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【スペック】全長×全幅×全高=4285×1765×1450mm/ホイールベース=2575mm/車重=1460kg/駆動方式=FF/1.8リッター直4DOHC16バルブターボ・インタークーラー付(160ps/5000-6200rpm、25.5kgm/1500-4200rpm)/価格=348万円(テスト車=412万5000円)

アウディ A3スポーツバック 1.8TFSI(FF/2ペダル6MT)【ブリーフテスト】

アウディ A3スポーツバック 1.8TFSI(FF/2ペダル6MT) 2007.10.23 試乗記 ……412万5000円
総合評価……★★★★
アウディのショートワゴンスタイル「A3スポーツバック」に新しく「1.8TFSI」が追加された。1.8リッター直噴ターボの走りを試す。

ミニA4アバント

デビュー当時は3ドアハッチバックのみだった2代目「アウディA3」に、ハッチバック以上、ステーションワゴン未満の5ドアモデルとして追加されたのが「A3スポーツバック」である。ホイールベースは3ドアハッチバックと同じだが、リアオーバーハングを少し伸ばして“アバント”風に仕立て上げたのが一番の特徴。遠目には「A4アバント」にも見えるその姿、2008年モデルからはオプションでルーフレールがオーダーできるようになり、“ミニA4アバント”として人気が高まるのではないかと、勝手に予想している私である。

そんなA3スポーツバックのなかで、主力モデルとなるのが、この「1.8TSFI」だ。搭載されるのは、新開発の1.8リッターの直噴ガソリンターボエンジン(TFSI)で、これは自然吸気の2リッター直噴ガソリンエンジン(FSI)に替わるもの。従兄弟にあたる「フォルクスワーゲン・ゴルフ」が同じ2リッターFSIを1.4リッターの直噴ツインチャージャーエンジンに置き換えるのと同じ流れで、排気量を抑えて低燃費を図りながら、過給器によって排気量以上のパワーを生み出そうというのが狙いなのはいうまでもない。

実際、排気量はこれまでよりも200ccダウンしたものの、力強さは2リッターをうわ回る印象で、Sトロニックとの相乗効果で燃費の向上も期待できる。1.4リッターのツインチャージャーほど違和感なく乗れるのもうれしい点で、価格と性能のバランスを考えると、A3スポーツバックのなかで一番のオススメモデルといえる。

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【概要】どんなクルマ?

(シリーズ概要)
“プレミアムコンパクト”を標榜する、アウディのスポーツハッチ「A3」。2代目は、2003年のジュネーブショーでデビュー。日本への導入は、2003年9月から。2004年10月に現行の“シングルフレーム”を伴ったフロントフェイスやリアデザインに変更され、リアオーバーハングの延長などを行い、5ドアモデルのスポーツバックが誕生した。
バリエーションは3種類。FFが、直噴2リッター直4の「2.0FSI」と、直噴ターボ「TFSI」2リッター4気筒の「2.0TFSI」。4WDは、3.2リッターV6の「3.2クワトロ」というラインナップ。その後、1.6リッターエンジンを搭載するエントリーグレード「アトラクション」が加わり、全4種類となった。3ドアモデルは、2006年7月にカタログから落ちた。

2007年5月、「2.0 FSI」と入れ替えに、新型1.8リッターターボエンジンを搭載した「1.8TFSI」が設定された。さらに同年8月、装備の見直しがされ「2.0TFSI」と「3.2クワトロ」に、オプション設定だった「S-lineパッケージ」が標準装備となった。
トランスミッションは、「アトラクション」のみ6段ティプトロ、その他は6段の2ペダルMT「Sトロニック」が組み合わされる。

(グレード概要)
「1.8TFSI」は、「2.0FSI」で使われていた2リッター直噴エンジンのボアストロークを短縮して排気量を200ccダウン。それに「2.0TFSI」と同様インタークーラー付ターボを装着したものである。直噴+ターボの相性の良さを活かし、160ps/5000-6200rpm、25.5kgm/1500-4200rpmという出力に対して、10・15モードで13km/リッターという高燃費を実現しているのが特徴。
組み合わされるトランスミッションは、6段の2ペダルMT「Sトロニック」。ステアリングに備わるパドルでギアチェンジができる。

【車内&荷室空間】乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★★
取り立てて豪華というわけではないが、アウディらしいシンプルで上質な雰囲気はこのA3スポーツバックでも感じ取れる。円形のエアベントや、左右に振って段階的に設定温度を変えるエアコンのスイッチなど、旧型「TT」から譲り受けたデザインも自然に溶け込んで、従兄弟の「フォルクスワーゲン・ゴルフ」とはひと味違う空間をつくり上げている。

メーターは大型の回転計と速度計がこれまたシンプルで、メーター内の数字はやけに大きいが、見やすいのはありがたい。細かいところで便利なのが、A3スポーツバックの給油口。最近のフォルクスワーゲン、アウディ車は、給油口を開けるのに室内のスイッチを操作する必要があるが、このA3スポーツバックはそれが不要で、ガソリンスタンドでは手間いらず。もちろん施錠すれば給油口も開かなくなるので、セキュリティ上の問題はない。日本車をまねたという給油口の開閉スイッチ、他のモデルでもそろそろ見直してもいいのではないか?

(前席)……★★★★
オプションの“S-lineパッケージ”(35万円)が奢られた試乗車には、スポーツシートが装着されていた。サイドサポートが大きめで、見るからにスポーティな感じがあるが、実際に座ってみるとシートバックやクッションは思ったほど硬くなく、背中全体を包み込んでくれる印象だ。ただ、私の体型だと腰のサポートがやや不足気味で、ランバーサポート調整がほしいと思った。
パドルシフト付きの革巻きステアリングホイールは、この1.8TFSIには標準で装着される。チルト&テレスコピック調整が付くが、個人的にはテレスコピックがもう少し手前に引き出せると楽なのだが……。ワゴン同様、CピラーとDピラーの間にガラスがはまるA3スポーツバックは、斜め後方の視界に優れ、車庫入れのときに見やすいのは助かる。

(後席)……★★★
「A4アバント」に比べると全長は300mm短いが、後席のスペースはむしろA3スポーツバックのほうが広いほど。A4には縦置きエンジンレイアウトならではのよさがあるが、室内の効率という意味では横置きレイアウトのA3に軍配が上がるのだ。
仮に身長168cmの私がタンデムに座る場合、後席のヘッドルーム、ニールームはともに10cm強のスペースが確保され、十分に広い。さすがに中央席は大人が座るには狭く、座り心地も褒められたものではないが、ヘッドレストと3点式シートベルトが用意されるのは良心的だ。

(荷室)……★★★
スポーツバックがハッチバックとアバントのどちらに近いかは、このラゲッジスペースを見れば一目瞭然だ。テールゲートを開けると、開口部とフロアの段差はしっかり20cmもあるし、リアシートを倒すとフロアに段差ができるなど、その眺めはハッチバックそのもの。

それでも、リアシートを起こした状態で荷室の奥行きが80cm、倒せば140cmプラスアルファというサイズはとても実用的で、荷室の高さが十分に確保されているのも使いやすさに貢献している。


アウディ A3スポーツバック 1.8TFSI(FF/2ペダル6MT)【ブリーフテスト】の画像 拡大

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写真をクリックするとシートが倒れるさまが見られます。
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アウディ A3スポーツバック 1.8TFSI(FF/2ペダル6MT)【ブリーフテスト】

【ドライブフィール】運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★★
2リッター自然吸気エンジンと6段オートマチックの代わりに、1.8リッターターボと2ペダル6段マニュアル「Sトロニック」が載るデメリットはほとんどない。排気量が小さくなったとはいえ、1.8リッターTFSIは2000rpm以下の低回転域でも線の細さを感じることなく、アクセル操作に対する反応も良好。トルクに余裕があるので、いたずらにシフトダウン/アップを繰り返さないのもいい。

一方、加速が必要なときには3000rpm手前あたりから一段とトルクが増し、そこからはフラットトルクでクルマを押し出す力強さを持ち合わせている。2リッターNAに比べると明らかに頼もしい印象だ。A3スポーツバックには2リッターのTFSIエンジンもラインアップされているが、さすがにそれに比べると高回転域の伸びが鈍る感じがあるものの、直接比較をしなければこの1.8TFSIでも十分余裕のある性能だ。

Sトロニックは、マニュアルトランスミッションがベースの2ペダルシステムだ。シフトアップやシフトダウンは素早く、ショックもほとんど感じられない高い洗練度は評判どおり。渋滞をノロノロ動くような場面では、トルコン式オートマチックのスムーズさに敵わないが、不満に思えるのはそのくらいである。


アウディ A3スポーツバック 1.8TFSI(FF/2ペダル6MT)【ブリーフテスト】

(乗り心地+ハンドリング)……★★★
試乗車はオプションのS-lineパッケージを選んでいるため、最低地上高が15mm低いスポーツサスペンションと225/45R17サイズのタイヤが装着されている。おかげで、一般道の舗装の荒れた部分を通過するときなどにはボディが上下に揺すぶられたり、目地段差でショックを拾うこともあった。それでも許容できるレベルには収まっているが、このクルマならできればノーマルの状態で楽しみたい。もし、スポーティさを求めるなら、S-lineパッケージを標準化し、実質値下げとなった「2.0TFSI S-line」を選ぶほうが買い得感はある。

ワインディングロードなどでは、多少締め上げられたサスペンションのおかげでロールこそ少ないものの、バネが硬いわりにダンパーの減衰力が足りない感じがあり、もう少し煮詰める必要がありそうだ。

(写真=高橋信宏)

【テストデータ】

報告者:生方聡
テスト日:2007年8月13日から17日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2007年型
テスト車の走行距離:8620km
タイヤ:(前)225/45R17(後)同じ
オプション装備:バイキセノンヘッドライトパッケージ(13万5000円)/HDDナビゲーションシステム(16万円)/S-line パッケージ(35万円)
走行状態:市街地(7):高速道路(3)
テスト距離:314km
使用燃料:46.9リッター
参考燃費:6.69km/リッター

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