大型ハイブリッド車ブーム、北米に到来か!?

2007.11.22 自動車ニュース
「シボレー・タホ・ハイブリッド」
大型ハイブリッド車ブーム、北米に到来か!?

大型ハイブリッド車ブーム、北米に到来か!?

2007年11月16日から一般公開されたロサンゼルスモーターショーで、GMの「シボレー・タホ・ハイブリッド」が「グリーン・カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。

■ハイブリッドのオンパレード!?

「シボレー・タホ・ハイブリッド」は、GM/ダイムラー/BMWが共同開発を進めてきたツーモードハイブリッド・トランスミッション搭載の量産第一号車である。5.3リッターV8エンジンに2つの電気モーターを組み合わせたFR車だ。
アイドルストップ状態から20km/h強までEVモード走行し、高速巡航の際はV8の片バンクが休止する。市街地とハイウェイでの合算燃費は、ノーマルのNAモデルに比べ、約30%改善。EPA(米国環境保護庁)の実験燃費値では、市街地で約8.9km/リッターだという。

これとプラットフォーム/パワーユニットを共用するGMのクルマ、すなわち、「キャデラック・エスカレードハイブリッド」「シボレー・シルバラード(フルサイズピックアップトラック)ハイブリッド」「ユーコンハイブリッド」も展示された。
タホハイブリッドは、すでに全米で発売されており、上記ほかのクルマも2008年中に随時発売される。

GMはこの他、独「オペル・ベクトラ」の兄弟車でFFの「サターン・アローラ」「シボレー・マリブ」にもハイブリッド車を投入。さらに、エタノール含有量85%の「E85」に対応するFFV(フューエル・フレックス・ビークル)についても適応車種を増加させている。

■乗り換えるしかない……

現在、アメリカ国内のレギュラーガソリン価格は、(地域での価格差が多少あるが)1ガロンあたり3ドル強(=約87円/リッター)。これは、過去5年間でみると、4倍近い値上がりだ。

こうした状況で、北米市場全体としては、米国系大型SUVから日系Dセグメントセダン(カムリ、アコードなど)、さらに、Cセグメントセダン(シビック、カローラ、アルティマ、マツダ3、インプレッサ、ランサー)へのダウンサイジングが始まっている。
米ビック3では、このセグメントで日本車に対抗できるモデルの開発が遅れている。そのためGMとしては、ハイブリッド車事業で先行しているトヨタを追撃するため意味も含めて、GMが得意分野とする大型乗用トラック/SUVでのエコ戦略を第一としているのだ。


大型ハイブリッド車ブーム、北米に到来か!?の画像
「シボレー・タホ・ハイブリッド」の運転席まわり(写真上)とエンジンルームの様子。
「シボレー・タホ・ハイブリッド」の運転席まわり(写真上)とエンジンルームの様子。

■大きなハイブリッド車に注目

筆者は先日、GMのシボレー・タホ・ハイブリッドに試乗した。その走行感覚は、これまでのトヨタ・ハイブリッド車や、フォード・エクスプローラーハイブリッドなどとは、全く異質なものだった。

減速する際、ブレーキのタッチに回生ブレーキの違和感は全くない。
最も違うのは、ガソリンエンジンが働いている状態から減速して約20km/h以下になると、EVモードに戻ってしまうこと。これまでのハイブリッド車は、減速しても一旦停止して、アイドルストップ状態にならないとEVモードには戻らなかった。だが、動力系からの負荷がいきなりなくなるような違和感はなく、路面へのトラクションは安定したまま。
アメリカEPAの実験燃費値が「CITY」と「HIGHWAY」に分かれていることから、GMではニューモデルの機構を「ツーモードハイブリッド」と呼ぶのだが、走らせてみると「EVモード」と「エンジンモード」の意かと思ってしまうほど印象的だ。

今後、この手のツーモードハイブリッドは、メルセデス・ベンツの「S400ブルーテックハイブリッド」「ML450ハイブリッド」、BMWの「X6ハイブリッド」など、高級大型乗用車両で量産化が決定している。
アメリカでのダウインサイジングのトレンドに、ハイブリッド車が歯止めをかけられるか、注目される。

(文と写真=桃田健史(IPN))

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