【スペック】全長×全幅×全高=4435×1905×1250mm/ホイールベース=2650mm/車重=1630kg/駆動方式=4WD/4.2リッターV8DOHC32バルブ(420ps/7800rpm、43.8kgm/4500〜6000rpm)/価格=1670.0万円(テスト車は欧州仕様車)

アウディR8(4WD/2ペダル6MT)【短評(後編)】

優しいけれど、易しくない(後編) 2007.10.05 試乗記 アウディR8(4WD/2ペダル6MT)
……1670.0万円

アウディ初の市販ミドシップスポーツ「R8」にサーキットで試乗。その走りを試す。特別付録。「チーム・ゴウ」のドライバー、荒 聖治さんに「R8」の印象を聞きました。

サーキットにて

「アウディR8」に乗っている。レースコースに出ると、これはもう水を得た魚、サーキットのR8。70km/h、110km/h付近で、スパーン! スパーン! とギアを上げていくと、回転計の針は5600、6000rpmに落ち、さらに約2000rpm超分の加速を楽しませてくれる。メーカーが公表する0-100km/h加速は4.6秒。GT3やターボといった“特殊な”911にはかなわないが、普通のナインイレブンには後塵を浴びせられる。

6段のRトロニックは「S」モードをもち、エンジンとシフトのマネジメントはよりアグレッシブになり、ギアチェンジのタイミングは完全にドライバーに任せられる。つまり、勝手にシフトアップしない。

ツインリンクもてぎのロードコースを2周もすると、それなりにクルマに馴染んできて、「このクルマは抜群に楽しいのではないか」と思い始めた。
以前、「R8はさ、いわば大きなTTだよ」とのフレーズを耳にしていたので、「速いけれど、どこか大味」といったドライブフィールを予想していたのだが、違った。

R8はV8をミドに積むスーパースポーツなれど、深いふところで穏やかに、運転者の操作に誠実に応えてくれる。アマチュアドライバーにも、“操っている”気にさせてくれる。しかも、ことさらクイックでないステアリング、順当なギア比、(サーキットでは)穏やかな足まわりが、ドライバーをリラックスさせる。
プロフェッショナルなドライバーなら、安定していいタイムを重ねられるだろう。下手は下手なりに(リポーターのことだ!)、スロットルで挙動をコントロールする快感と緊張を手にできる。ミドシップのピーキーさは影をひそめ、4WDのスタビリティが前面に出る。フロント8本、リア4本ピストンのブレーキが黙々とスピードを殺し続ける。

「優しいけれど、易しくないミドシップ」

しょうもないフレーズが、沸騰した頭のなかに浮かんできた。

(文=webCGアオキ/写真=高橋信宏)

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