間でチェックすべき項目を洗い出して、試乗会場となったツインリンクもてぎに赴いた。
スポーツカーはまず何をおいても「乗って楽しいか、面白いか」が問われるもの。その判断材料として、エンジンやギアボックスの特性、ステアリングの感触、操縦安定性(アンダーステア/オーバーステア)と、少ない項目に限りながら、しっかり観察することにした。

メーカーによれば、「BRZ」の商品コンセプトは「水平対向エンジンの持つ低重心、軽量、コンパクトという特徴を生かした、安心して気軽に楽しさを体感できるスポーツカー」。
しかし、水平対向ユニットそのものに対しては、筆者は少し異なる意見を持っている。確かに水平対向エンジンは一見して燃焼室やピストンが低い位置にあるように見える。しかし回転する中心軸のクランクシャフトは、比較的高いところにある。塊として見た静的な重心そのものの位置は低いかもしれないが、動的な状況における“高さ”に着目すると、高回転領域ではジャイロトルクは軽視できない。この回転軸はスロットル・オン/オフ時に姿勢変化に影響するものであり、実際に体感できる重心高は、期待ほど低いものになりはしない。この点は、より大きな水平対向12気筒エンジンを搭載した(そして消滅してしまった)、かつての「フェラーリ・テスタロッサ」とて同じである。

さらにギアボックスはこのクランクシャフトと同軸にあり、後方の低い位置にあるデフとつながるために、後ろに向かって大きく傾斜する。
せっかく新設計するのであれば、ギアボックスにも新しいアイデアを投入、アウトプットの軸を一段低くするなどして水平にマウントするなどの工夫が見たかった。ちなみに往年の「トヨタ・パブリカ」(水平対向2気筒のFR車)や「トヨタ・スポーツ800」はそうなっていた。
ギアボックスが斜めになれば、潤滑オイルには角度をもって満たされることになる。もちろんそれなりの対策は講じられているだろうが、オイル量の増加などでフリクションは多くなる傾向にある。

「BRZ」の試乗会場では、そのこだわりである重心高に関する展示も見られた。
スバルBRZ R(FR/6MT)/BRZ S(FR/6AT)【短評】

最近のチューニング技術をもってすれば、ハンドリング性能の向上のためには、必ずしも重心高にこだわる必要はない、とも言える。ポルシェのSUV「カイエン」や実用車ベースのラリー車などをみても分かるように、相対的にロールセンターの高さを重心高に近づければよいことで、それはハイパフォーマンスカーのホイール径がどんどん大きくなっている理由のひとつでもある。

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