【スペック】全長×全幅×全高=4950×1970×1925mm/ホイールベース=2850mm/車重=2500kg/駆動方式=4WD/4.7リッターV8DOHC32バルブ(288ps/5400rpm、45.7kgm/3400rpm)/価格=540万円(テスト車=632万5050円)(M)

トヨタ・ランドクルーザー AX“Gセレクション”(4WD/5AT)【ブリーフテスト】

トヨタ・ランドクルーザー AX“Gセレクション”(4WD/5AT) 2007.11.20 試乗記 ……632万5050円
総合評価……★★★★

およそ9年ぶりのフルモデルチェンジとなったトヨタの本格クロスカントリーモデル「ランクル」。新装備を備え、ひとまわり大きくなったニューモデルに試乗した。

桃源郷

「このダンナ感がいいんだよね」というスタッフのひとことから、4人の男が乗った新型「トヨタ・ランドクルーザー」通称ランクルの車内は「ダンナ論」でしばし盛り上がってしまった。

ダンナ。それは昨今の雑誌でカッコよく描かれているオヤジやパパとは違う。仕事を終えて家に帰り、ナイター中継見ながらビールで晩酌しているようなオジサン。映画『三丁目の夕日』のシーンみたいだけれど、ある程度以上の年齢の、ふだんオヤジやパパを演じている日本人にとって、心の底から気持ちいいと思うのは、実はこういう瞬間であるはずだ。
ランクルでの巡航はそんな、くつろぎのひとときにあふれていた。以前の試乗記にもあるように、このクルマの悪路走破性は世界最高峰にあるといっていい。それでありながら舗装路では最上の快適性。いやさらに一歩踏み込んで、乗り手の身も心も解きほぐしてくれる。

かつてはおおらかな乗り物の代名詞だったSUVも、最近はヨーロッパのプレミアムブランドの手で、エモーショナルでスポーティな乗り物に姿を変えつつある。それが世界の潮流なのかと、自分を合わせようとしてきた。だからこそランクルに乗って、家に戻ったような気持ちになれたのだろう。カッコつけられるのはインポートモノかもしれないが、ホッとできるのはこちらだと。
平和なニッポンのダンナがそう思ってしまうのだから、止まったら命を落とすような過酷な状況では、最強の信頼性に裏打ちされた極上の快適性が桃源郷に思えるはず。アフリカからシベリアまで、世界中の荒野でランクルが愛される理由が、少しだけわかったような気がした。

自動車ジャーナリストの森口将之(M)
自動車ジャーナリストの森口将之(M)
(M)
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