往年のルマンが富士にやってきた(後編)

2007.11.14 自動車ニュース
最大の見せ場となったルマン式スタート・セレモニー。
往年のルマンが富士にやってきた(後編)

往年のルマンが富士にやってきた(後編)

2007年11月10日、11日の2日間、富士スピードウェイで「ルマン・クラシック・ジャパン2007」が開催された。エントリーした46台のマシンは、土日の2レース合計80分を戦った。
前編はこちら

ポルシェ・ミュージアムからやってきた4台。左から1951年「356SLクーペ」、1973年「911カレラRSR」、1998年「911GT1」、1987年「962C」。
ポルシェ・ミュージアムからやってきた4台。左から1951年「356SLクーペ」、1973年「911カレラRSR」、1998年「911GT1」、1987年「962C」。
世界に4台しか現存しないうちの1台という超希少な1979年「ポルシェ936」。ルマンでは76、77、81年に勝利を飾っている。クラス3との混走だったレースでは「ローラT70MkIIIB」をバトルの末に下し、総合結果はクラス4の3位。
世界に4台しか現存しないうちの1台という超希少な1979年「ポルシェ936」。ルマンでは76、77、81年に勝利を飾っている。クラス3との混走だったレースでは「ローラT70MkIIIB」をバトルの末に下し、総合結果はクラス4の3位。

■デモランに、ポルシェミュージアムからのマシン

開催にあたり、心配されたのは事前の予報では2日間とも傘マークが大半を占めていた天候。だが結論からいえば、決勝をはじめ車両が走行している時間帯に雨滴が落ちてくることはほとんどなかった。とはいえ初日のコースコンディションはほぼウェット。低めの気温と相まってタイヤが暖まらずスピンしたりコースアウトする光景が何度か見られた。

そうした難しいコンデションで貴重なヒストリックカーを操るとなれば、慎重なドライブとならざるをえないだろうが、それでも各クラスとも上位のドライバーは速かった。ファステストラップを連発してブッちぎる者もいれば、激しいバトルを展開する者もいる。「クラシック」や「ヒストリック」という言葉からパレードランのようなのんびりした風景を想像していると、いい意味で裏切られる。

今回のプログラムにおけるトピックのひとつが、ドイツのポルシェ・ミュージアムからやってきたマシンの展示およびデモラン。かつてルマンで活躍した「356SLクーペ」(1951)、「911カレラRSR」(1973)、「962C」(1987)、「911GT1」(1998)の4台で、このうち「911カレラRSR」は『CAR GRAPHIC』誌の塚原久編集長がステアリングを握った。また近代のルマンカーである「マツダ767B」と「マクラーレンF1-GTR/LM」のデモランも行われた。

「正調マトラ節」で筆者をシビれさせた1972年「マトラMS670」。1972年のルマンで、地元フランス車としては22年ぶりに勝ち、以後3連覇を成し遂げたマシン。レインタイヤの備えがなく土曜は走れなかったため、総合順位はなし。
「正調マトラ節」で筆者をシビれさせた1972年「マトラMS670」。1972年のルマンで、地元フランス車としては22年ぶりに勝ち、以後3連覇を成し遂げたマシン。レインタイヤの備えがなく土曜は走れなかったため、総合順位はなし。
パドックに並んでいたエンスーなショップで見つけた逸品。「スタンド21」のブースにあった、マルティニ・ストライプ入りのレーシングギア一式。カッチョイイ〜。
パドックに並んでいたエンスーなショップで見つけた逸品。「スタンド21」のブースにあった、マルティニ・ストライプ入りのレーシングギア一式。カッチョイイ〜。

■マトラ・ソプラノに感動

そして最大のハイライトが、日曜の午後に行われたルマン式スタート・セレモニー。グランドスタンド前のストレートを挟んでマシンとドライバーが整列、スタートの合図と同時にドライバーがマシンに駆け寄り、エンジンがかかったマシンから発進していく往年のルマン式スタートの再現である。

レースやこうしたコース上のプログラムと同じか、もしくはそれ以上に来場者を楽しませたのではないかと思われるのがピットウォーク。2日間ともに設けられたピットウォークの時間帯には、来場者はエクストラチャージを払うことなく自由にピットに出入りして、至近距離から希少なマシンをつぶさに見ることが許されていたのだ。

ちなみに筆者がもっとも感動したのは、かつて「マトラ・ソプラノ」と呼ばれていたマトラV12の甲高く、澄んだサウンドをライブで体験できたことだった。

(文と写真=田沼 哲)

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