パリのショールームはラグビー一色

2007.09.25 自動車ニュース
ショールーム「プジョー・アヴェニュー」の店内。
パリのディーラーはラグビー一色

パリのショールームはラグビー一色

いまフランスでは、ラグビーのワールドカップ2007が開催中(2007年9月7日〜10月20日)だ。
パリの街なかには、民族衣装やナショナルカラーの被り物をした各国のサポーターが溢れかえり、ラグビー関連の装飾が施されたストリートも出現。テレビCMでも選手の姿が目立つ。
サッカーには及ばないけれど、フランスのラグビー人気はなかなかで、W杯の熱気が漂っている。


パリのショールームはラグビー一色の画像
W杯仕様に衣替えした「プジョー・アヴェニュー」。
W杯仕様に衣替えした「プジョー・アヴェニュー」。
唯一無二、「ラグビーボール型ヘッドレスト」をもつ「プジョー207RWC」。
唯一無二、「ラグビーボール型ヘッドレスト」をもつ「プジョー207RWC」。

■プジョーの「ラグビー仕様」が登場

そんな一大イベントの影響は、自動車業界にも及んでいる。

フランスのプジョーは、今大会のオフィシャルパートナー。それだけに、同社のライオンマークは至るところで目に映る。

W杯の旗なびくシャンゼリゼ通りのショールーム「プジョー・アヴェニュー」も、W杯仕様に衣替えした。ウィンドウには、プジョーの頭文字「P」とラグビーボールを支える2匹のラインをデザインした「プジョー・ラグビー・クラブ」のロゴ。入って正面には、大会参加20か国が記されたラグビーボールのオブジェ、壁には古いラグビー関連の写真が飾られる。
小スペースながらもW杯グッズのコーナーも設置され、大会ロゴ入りのTシャツやキャップ、プジョーマークが入ったラグビーボールやマフラーなども売られる。

ホール内には、2004年のパリサロンで発表された2シーターのFRスポーツカー「907」や、2003年のフランクフルトで発表された「407エクシエール」のコンセプトカーなどが展示される。

なかでも注目なのは、「207ラグビー・ワールドカップ2007=207RWC」という記念モデル。207の3ドアをベースに、BMWグループと共同開発した1.4リッターのガソリンエンジンを搭載。クルーズコントロールを装備し、15インチのアルミホイールを履く特別仕様である。
207RWCの最大の魅力は何といっても「ヘッドレスト」だ。正面には大会トロフィーをあしらった刺繍。裏側を見れは、ビックリ仰天。……なんと、ヘッドレストの後部がラグビーボール形をしているのだ。その“笑撃度”はかなり大きいだけに、207RWCのオーナーになったら、周囲の人気者になれるのは間違いなし(!?)。

究極のラグビーファンでなければ手を出しにくそうだが、それを実際に販売しようとするプジョーの心意気に感心してしまう。ちなみに、サイドミラーの下方には大会ロゴのエンブレムが配され、カーペットにもロゴが縫いこまれている。また、ラグビーボール型のヘッドレストもしっかり備える「307RWC」の特別仕様もある。


パリのショールームはラグビー一色の画像

パリのショールームはラグビー一色の画像

■日本メーカーもドップリ?

ラグビーW杯と関わりのある自動車メーカーはほかにもある。フランスチームの公式パートナー、われらが「トヨタ」である。

PSAプジョー・シトロエングループと組んで、欧州で生産、販売される小型車「アイゴ」と「ヤリス(日本名ヴィッツ)」に特別仕様車「レ・ブルー」が用意された。
前者には、ブルートゥースやCDプレーヤーの装備、ボディにはフランス・チームのカラー「ブルーアトランティス」などが施される。後者はレザー製のステアリングホイールやシフトノブ、それに、フォグランプやブルートゥース・テレホンシステムなどが装着される。いずれもプジョーの記念モデルと比較すると随分控えめだが。

プジョーと同じシャンゼリゼ通りにある「ランデブー・トヨタ」の一角にも、選手のウェアなどW杯関連の展示が。しかし、特別仕様車の姿はない。大会期間中にサポーターキットを配布する宣伝カーとなる「オーリス」が置かれるのみだ。


パリのディーラーはラグビー一色

■よそ者だからこそ……

W杯絡みの活動として、現地トヨタは仏スポーツ紙の「L'EQUIPE」と共同で、特別紙(写真)を発行した。紙面には選手紹介やトヨタ・フランス社長のインタビューのほか、サポーター大使として、4度のF1チャンピオンに輝いたアラン・プロスト、女優のヴェルジニー・ルドワイアンら著名人の激励も掲載。さらに、W杯専門サイトも開設した。
トヨタとしては、クルマの販促活動よりも、むしろ「国民と一体になってチームを後押しする大応援団」という印象が強い。

他国のメーカーがフランス・チームを支援するのは意外な気がする。しかし、2001年に仏北部バレンシアンヌにトヨタの工場が開設された後、そこで生産されているヴィッツをはじめ、トヨタ車が仏国内で一気に増えたのは確か。同社は、昨年ドイツで開催されたサッカーのW杯でもフランス・チームの公式パートナーをつとめていた。よそ者だからこそ、愛国心が強まるスポーツの世界大会を通して、フランス国民に上手く溶け込んでいこうとする企業戦略がチラホラ(?)、なのだ。

(文と写真=野口友莉/YUYU)

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