第14戦、大波乱のラリージャパンはフォードのヒルボネンが優勝!【WRC 07】

2007.10.29 自動車ニュース
ヒルボネンのフォードが、ぬかるんだステージを疾走する。
第14戦、大波乱のラリージャパンはフォードのヒルボネンが優勝!【WRC 07】

【WRC 07】第14戦、大波乱のラリージャパンはフォードのヒルボネンが優勝!

2007年の世界ラリー選手権(WRC)第14戦「ラリージャパン」が10月26日〜28日、北海道帯広市を舞台に開催された。
今季は例年より開催時期が遅く、ステージ脇の草木が枯れたことから多くのドライバーがインカット走行を行い、鋭利な石が路面に散乱。26日夜半は雨にたたられ、レグ2はマッドな路面に変貌し、ランキング首位を走るフォードのマーカス・グロンホルム、2位につけるシトロエンのセバスチャン・ローブが脱落するなど、近年に例のないサバイバルラリーが展開されることとなった。
そのなかで、終始安定した走りを披露したのがフォードのセカンドドライバー、ミッコ・ヒルボネン。第3戦のノルウェー以来となる今季2勝目を獲得した。

優勝候補のグロンホルムは、レグ1のSS4で横転。大破したマシンが痛々しい。
優勝候補のグロンホルムは、レグ1のSS4で横転。大破したマシンが痛々しい。
リタイアに終わったセバスチャン・ローブは鎮痛な面持ち。
リタイアに終わったセバスチャン・ローブは鎮痛な面持ち。

■スバル勢全滅! 近年にないサバイバル戦

何かが起こるだろう――

過去3大会のラリージャパンでは、何かしらハプニングが起きていただけに、今年の大会もそう予想していたのだが、ここまで壮絶なサバイバルラリーが展開されるとは思わなかった。
レグ1のSS4で優勝候補のひとり、グロンホルムがロールオーバー。なんとかサービスへ辿り着くものの、ロールゲージを破損してリタイアした。続くSS5ではスバルのエース、ペター・ソルベルグもコースアウトでギアボックスを破損し、その日の走行を断念。さらに、チームメイトのクリス・アトキンソンもSS6でコースアウトを喫し、マシンを大破させてリタイアすることになったのである。

まさに波乱の幕開けとなったものの、これは序章に過ぎず、翌日のレグ2ではSS12でスバルのサードドライバー、チェビー・ポンスがコースアウト。さらにSS13では2番手に付けていたローブと3番手に付けていたストバート・フォードのヤリ-マティ・ラトバラがコースアウトを喫し、そのままマシンを止めることとなった。

これほど多くのドライバーが脱落することになった要因は、ステージのコンディションにほかならない。今季は開催時期が10月末にずれたためステージ脇に草木は乏しく、多くのドライバーがインカットで走行した。そのため、鋭利な石がコース上に散乱。さらに、レグ1終了後の雨の影響でレグ2はマディな路面に変貌した。

そんななか、終始冷静なドライビングを貫いたフォードのヒルボネンがノルウェーに続いて今季2勝目を獲得した。2位は、シトロエンのセカンドドライバー、ダニエル・ソルド。ストバート・フォードのヘニング・ソルベルグが3位で表彰台を獲得した。
なお、ランキング上位のグロンホルム、ローブともにノーポイントで終わったことからタイトル争いに進展はない。第15戦のアイルランドはローブが得意とするターマック、第16戦GBは逆に、ローブに優勝経験がないだけに、今季のタイトル争いは最終戦までもつれ込むことになりそうだ。

初優勝した、ガブリエル・ポッゾ(三菱)の走り。
初優勝した、ガブリエル・ポッゾ(三菱)の走り。
優勝が期待された新井だったが、母国ラリーは無念のリタイアに終わってしまった。
優勝が期待された新井だったが、母国ラリーは無念のリタイアに終わってしまった。
奴田原もSS14でコースアウト。まさに波乱のラリーとなった。
奴田原もSS14でコースアウト。まさに波乱のラリーとなった。

■PWRCは新井、奴田原が脱落 ポッツォが今季初優勝!

「2位以上でフィニッシュすればチャンピンになれる」。同じくランキング2位に付けるマーク・ヒギンズ(三菱)が、帯広入りする前にオートバイの事故で左の鎖骨を骨折したことから、PWRC第6戦は新井敏弘(スバル)のタイトル獲得が注目を集めていた。
が、あろうことか2番手に付けていた新井はレグ1のSS7でコースアウトを喫し、その日の走行を断念した。WRCと同様、波乱の展開だ。

昨年のウィナー、奴田原文雄がレグ1をトップでフィニッシュするものの、翌日のレグ2では奴田原もSS14でコースアウトを喫し、そのままリタイアに……。さらに最終日のレグ3でも2番手に付けていた鎌田卓麻(スバル)がSS26でブレーキトラブルに見舞われて4番手に後退した。
結局、アルゼンチンの強豪ガブリエル・ポッゾ(三菱)が今季初優勝を獲得し、ラリージャパン初参戦のアルミンド・アラウジョ(三菱)が2位、2006年のポーランド選手権チャンピオン、レゼック・クザイ(スバル)が3位でフィニッシュした。
が、ラリー終了後の車検で、2位アラウジョのマシンにレギュレーション違反が見つかり失格。クザイが2位、鎌田が日本人最高位となる3位に繰り上がるなど最後まで波乱のラリーとなった。

注目のタイトル争いは、新井(10位)が痛恨の0点フィニッシュ、ランキング2位のヒギンズが5位入賞を果たしたことから、次戦以降に持ち越しに。
ランキング4位につけていたポッゾは今大会で優勝して2位となり、この争いに参加。残り2戦で17点(優勝1回と2位以上の入賞)がタイトル獲得の条件だ。
ランキング3位につけるヒギンズは、残り2戦、アイルランドとGBでの2連勝が条件。新井の有利は変わらないものの、シビアな三つ巴のタイトル争いとなる。

(文と写真=廣本泉)

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