気筒休止制御がさらに進化、「ホンダ・インスパイア」フルモデルチェンジ

2007.12.19 自動車ニュース

気筒休止制御がさらに進化、「ホンダ・インスパイア」フルモデルチェンジ

気筒休止制御がさらに進化、「ホンダ・インスパイア」フルモデルチェンジ

本田技研工業は2007年12月19日、上級セダンの「インスパイア」をフルモデルチェンジし発表。12月21日から販売を開始する。

インスパイア発表会と同時に、本田技研工業の福井威夫取締役社長による、年末社長会見も行われた。
2007年の世界販売台数(四輪)は過去最高を記録しつつ、国内販売は前年割れという報告とともに、2008年は4車種の新型車投入が明言された。
気筒休止制御がさらに進化、「ホンダ・インスパイア」フルモデルチェンジ

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■“ドライビングの歓びと快適”の新境地

「アコード」の派生車種「アコード・インスパイア」として始まり、その後独立車種としての設定を受けた「インスパイア」。2003年6月に4代目が発表され、フルモデルチェンジを受けて5代目を迎えた。

今回のターゲットは「子育てが終わった夫婦」。若い頃に「プレリュード」で運転を楽しみ、家族とともに「オデッセイ」に乗り、子供が離れて再び運転が楽しめるクルマを……、という筋書きである。すなわち新型「インスパイア」の開発に際しては、ドライビングが楽しめ、かつ上質で心地よい移動が体感できる、“ドライビングの歓びと快適”の新境地を目指したとされる。

地味な存在のセダンながら、ハイテク運転支援機能「HiDS(ホンダインテリジェントドライバーサポートシステム)」の標準装備(一部グレード)や、「可変シリンダーシステム」を持つ気筒休止エンジン、追突被害を軽減する「ホンダ・プリクラッシュ・セーフティ・テクノロジー」などの先進技術を満載してデビューした先代同様、今作も、さらに進化したエンジンや新しいボディ構造などをひっさげての登場となった。

その目玉となるエンジンは、排気量を3.5リッターに拡大。走行状況に応じ、3気筒、4気筒、6気筒に使い分けられる進化型の可変シリンダーシステム(VCM)を持つ。組み合わされるトランスミッションは5段ATのみ。

価格は35TLが330.0万円、30iLは390.0万円。月間の販売目標台数は500台と設定される。

写真はオプションのレザーインテリア。
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■セダンでの広さを追求したインテリア

先代同様、北米版の「アコード」がベース。ディメンションは全長×全幅×全高=4940(先代後期モデル比+85)×1845(同+25)×1475(同+20)mm、ホイールベースは2800(同+60)mmと、大きくサイズアップした。

エクステリアデザインは、しっかりした3ボックス形状が意識された。サイドの強いラインや、張り出したフェンダーなどで力強さなどを表現したという。
インテリアでは、全乗員がゆとりを感じる広さの実現が謳われる。フロア構造の見直し(低床化)やホイールベースの延長により、前後席間、左右乗員間がそれぞれ広げられ、同時に荷室長も拡大された。前席シート形状の見直しや、大型のセンターアームレストの設置など、後席乗員の視界も広くするなどの工夫もなされる。

カタログ記載の10・15モード燃費は9.8km/リッター。
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■3モードの気筒休止システムに進化

従来の3リッターV6に代わり、インスパイアに搭載されるボア89.0×ストローク93.0mmの3.5リッターV6ユニットは、上級「レジェンド」由来のもの。しかしこちらはレギュラーガソリン仕様で、最高出力280ps/6200rpmと最大トルク34.9kgm/5000rpmを発生する。
組み合わせられるトランスミッションは5段オートマチック。

先代モデルで初採用された、片バンク休止の「可変シリンダーシステム」は、今回さらに進化した。V6ユニットは片バンクの3気筒モードだけでなく、両バンク1気筒ずつを停止する4気筒モードの、計3つの燃焼モードを持つ。加減速や定常走行などの走行状態に応じて、それぞれ最適なモードを選択することで、燃費性能向上に寄与する。

気筒休止時のノイズを抑制するために、エンジン振動を予測して吸収する「アクティブコントロールエンジンマウント」を備え、車内では、エンジンのこもり音をスピーカーからの音で相殺させる「アクティブノイズコントローラー」も継続採用される。


気筒休止制御がさらに進化、「ホンダ・インスパイア」フルモデルチェンジ

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■多くのメリットがある「インナーフレーム構造」

“ドライビングの歓び”を具現するため、走りの面でもさまざまな改良が施された。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアには新開発のマルチリンクタイプのダブルウィッシュボーンが採用され、ジオメトリー剛性の向上に貢献。エンジンとトランスミッションのマウントを見直すことで、低重心化を図るとともに、フロント/リアともにロールセンターを上げ、ロール量が抑制される。

ステアリングギアには、「オデッセイ」などにも採用される、機械式の可変ステアリングギアレシオVGRを取り入れた。「S2000」に採用される車速応動型VGSとは違い、舵角に応じてレシオが変化するもので、中立付近ではスロー、大舵角ではクイックになるなどの設定がされる。ロック・トゥ・ロックは2.5回転。

ボディは、ねじり剛性20%アップなどを果たした高剛性化が図られるとともに、フロアまわりでは新たに「インナーフレーム構造」が採り入れられた。これは、通常フロアパネル下にあるフレームを室内に配置することで、衝突時にメリットがある高強度部材が使えるようにしたというもの。さらにこの構造によって、低床化はもちろん、アンダーパネルがフラット化されることによる空力性能向上の恩恵もさずかった。

VDA法で510リッターという荷室容量。トランクリッド開口幅は従来モデルから拡大された。
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■材料のクリーン化も昨今のトレンド

安全面では、前席エアバッグに加え、サイドカーテンエアバッグも標準装備。アンチスピンデバイスのVSAも全グレードに与えられる。
先代でも採用された、ミリ波レーダーを用いた車速・車間制御をする「AAC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」は上級グレードに備わる。衝突時に歩行者を保護するため、ワイパーが脱落しやすい構造を採るなど、細かい進化も見受けられる。

前席パワーシート、左右独立フルオートエアコン、リアサンシェイドなどは上級セダンとして当然の快適装備。上級グレードにホンダHDDインターナビシステムが、ベーシックグレードには6連奏CDチェンジャー+AM/FMチューナーのオーディオがそれぞれ与えられる。

低VOC(揮発性有機化合物)を意識したインテリアや、リサイクル材の使用など、材料のクリーン化が図られるとともに、使われる樹脂部品のリサイクル性を高めるなど、環境対策がなされるのは昨今のトレンドどおり。

(webCG 本諏訪)

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