第9戦ファイナル、大どんでん返しで松田次生がチャンピオン獲得!【FN 07】

2007.11.19 自動車ニュース
【FN 07】第9戦ファイナル、大どんでん返しで松田次生がチャンピオン獲得!

【FN 07】第9戦ファイナル、大どんでん返しで松田次生がチャンピオン獲得!

一度は手から滑り落ちた王者の座が松田次生のもとに戻ってきたのは、ゴールから2時間半も経過してからだった。
独走でチェッカーを受けてタイトルを獲ったかに思われた小暮卓史は、レース後の再車検でまさかの失格。代わって2位でフィニッシュした本山哲が繰り上げ優勝。このレースで4位となった松田がドライバーズポイントでトップとなり、自身初のチャンピオンに輝いた――

小暮卓史まさかの失格で、mobilecast IMPULの松田次生(写真上下)がシリーズチャンピオンを獲得した。
【FN 07】第9戦ファイナル、大どんでん返しで松田次生がチャンピオン獲得!

2007年11月18日、三重県・鈴鹿サーキットで開催された全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの最終戦は、レース後の再車検を経て本山が3勝目を達成。2位にアンドレ・ロッテラー、3位にはJ・P・デ・オリベイラが続き、今シーズンの戦いが終了した。
ゲスト参戦したIRLドライバーのトニー・カナーンは、重いステアリングとオーバーステアに悩まされながらも力強い走りで6位完走を果たしている。

■最後のポールポジションは、この男

シリーズチャンピオン巡る争いは、獲得ポイントでブノワ・トレルイエが暫定トップに立ち、小暮と松田が4点差でこれを追う形で最終戦を迎えた。

土曜日の予選――午前のセッションでトップタイムをマークしたのは、小暮のチームメイト、ロイック・デュバル。第6戦以降表彰台の常連で、好調そのもの。これに1000分の1秒差で本山が続き、トレルイエは3番手。小暮は5番手に甘んじた。
水温のセンサートラブルを抱えていた小暮は、本格的なアタックを見送り、ニュータイヤを温存。一方、金曜日の公式練習から不発の松田。最初のアタックでも8番手に留まった。

迎えた午後のセッションでは、まずトレルイエが暫定総合のトップタイムを更新する。だが、そのあとは自己ベストを塗り替えることなく4位でアタックを終えた。そんな彼を尻目にデュバル、さらに本山が自己ベストを更新。そしてラストの小暮が叩き出したタイム1'40.510は鈴鹿のコースレコードとなり、文句なしの3連続ポールポジション獲得を果たした。

チャンピオンを決める、最終戦鈴鹿のスタートシーン!
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■PIAA NAKAJIMAの壁

迎えた決勝日。前日とは打ってかわり、鈴鹿には終日冷たい強風が吹き付けた。
フロントローに小暮とデュバルのPIAA NAKAJIMAコンビが並び、その後ろには本山、そしてトレルイエ。松田は6列目、11番手からのスタートと、まさに崖っぷちだ。

51周の戦いは、小暮、トレルイエのオーダーでスタート。デュバルによる小暮の援護を阻止したトレルイエだったが、小暮の速さに詰め寄ることができない。レース折り返しを前にすでに6秒以上の大差がつき、逆にデュバルの猛追を受ける。
トレルイエは、状況を変えようとピットイン。するとデュバルもこれに続く。最終コーナー寄りに近いピットから作業を終えたデュバルがクルマを動かせば、1コーナーに最も近い場所にピットから、トレルイエが鼻の差で滑り込み、前の座を確保。グランドスタンドの観客を沸かせたふたりだったが、この後、まさかの終焉を迎えることになる。

序盤から激しい攻防を続けた、ブノワ・トレルイエとロイック・デュバルは130Rで接触し2台ともリタイヤ。ランキングトップで最終戦挑み、2年連続チャンピオンを目前にしていたトレルイエだったが無念のリタイヤとなった。
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圧倒的な速さを見せ、トップチェッカーを受けた小暮卓史だったが、レース後の再車検でスキッドパッドの厚さ不足のためまさかの失格。チャンピオン獲得は夢と消えた。
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■クラッシュに1位の失格、揺れるタイトルのゆくえは!?

順風満帆の小暮は、後続からのプッシュを受けることなく、そのまま51周を走破。2位以下に30秒近い大差をつける圧勝だった。
一方、接近戦のトレルイエとデュバルは、サイド・バイ・サイドでラインを譲ることなく接触、もつれ合うようにコースアウト。ピットアウトから10周も経たないうちに最悪のシナリオに。トレルイエは自らの手でポイントを積み重ねるチャンスを失った。

一方の松田は苦しみながらも5番手まで浮上。前にはペースの上がらないオリベイラが行く手を阻む。レース序盤は松田がオリベイラを従えていたが、ピットインのタイミングを利用したオリベイラがのちに松田を逆転していたのだ。
猛追する松田の後ろには、僅差で2台がチャンスを伺っている。追いつ追われつ奮闘する松田をオリベイラが制し、自己ベストタイの4位でレースを終了。松田は5位フィニッシュとなった。

これにより、ノーポイントに終わったトレルイエと同ポイントとなった松田はランキング2位となった。
が、のちに小暮の車両違反が判明し、順位繰上げによって4位を獲得。結果、1ポイント差でトレルイエを上まわり、2007年シリーズチャンピオンが決定した。背水の陣で挑んだ一戦は、思わぬ幕引きで、松田にタイトルをもたらすこととなった。

mobilecast IMPULは、チームタイトルも獲得。スタッフは表彰台上で喜びを分かち合った。
【FN 07】第9戦ファイナル、大どんでん返しで松田次生がチャンピオン獲得!

■ルーキーテストに期待の人材も

波乱の結末で終えた今シーズンのフォーミュラ・ニッポン。11月20日には、この鈴鹿サーキットでルーキーテストが開催される。来シーズンの参戦を目指し、9名がドライバーオーディションを受ける。

メンバーは、欧州F3からアメリカIRLまで上り詰めた松浦孝亮をはじめ、5年間ヨーロッパで修行を積んだ平手晃平、そして今季の全日本F3シリーズチャンピオンで、先日のマカオGPでは3位入賞を果たした大嶋和也ら。これからのトップカテゴリーを担っていく人材が集まる。
この中から誰が来シーズンの開幕戦に並ぶのか。第1戦の決勝レースは2008年4月6日、富士スピードウェイで行われる予定だ。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J、JRP)

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