最終第16戦、ローブが史上最多の4連覇達成! PWRCタイトルは新井の手に【WRC 07】

2007.12.03 自動車ニュース

【WRC 07】最終第16戦、ローブが史上最多の4連覇達成! PWRCタイトルは新井の手に

2007年世界ラリー選手権(WRC)第16戦「ラリーGB」が11月30日〜12月2日、イギリス南西部のカーディフを舞台に開催された。サービスパークはカーディフから西に約60kmの距離に位置するスワンジで、その周辺の山脈にステージを設定。いずれも高速セクションを主体とした林道グラベルで、ラリーウィークは雨天&マディなコンディションのなか、激しいタイム争いが展開された。

そのなかで終止安定した走りを披露したのが、フォードのセカンドドライバー、ミッコ・ヒルボネンで今季3勝目を獲得。今季限りで引退するフォードのエース、マーカス・グロンホルムは2位入賞を果たしたものの、ランキング首位につけるシトロエンのエース、セバスチャン・ローブが3位入賞を果たし、4年連続でチャンピオンに輝いた。

■フォード勢、ワンツーなるも……

今大会で最も注目を集めたのが、ランキング首位に立つローブと6ポイント差で2位を走るグロンホルムのタイトル争いだった。

しかし、「優勝よりタイトル獲得を優先したい」とローブが、「優勝してもセバスチャン(ローブ)が上位に食い込んでくるからタイトル獲得は難しい。きちんとフィニッシュするためにもリスクを避けたいね」とグロンホルムが語ったように、両ドライバーとも走りをセーブ。結局、初日に抜け出したヒルボネンが最後までトップをキープし、今季3勝目を獲得した。

グロンホルムは2位でフィニッシュし、「今年は大きなトラブルもなく、タイトル争いを最後まで楽しむことができたからね。本当にいいシーズンだったよ」。ローブは3位に入賞し、1996〜99年のトミ・マキネンに並ぶドライバーズ部門4連覇を達成した。

■スバル復活は今年もおあずけ

スバル勢は、10月1日に新規ホモロゲーションを取得。ステアリングアームとフロントセクションのロールケージを一新し、初投入のジャパンではダンパーのトラブルを経験した。今回のGBではその対策を行なっていたのだが、またしても苦戦を強いられた。
タイトル争いの渦中にあるローブ、グロンホルムらがペースを落としたことから、エースのペター・ソルベルグが2回にわたって3番手タイムをマーク。レグ1からポジションを守り抜き4位でフィニッシュするものの、トップのヒルボネンに約3分も引き離された。セカンドドライバーのクリス・アトキンソンも7位に低迷。スバルの復活はまたしてもお預けとなった。

■新星ラトバラ、好タイムを連発

一方、スバル勢とは対照的に素晴らしい走りを披露したのが、ストバート・フォードのヤリ-マティ・ラトバラだ。
レグ1の最終ステージ、SS6でワイパーが故障、リスクを避けてマシンを止めていたのだが、再出走を果たしたレグ2では7本中6本、レグ3では4本中4本のステージでベストタイムをマーク。スーパーラリー・システムの適用で5分のペナルティを受けたことから、総合リザルトは10位に留まっているものの、そのスピードがトップレベルにあることを改めて実証した。
2008年はグロンホルムに代わってフォード・ワークスへの昇格が噂されているだけに、来季はローブ、ヒルボネンとともにトップ争いに加わることだろう。

■スズキSX4は2度目のチャレンジ

第14戦のコルシカでデビューを果たしたスズキが最終戦のGBに登場。ターマックスペシャリストのニコラ・ベルナルディからグラベルを得意とするセバスチャン・リンドホルムにドライバーをスイッチし、SX4WRCで初のグラベル戦にチャレンジしたのだが、またしても苦戦を強いられることとなった。

シェイクダウンでいきなり水温計が上昇、冷却系のトラブルでマシンを止めるなど波乱含みの幕開けとなるなか、翌日のレグ1でも予想外のハプニングが発生。SS1で31番手タイムと出遅れていたリンドホルムはSS2でブレーキホースを破損し、18番手タイムに低迷するほか、SS3でついにマシンを止めることとなった。
翌日のレグ2に再出走を果たすものの、この日もSS8の15番手タイムが精一杯という状況で、さらにレグ3でもペースが上がらず最終的には26位で完走。ステアリングを握るリンドホルムによれば「ハンドリングは良くなってきたけど、まだまだトラクションが足りない」と語っているだけに今後の熟成に期待したいものだ。

■PWRCは新井敏弘が2度目の王座に!

同時開催のPWRC第8戦では、このラリーをスキップしたランキング首位の新井敏弘(スバル)、そしてランキング2位で追うカブリエル・ポッゾ(三菱)のタイトル争いが注目された。

勝てば逆転でタイトルを獲得できるポッゾがレグ1でコースアウト。そのままリタイアを喫したことから、新井がフィニッシュを待たずして、2005年以来、2度目のタイトルを獲得した。
ラリーのほうは、主催者推薦枠でスポット参戦を果たしたガイ・ウィルクス(三菱)、グインダフ・エバンス(三菱)、そして第2戦のメキシコを制したマーク・ヒギンズ(三菱)ら地元ドライバーが序盤から激しいトップ争いを展開した。
レグ1でヒギンズ、レグ2でエバンスがコースアウトを喫し、トップ争いから脱落。PWRC初参戦のウィルクスが初優勝を獲得し、ユホ・ハンニネン(三菱)が2位、ヒギンズが3位で表彰台を獲得した。

(文と写真=廣本泉)

最終戦を制した、フォードのミッコ・ヒルボネン
最終戦を制した、フォードのミッコ・ヒルボネン
有終の美は飾れなかったグロンホルム。2000年と2002年の王者(プジョー)である。
有終の美は飾れなかったグロンホルム。2000年と2002年の王者(プジョー)である。
ローブは3位フィニッシュでタイトルを手中に。
ローブは3位フィニッシュでタイトルを手中に。
最終第16戦、ローブが史上最多の4連覇達成! PWRCタイトルは新井の手に【WRC 07】の画像
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最終第16戦、ローブが史上最多の4連覇達成! PWRCタイトルは新井の手に【WRC 07】の画像
PWRC初参戦にして初優勝を獲得した、ガイ・ウィルクス組。
PWRC初参戦にして初優勝を獲得した、ガイ・ウィルクス組。

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